苦味を少々 399のアフォリズム (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087495898

感想・レビュー・書評

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  • 「人生を生きるのに、愛するもの、好きなことを一つでも多く増やすのは、たいへん、たのしい重要なことです」
    田辺聖子さんの小説から抜き出された格言集。面白かったです。乃里子の3部作と短編しか読んだことがないのに気付いたので他の作品も読みたくなりました。
    「ハイ・ミスざかり」の項が為になりました。ハイミス自体は死語だけれど、わたしも紛れもなくここにあるハイミスに含まれるので(この生き方しよう)と心に決めました。「自分がいま、どういう風に見られているかという、客観的発想。女がひとりで生きてゆく、しかも美しくみえるように生きてゆく、ということは、かなり高い緊張度を維持しなければならない」「どういう感じの女になるかというのを、いつも考えていなければいけない」うかうか過ごせないな…過ごさないけど。
    でも、「目の前の草だけ抜いてたらええねん」という感覚も覚えていたい。

  • 田辺聖子さんの数十年にわたる作品の中から399の名言をとり出して集めた本書はどこから読んでもおもしろく、ほろ苦さのある言葉は酸いも甘いもかみわけた著者ならではのものである。
    “人生をうまく生きる人というのは、楽しい口実をたくさん考え付くひとである。”という冒頭の一文に打ち抜かれてあっという間に読み終えた。
    アラサーでも中年でも、シングルでも既婚者でも、女性ならばきっと、あるある、とか、ふむふむ、と思えるフレーズにこの本の中で遭遇できるはず。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「楽しい口実をたくさん考え付くひとである」
      良いですねぇ~
      田辺聖子は読んでるつもりでしたが、この本は知りませんでした。絶対に読まなくちゃ!...
      「楽しい口実をたくさん考え付くひとである」
      良いですねぇ~
      田辺聖子は読んでるつもりでしたが、この本は知りませんでした。絶対に読まなくちゃ!と思ってます。。。ところで選んだのも田辺聖子自身?
      2012/10/09
    • ほうじ茶さん
      nyancomaruさん、この本はおすすめです。
      ぜひ読んでみて下さい。
      選んだのは文化出版局書籍部の平井浩さんという方です。
      nyancomaruさん、この本はおすすめです。
      ぜひ読んでみて下さい。
      選んだのは文化出版局書籍部の平井浩さんという方です。
      2012/10/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「選んだのは文化出版局書籍部の」
      お洒落に纏めてそうですね!
      「選んだのは文化出版局書籍部の」
      お洒落に纏めてそうですね!
      2012/10/16
  • これは田辺聖子の作品からとったアフォリズム集だ.田辺聖子といえば,小学校の時に顔写真を見て衝撃を受けた覚えがあるけど,今回は文章に衝撃を受けた.大変失礼致しました.
    人生のきびしさを素直に受け止めながら,人間らしいいとしさ,いやらしさ,心のうつろいを思いやりのこもったオトナの目で見つめる.カミュが述べたような,生きるに値しない人生をさらりと,しかししっかりと受け入れていながらも,その不条理に対する反抗としての人生をいかに生きるか,田辺聖子はいかに生きてきたのか,を彼女の作品と人生(50代の著作だけど)をもって示している,ように見えたよ.恋愛についても色々あるみたいで,本当のオトナというのはこんなにオシャレな人生なんだね.

  • 何がタカラといって、こっちが、(何といういい人間だろう)と思うような男、あるいは女の、その心をもらうほどのタカラがあろうか。

  • 田辺聖子作品の中から集められたという言葉の本。
    アフォリズムとは、簡潔な表現で人生や社会などの機微をうまく言い表した言葉や文、
    金言、警句、箴言のことだそうで、厳選されたお聖さんならではの箴言がたっぷり味わえる。

    誰でも人生について悩んだり、迷ったりする時はあるだろうけれど、
    そんな時は、このような本を手にとってみるのもいいと思う。
    様々な箴言から考えさせられることは、きっと少なくないはずだ。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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