救命センター当直日誌 (集英社文庫)

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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477429

作品紹介・あらすじ

東京下町の救命救急センター。運ばれてくるのは、酔っぱらい、自殺未遂、クモ膜下出血、交通事故などで生死の際の患者たち-。最先端の医療現場では、救命だけが仕事ではない。助かる見込みのない患者を、いかにその人らしく安らかに逝かせてあげるか、それもセンターの医者の役割なのだ。危機に瀕した患者をめぐる医療の建前と現実を知り尽くした医者が描く、緊迫のヒューマン・ドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 救命センターでの激務をこなすには情熱と冷静な目の両方が求められる。医師であっても万能感を持つことなく悩みながら難しい判断を重ねる姿に感銘を受けた。

  • 予習無しで多様な重症患者が運び込まれ、
    その場で即判断を下していく迫力を感じた。

    自分の判断は正しかったか
    ーそれは治療そのものだけではなく、治療をやめる判断も含むー
    それを問い続けなくてはならず、
    人の生き死にを左右する究極の判断には
    常にわかりやすい正解があるわけでもなく、
    人によっては考えることをやめてしまう。

    自分がその立場になったら、
    重い問いを抱えていられず
    同じく考えることをやめてしまう可能性大だ。

    すっきりした答えは無く、
    患者にとって、遺される家族にとって
    自分の判断が正しかったかどうかを自問し続ける。

    この本から感じた迫力は、
    その問いを引き受ける医師の迫力でもある。

    我が子の亡骸に声を限りに呼びかけ続ける母親に
    その子の死亡宣告を決然と行う場面には涙が出た。

  • 救命センターの現場の臨場感がひしひし伝わってくる。

  • 命を救うことと、最期を看取ること。この二つが対極的でありながらも隣り合わせであることがよく解る。生き様をも決めかねない往生のしかたを唐突に迫られるというのは、なんともつらいものだ。

  • 救急救命センターの医師達は的確な判断力と見極める力も必要だ
    どんなに患者のためを思って対応しても患者の家族がどう思うかはわからないので難しい

  • ずいぶん前に買ったけれど読んでいなかった本。救急救命センターの先生によるエッセイなので救命救急現場の現実がよく描かれていると思う。医療の限界とか現場の葛藤とか、それに加えて研修医の成長話まで。肝臓は、健康を維持するために、まだ解明できないことも含めてすごくいろんな仕事をしているけど、命の源としてシンボリックな心臓は血液を全身に送り出すポンプの役目しかしていない、という一文がすごく印象的。肝心かなめの2つの臓器だね。

  • 11年ぶりの再読。救命救急センターの外科医が、看護師向けの雑誌に書いたエッセイ集。
    現場の実態を、ユーモアたっぷりに、そして第三者にもわかりやすく解説しており、救命医療あるいは医療ドラマに興味のある人は、一読も。

  • 救命の話

  • タイトル通り
    こういうのも好きです

    また読みたい

  • 救命センターにおける医者の役割

    東京下町に位置する公立の救命センター。そこに勤務する救命医の日常。
    エッセイ部門の賞をとったらしいが、一般的なエッセイとは味が違う。(それでも、ノンフィクションの医療ものに比べたら大分軽い仕上がりになっているが)

    いつ何時、何が起こるかわからない救命センター。

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