北方謙三 文庫版 水滸伝 完結BOX 全19巻+読本 20冊セット (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.65
  • (146)
  • (32)
  • (17)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 624
感想 : 68
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784087469837

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 単なる歴史小説の枠をはるかに超越している。
    「民とは何か」「国家とは何か」「政治とは何か」「志とは何か」「人生とは何か」。人類普遍のテーマを根底に、強さと弱さを抱えた登場人物が一人また一人と出会い、替天行道の志のもと、腐敗した国家に立ち向かう英雄譚。

    第1巻の魯智深の言葉が心に染みた。

    「命の終り方は、望んで望めるものではありませんぞ、御母堂。思いとはまったく別のものが、終り方を決めてくれます。その命をどう生きたかを誰かが見ているのだろう、と私は思えてならないのです」

    次の楊令伝に繋がるラストも圧巻。
    まさに世紀の傑作。

    第19巻読後の感想。

    「なんで俺は、こんな面白い小説を今まで手に取って来なかったのか!」

    岳飛伝を読み終わり、現在再読中です。

  • 中国四大奇書のひとつ「水滸伝」を、北方謙三が大胆にアレンジ。
    「食」と「女」と「志」を貪る男達の物語。
    これこそが「生きる」こと。
    突き抜けた生き方に清々しさを感じる。

    様々なエンターテイメントを盛り込んだバイタリティ溢れる劇画小説。
    息つく間もないくらい一気に読みきれる全19巻。

    とにかく皆、肉を貪り「食」らう。
    梁山泊畔の魚肉饅頭は、将軍も兵士も必ず食べる名物料理。
    同じ釜の飯をわっさわっさ喰らう。

    とにかく「女」を貪る。そこには愛情がある。
    それを知って家族を築く者もいれば、
    後で気付き後悔する者もいる。
    ただ貪る者もいる。

    そして「志」。
    なんだか判らず「仲間」のために集まる者もいる。
    「志」を知って生き直す者もいる。
    「志」があるから格好良く生きることができる。

    登場人物は皆、一線を越え突き抜けて生きている。
    些事に囚われる自分は、そこに清々しさを感じるのだ。

  • 腐敗した国に対する壮大な反乱の物語。

    今まで読んだ小説の中で面白さ第1位かもしれない。

    登場人物それぞれの目線で物語が進み感情移入しやすい。
    壮大でありながら人間の繊細な部分まで細かく描かれており、読み進める手が止まらない。

    史実ではないので、フィクションを楽しめる人におすすめしたい。

  • ずっと読みたいなぁと思いながらも、巻数が多いので手をつけるのを躊躇っていましたが、ついに読み始めました。巻数同様登場人物もあまりに多く、誰が誰なのか識別して読めるのかなぁ、と不安がありましたが、いらぬ心配でした。皆個性的。その個性の描写が秀逸だから、人物像がぼやけることがなく、共感して読むことが出来ました。登場人物一人一人のストーリーにフォーカスし、その性格や個性が細かに描写されています。全員が全員、必ずしも強い訳じゃなくて、恋に悩んでいる姿や人生に悩んでいる姿等、人間らしい弱い部分も見せてくれます。何をどう感じ、どう考え、どう行動したのか、そういった複雑な感情がしっかり描かれているんです。ただ、表現はいたって端的。そこが、回りくどくなくて分かりやすく、潔くって気持ちがいい。登場人物一人一人に厚みがあるからこそ、彼らに感情移入して読むことが出来、応援したくなる。「替天行道」という物語の軸がしっかり支えられているのかな、と思いました。1巻を読み終わった時点で、何でもっと早くに読まへんかったんや、私!!と思うくらい、本当に面白くて、まだまだ序盤を読んでる途中ですが、この先彼らがどんな事を考え、行動し、ストーリーが展開していくのか、楽しみでしょうがないです。まだまだ個性豊かで魅力的な人物が登場してくると思います。それも楽しみです。今後も彼らの「志」を応援して読んでいきたいと思います。

  • 長いけどいちどは読んでほしいです

  • 人間として、何をなすべきか。

    敵にも味方にも正義があり、人生がある。

    それらを見事に表現されていて、本当に、面白かった。

    感動するシーンや文章にも多く出会え、今後も何度か読み返したくなる19冊。

    続編の楊令伝も早く読みたい。

  • 2015/11/15
    3度目の読み返し。今回の面白さに、登場人物たちの人間関係と役割がどう構築され、変化してくかが加わった。読み直すために違う発見がある。しかも、同じ文章を繰り返し読んでいるにもかかわらず、最初に読んだ興奮をまた味わうことができる。これが堪らなく嬉しい。大好きな北方ワールドを少しずつ噛み締めながら、話を進めることにしたい。

  • 登場人物一人ひとりに焦点を当てて、各々の生き様、死に様を描く。表面的な勝者ではないかもしれないけれど、目的を持って妥協せずに生きるというある種の理想みたいなものが描かれている。物凄く人間臭い話で泣ける

  • いやー、面白かった。司馬遼太郎の歴史小説は大嫌いなのだが、これは面白い。

    『北方水滸伝読本』は蛇足だが、ファンブックとしては嬉しいサービスか。しばらく一休みして、『楊令伝』も読もうと思う。

  • 読み出したら止まりません
    すばらしい

全68件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北方謙三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×