- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087468083
作品紹介・あらすじ
江戸中期、日本橋瀬戸物町の鰹節商、伊勢屋にんべんの次男に生まれた伊之助。父亡き後、兄を支えて家業に精進するが、度重なる不運が伊勢屋を襲う。心身を病んでしまった兄の跡を継ぎ、三代目となった伊之助は「商人は何のために商売をするのか」という父の問いを胸に、大店の意地を捨てて苦難を乗り越え、商いの真髄を極めていく。江戸商人の心意気を描く傑作。第3回舟橋聖一文学賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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渋い。読んでる自分も渋い。
あきんど、と言えば、大阪なイメージだったけど、
こちらはお江戸の、鰹節屋さんのお話。
商売そのものより、十五、六で、顔も見たこともない人に嫁いで、一生懸命働く女の人たちに、
心がざわざわ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸中期の「あきんど」を通して、当時の家族模様や隣保とのかかわり、流通事情、身分制度、風俗風習などを伝えてくれる。誠実でありながら、御用達の看板を掲げるにはそれなりの裏事情もある。そうした艱難辛苦を乗り越える上で、外からの血、すなわち嫁いできた女の支えの大きさも教える。妬みや裏切りはあってもそうした描写は薄く、三郎や油五たちの支援や友情が厚く描かれるのも好ましい。鰹風味のいいダシが効いた一冊。
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商人としての心掛けなり、訴えてくるものをあまり感じることができなかったかな。
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小説なんで、ドラマティックなんですよ。家業で商人3代というとドラマが無い方がおかしいってもんで。商売をすることとは、なぜ商いをするのか、誰のためか、何のためか。最後に辿り着くのは「伊勢屋にんべん」のあり方、存在意義なんでしょうね。