風をください (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466782

感想・レビュー・書評

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  • 「愛してよろしいですか」の続編だが、単体でも問題なく楽しめる。個人的にはむしろ本作の方が好みかな。
    営業一課でバリバリ働く斉坂すみれ・34歳。年下のワタルと年上の伊豆との間で揺れ動く恋心。それぞれに魅力的だけど、それぞれに乗り越えなければならないハードルもあり…すみれの年齢を思うと両天秤にかけてしまう気持ちもわからんではない。が、そううまくは行かないのが現実である。
    田辺さんらしく、ときめきとリアルの配合が絶妙で、うっとりしているとピシャッとやられる。大きな起承転結の流れの間に、さざ波のように細かいアップダウン。小さな喧嘩、仲直り…を繰り返しながらも天秤はグラグラ。三角関係が四角になったりもするが、その展開が不思議と軽やかで、お見事なのだ。ヨめそうでヨめない流れに軽く翻弄される。
    若いOL・すみれのようなハイミス達・すみれの友人の主婦…と様々な年代、様々な立場の女性が登場するけど、彼女らとの関わり方の描写もまた巧く、特にハイミス達との付かず離れずな関係性。ほどよい共感と軽い嫉妬心、その辺のビミョーな心理状態、ベタつかずに描けるのは田辺さんだからこそ!女あるあるに頷きまくり!会社での、できるハイミスの立場の辛さも…身に沁みる。
    今回も、旅・料理・おしゃれ等、ワクワクさせるディテール細かい描写に気持ちがアガる。その点ではあまり時代を感じさせないのがすごいなと毎度思う。昭和の作品なのにこんなに新鮮だなんて。隅々まで楽しめた一冊であった!!

  • 「愛してよろしいですか?」の続編。
    ワタルが大学を卒業する時に盛り上がった結婚しようという気運もいつの間にか盛り下がり、様子を見る期間に入ってしまったワタルとすみれ。そんな中、すみれは世話焼きの友人の取り持ちで42歳で子持ちの伊豆サンとあいまいな交際を続けることに…。
    なりゆきでグループ交際のようになってしまった伊豆サン、すみれ、ワタル、みどり(ワタルの会社の先輩)のそれぞれの動きが面白く、何を考えているのだろう??と訝しんだり突っ込みを入れたりしていたが、ラストでワタルが「ほんまいうと…」と告白したところで一気にシリアスな恋愛小説!という印象。ワタルってすごい。
    しかも要所要所に恋愛の本質や女性心理を的確に突く名言もちりばめられていて、本筋とは違うところでうなってしまった。

  • ドラマっぽいー、おもしろかったな

  • ナニワの年増はカッコいい!
    青春恋愛小説ではなく、切実恋愛小説。
    男も女もゆれ動くんだなーとしみじみ。楽しく読めました。

  • 心に風が吹いてくる感じ。
    お気に入りです。

  • 「愛してよろしいですか?」に続けて読む。
    あとがきに、読者からに反響に喜ばれて、続編を書かれた旨がある。
    そうしてくださってよかった!二冊を読んで、すごく明るく軽い
    気分になった。ラストはラブコメディー映画のようで気が効いてる。
    聖子さんは機微を書かれるのがたいそう上手い。だから読んでいて、
    とても人間らしい温かみを感じられる。読んだこちらの心の中に。
    もう三回くらい読み返しているが、また近いうちに読むと思う。
    ハイミスものを巡回して。

  • 長崎に行きたくなりました。

  • 34歳のやりてOL、すみれ。ひとまわり年下の恋人、ワタルとバツイチ子持ちの素敵な中年紳士、伊豆サンとの間で揺れる乙女心。。

    主人公すみれの年齢設定が絶妙。こんな気のきいた切り返しはこの辺の年頃にならなきゃなかなかできないもんな…。

    伊豆サンと井上みどりがどうなるのかも気になるんやけど…

    ワタルが可愛いです。

  • 前半、テンポがいまいちでなかなかのれなかったけど、
    やっぱり神。
    後半、とっても切ない、苦しい、ゆれるおとめごころ!
    おとなのこいごころ!


    所有しようとしちゃだめで、一緒にいて楽しい、それで十分なんだ!

    勉強になります


    このシリーズめっちゃ好き

  • ラストの巻き返しにスッキリした。
    田辺さんの主人公はしたたかで、でも愛らしく憎めないところがすき。

    そして、解説で続き物であることを知る(汗)
    「愛してよろしいですか?」もこれから読みたいと思う。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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