ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458596

感想・レビュー・書評

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  • 昭和40年代の古書店〈東京バンドワゴン〉。
    3作ごとに1作はさまれる番外編は、このシリーズの楽しみの一つです。
    今回は、我南人と、妻で紺と藍子の母でもある秋実さんとの出会いのお話。

    堀田家には、猫のノラと玉三郎もいるし、居間の真ん中にある欅の一枚板の座卓もこの頃からすでにあったのですね。
    家族がまだ少ないせいか、現在の堀田家よりどこかのんびりとした風情で、昭和の時代の雰囲気がほんのりと伝わってきます。
    大家さん不在のアパートに住んでいる近所の大学生が来て、ご飯を作って一緒に食べていたり、我南人の仲間がやってきたり、食卓は今と変わらず楽しそうです。

    時代は遡っても、いつもの〈東京バンドワゴン〉のノリで問題を解決してしまうし、この物語には、やっぱり愛が溢れかえっています。
    ロックバンド〈LOVE TIMER〉のボーカルとして若い頃からモテていた我南人と、まだ高校生だった秋実さんとの衝撃的な出会いに、ホロリと泣かされてしまいます。
    今までにない、最高のLOVEだねぇが聞けて、幸せいっぱいです。

  • LOVEだねぇ!
    今回も全てがLOVEに繋がっている作品でした。
    幽霊ではないサチさんの語りに新鮮な気持ちになり、高校生の秋実さんとの出会い 生い立ちから人となりまで明らかになった。堀田家ファンとしてはとても大切な作品の一つとなった。
    今回の事件は大がかりな立ち回りなのだけれどその周りにあった問題も一気に解決‼︎
    あー気持ち良い‼︎

  • 番外編♫
    我南人の若かりし日の冒険譚って感じか?

    【読間】
    第一章時点
    物語はぐんと動き出した、っていうところ。
    曙草の下宿人って、既作に出てきてたような…。
    マリアやジョーさんの名前が出てきてあら嬉し。
    海坊主って、誰だっけ???

    ・・・と「マイ・ブルー・ヘブン」を…いや、バンドワゴンシリーズをイチから順に再読したくなってきた(笑)

    第二章時点
    わくわくドキドキ♫
    加速感がイイね。
    施設のママさんも格好良し

    【読了】
    一件落着 八方全て良し♫
    最後の「大仕掛け」こそ何となくイメージしながら読み進めたものの、全て丸く収まり、めでたしめでたし。

    曙荘の学生3人組、テレビプロデューサーの一色さん、北ちゃん、若木さん辺りはシリーズの続巻のどこかでまた会えそうな予感♩
    (自分の記憶が定かで無いだけで、きっと既巻のどこかにこの中の何人かは既に登場しているはずだとも思うけど)

    ※「LOVEだねぇ」の誕生秘話でもあったりするのも、シリーズのファンとしてはニンマリポイントかな。

    ★5つ、9ポイント半
    2023.03.30.新

  • シリーズ12作目。3作ごとに番外編が挟まれていて、本作も番外編。
    今まで多くのことが語られていなかった、我南人の妻・秋実についてよく分かるようになっている。我南人との出会いから、その間の出来事、結婚することになるまで。破天荒な我南人らしく、全てが突然で劇的な展開だった。
    堀田家がまだ大家族になる前の話で、生身のサチが出てくるのも新鮮だった(笑)そしてサチが「LOVE TIMER」のマネージャーだったのは知らなかった。

  • いつも堀田家の一員になった気になって読んでいます。今回は、我南人さんと秋実さんの若かりし頃へ!初めてリアル秋実さんの登場!ヒヤヒヤドキドキの展開、いつもながらの我南人さん流の解決は、素晴らしかったです。読み応えがあり、読後は心がホカホカでした。

  • シリーズも読み進め、いよいよ12巻目となった。本作は、4の倍数巻ごとにある番外編の3つ目。本編だけだとある意味マンネリになるのを番外編がとてもいいスパイスの役割を果たしている。今回の番外編は藍子と紺の母である秋実さんと我南人の出会いのエピソードとそれによって起こった騒動の顛末。本編ではすでに他界しているので、殆ど登場することのない秋実さんが生き生きと魅力的に描かれている。本作の中でも触れられているが、最初の番外編で語られた勘一とサチさんの出会いと瓜二つのような出会いかたに作者の意図するドラマを感じる。

  •  4の倍数巻毎に挟まれる、東京バンドワゴンシリーズ番外編。今作は我南人と秋実の馴れ初めエピソード長編。偽装婚約からの本当に結婚しちゃうパターンは、勘一とサチの馴れ初めとまったく同じで、親子揃ってそれはないでしょと少し苦笑。我南人の何でもあり解決法で、キナ臭い芸能界の難事も万事解決。個人的には2人の馴れ初めよりも、秋実が堀田家に嫁いできてからのエピソードが読んでみたい。それにしても、不倫して子どもまで儲けても、家族から愛され許されるのは我南人ぐらいだろうな。

  • 久しぶりの東京バンドワゴン。今までの作品では「太陽のような存在の秋実さん」という情報だけでしたが遂にリアル?な秋実さんを知ることが出来ました。また、不思議な所も多い我南人の人間らしい愛に溢れた部分が見れて素敵なお話でした。

  • 本編のラスト一行でウルっと来て、エピローグのラスト一行で涙腺が崩壊した

    待望の秋実さんのお話

  • 久しぶりの東京バンドワゴン

    本編も面白いが番外編もとても面白く、人情深くて好きです。

    今回は我南人とその妻秋実の出会いの物語

    しかも、絶対的にトラブルに巻き込まれて解決して行くという爽快、痛快さもありで、最後はほろりと泣かされる。

    東京バンドワゴンを読むといつも思うことは、またドラマが見たいという事。お待ちしてます。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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