- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087456578
作品紹介・あらすじ
元公安警察官が手伝うことになった地元原発の「廃炉」を訴える選挙戦。利権にまみれた政治家、警察、ヤクザの妨害を受ける中、選挙スタッフの女性が殺された……。馳星周の真骨頂!(解説/西上心太)
感想・レビュー・書評
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社会派ハードボイルドといった感じ。
読んでいる間、とにかく北海道の寒さ冷たさが一番印象に残った。
公安の闇を過去に背負う主人公の和泉。原発、市長選挙、ヤクザ、盛り沢山で、とても引き込まれて読み切ったが、今一つ消化不良のような。
満足感は少し足りなかった。
でもスッキリしない、これが社会の現実なのかも。
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馳氏の綴る北海道の情景は、その冬に暮らしたことがある者でないと体感し難いであろう〝うら寂しさ〟を感じられる。その特有の描写が今作に冠された『炎』を際立たたせている。情景と筋の温度差にぞくぞくとする。
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馳星周『雪炎』集英社文庫。
反原発のメッセージ小説なのか、ハードボイルド小説なのか、全く残るものが無く、虚しい作品だった。馳星周の作品としてはイマイチの部類だろう。
東日本大震災から一年後、三基の原発が立地する北海道の道南市を舞台に物語は描かれる。元公安の和泉は廃炉を公約に掲げ、市長選挙に立候補した旧友の弁護士・小島を助けることに…
殺人、原発利権を巡る警察組織と暴力団による選挙妨害、マスコミ、SNSと様々なネタを散りばめた割りには、いずれも昇華されておらず、ちぐはぐに感じた。 -
面白い、テーマがリアルだし展開も見せ場もあり、よかった。
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この本が、原子力利権や、選挙に対しどの程度現実に即しているのかわからないが、エンターテイメントとして原子力問題を扱いながらも、原子力と街の利権考えさせられます。今後の日本で田舎町はどんどん淘汰されていくだろうなかで、生き残るためにはお札でビンタされても原子力に頼らないとならないのだろうか。反対と言うのは簡単だが、エネルギー問題、田舎の過疎化問題など読み応えある馳ノワール作品です。