天に星 地に花 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455830

作品紹介・あらすじ

「父上、庄十は医者になりとうございます」享保13年、久留米藩領。大庄屋の次男に生まれた庄十郎は、飢饉に苦しむ人々の姿を目の当たりにする――。飢餓と圧政に苦しむ百姓のために医師を志した少年の成長物語。

感想・レビュー・書評

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  • 九州筑後川流域の農村の貧窮。享保年間ということは吉宗の享保の改革で幕府財政の立て直しがはかられた時代。改革の一環として、租税も検見法から定免法に移行、米の出来高に関わらず安定した徴収が意図されたが、凶作が続くと農民の生活が忽ち窮乏した。このあたりの背景にも本編では触れられている。塗炭の苦しい生活を直視し、成長していく主人公の姿を語る。2019.4.16

  • 幕府に翻弄される庄屋、圧政に苦しむ百姓、身命を賭して民を守る名君…。医師を志す大庄屋の次男・庄十郎が成長していく姿を通して、筑後平野に息づく、さまざまな人生の哀歓を描く。

  • 感想は下巻にて

  • いい本だ
    こんな時代もあったのだ  
    と思い知らされる
    飢餓や病に倒れる百姓たちの物語を読みながら
    ふと思い出した
    「今朝もまた 覚めて 目も見え 手も動く ああ ありがたや この身 このまま」
    二十年近く前、山形の山寺へ登った時、境内の掲示板にあった 
    「下」に続く

  • 73

  • 享保十三年(1728)~十八年
    百姓に対する増税、彼らの反発、そして大飢饉。
    お百姓らの働きはほとんど自分に返ってこない。藩の為 藩のため ‥‥ なんて辛い
    疱瘡を生き延びた大庄屋の次男庄十郎は医師を目指す。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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