リケコイ。 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455076

作品紹介・あらすじ

恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた――。
相手は、卒業研究をするため研究室にきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。
ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が!
妄想と現実に身悶えながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。
それでも諦めきれない……。
どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!(解説/吉田伸子)

感想・レビュー・書評

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  • いつもの理系ミステリの感じで読んだら、理系男子のイタい恋愛事情の話だった。何かに似てるけど思い出せない。面白い小説とは思わないけど、こんな人達いるだろうな、とは思う。

  • 東京都の某大学農学部に通う、修士一年の森君。私大で4年の外研生である羽生さんのことが好きになってしまう。羽生さんが研究室で修士に進学してくれることを望みつつ、羽生さんと近づくことを画策する。

    うーん、読む人を相当に選ぶ一冊である。かくいうワタシも、同じような研究室生活をしてきたのでよくわかる。そう、よく分かる人でないと、話の内容というか、閉塞的な研究室の中で繰り広げられる、いわば「近親交配」を見せつけられると、気持ち悪くて仕方がなくなるであろう。

    主人公の森くんは、20歳を過ぎて女性経験がなく、などと言うとちょっと変わり者のようだが、理系の大学院に進んでいる人の半数以上は、過去も現在も同じような境遇のはずだ。なまじ女性の同級生や先輩後輩がいるうえ、同僚や先輩から聞かされる性的な情報に悶々とする日々。わかる。

    そうなんよね、わかるんよね。
    さすがに、この中の森くんのような行動に移す人は、100人中1人もいないと思うけれども。

    ということで、森くんが数しれずやっちまう話を、気持ち悪いなあと思いつつ、楽しめるかどうかがこの本の読者になりうるかというところである。

    ところで、デビュー作なのか何かわからんし、途中のやや鬱陶しい解説において「森くんは私ではない」などと言い訳はしているが、1/3くらいは著者であり、残りは著者の妄想であろう。「私ではない」と言う割に、生合成の説明やアニメの知識の部分は、やけに必要以上なリアリティを持って描かれているというところからも想像がつく。

    一方で、描きたいことをきちんと背景を説明しないまま書いてしまい、いらん一言を入れてしまったり、登場人物を出すことに必死で説明不足であったり、「〇〇だ」「〇〇だ」と単調に事実を羅列してしまっているところなど、私事ながら自分で書いているネット小説でやらかしているようなことをやらかしており、単純に文章が下手だなーと思うところが多々見られた。「その後合コンには行かなかった」はそこに書くなー!というようなこと。

    研究室を題材にしていたり、一人称視点で妄想を爆発させたり、いろいろとワタシの小説かしら?と錯覚しそうなことも多々見られ、よくも悪くも自分の小説の反省材料を得られたという意味では価値は有った。

    「気持ち悪い」まあそうだよ。だから何?

    なお、タイトルの『リケコイ』ってどうなんかなー。恋ってんなら、そこを消化させるような文章にしてほしかったな。今ならライトノベルっぽい「いかに理系の僕がナンタラカンタラに至るか」みたいなタイトルにされそうだ。某アニメの略称とかぶってるし。

    (追記)
    そうそう、自分の周辺5mくらいの話で恐縮だけど、修士のときの他研究室もふくむ同級生同士って、実際に結構結婚するんよね。研究って、そういう環境になりやすい空気ってあると思う。これから修士に行こうとする人は、人生の転機になる出会いか、それともそれまでに作った関係が消えるか、それくらいの覚悟は持っておいてよい。ただし、出会いを求めて修士に行こうとするのなら、やめておけ。

  • 農学部理系大学院生の初恋のお話。

    大学院生になるまで女子との交流や会話とは全くご縁のない人生を送り、大学の研究生となったことで研究室仲間と楽しく過ごそうと期待がふくらむ。

    研究室に外部から来た女性に恋をし、ふられてもその後いつまでもずっとしつこく恋心を抱き、グズグズモヤモヤコソコソとチャンスを伺う。といった感じで進む。

    実話といった様子ですが、バカバカしくて本にするような話ではないと思う。

    苦手な一冊となりました。

  • この作家さんは合わないのかも。中盤からは流し読みです。キャラの誰にも共感出来ず、そして好きにもなれませんでした。途中途中の作者とは違う、わたし?の書き込みの意味もわかりませんでした。残念。

  • 好きな作家さんですが、どうもうまく消化できませんでした。

  • ‹内容紹介より›
    恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた。相手は、卒業研究をするためにきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が!妄想と現実に身もだえながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。それでもあきらめきれない……。どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!

    ーーーー
    主人公の森さんの「恋愛偏差値」が低いところなど、昔の自分を見ているようで、少し痛々しく感じました。
    今となっては、読んでいて、「森くん、ちがうよ、こっちの人は君に気があるよ」と思えますが、たしかに恋愛経験の少ない当時だったら、その辺りは見えないだろうなあ、とか。
    ただ、いささか暴走気味なのが気にはなりましたが、そこはきっと森さんの個性なのでしょう。
    じれったい思いを散々させられましたが、恋愛小説、というよりエンタメ小説として楽しむことができました。
    各章の間に「原作者」からのコメントが入っているのも、実際に恋愛経験が乏しい男子高校生(理系)にとってはありがたいのではないでしょうか。
    この「原作者」が森君から聞いた話を、同僚の小説家にネタとして提供し、この小説が執筆されたとのこと。「原作者」も小説中に登場しますから、いったい誰が「原作者」なのかを推理しながら読むのもおもしろいかもしれません。

  • タイミングって本当に難しいんだな、と時系列解説書で問題点あげられると両思いになることは奇跡なのでは?と思います。
    森くんには絶対羽生さんはあわないからタイミングズレててよかったと思ってしまいます。
    これから幸せになって、と応援したくなります。

  • 2017.1.12読了

  • フィクションはどこまで行ってもフィクションです。バッドエンドのその先はないのです。あっても、本作のように数年後に飛びます。
    でも、現実は違います。バッドエンドと地続きで生きていかなければなりません。
    この物語にはすごく共感しましたが、でもそれはフィクションとして割り切っているから。現実は小説よりも奇なり、とはよく言いますが、現実の方がよっぽど陰惨で、救いがありません。本当に読みたいのは、バッドエンドの続き、それだけです。

  • それがテーマでもありますが、なんていうか痛すぎる。それにしてもミステリーとして迂遠すぎる。

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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