- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087454307
作品紹介・あらすじ
青が出演した古書店が舞台の映画が公開に。中学3年生の研人はイギリスに行きたいと言いだした──。相変わらず賑やかな堀田家。10周年を迎えた第9弾!(解説/ときわ書房本店 宇田川拓也)
感想・レビュー・書評
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シリーズ第9弾。
登場人物もますます増えて、子どもたちも成長するし、時代も進んでいくけれど、年末大掃除のすす払いや障子張りや、餅つき大会に使う臼と杵を洗ったりという昭和を感じさせる懐かしい風景が登場し、大人も子どもも家族みんなで働く姿に心が和みます。
中学生になった研人は、背が170センチもあるし、3歳になったかんなちゃん鈴花ちゃんも、朝の食事の準備に参加したり、とっても微笑ましい。
堀田家に持ち込まれる諸問題も、親と子にかかわる誤解やすれ違いが、皆の計らいでみごとに解消され、すべてが丸くおさまって、私たちを毎回笑顔にさせてくれます。
最終章で研人が、高校へ行かずにイギリスへ行って音楽をやりたいと言い出すのですが、むずかしい年頃の子どもの問題を家族がどうやって乗り越えていくのか。
伝説のロッカー我南人の血をひく研人の、今後の成長がとーっても気になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆4
シリーズ第9弾
前回が番外編だったので、久しぶりに堀田家(東京バンドワゴン)にお邪魔してきました。
早いもので、かんなちゃんと鈴花ちゃんももう幼稚園に通うようになり、お話もしっかり出来るようになってきましたね!
毎度のことですが、花陽や研人の成長にも驚かされます!!
第4話の研人のお話では、堀田家の温かさに胸がじんと熱くなり「LOVEだねぇ」と思いました❁⃘*.゚
研人と芽莉依ちゃんのこれからが楽しみです!
それにしても…登場人物が増えてきて、読み始める前におさらいをしておかないと頭の中がややこしくなってきました( ˊᵕˋ ;) -
小路幸也に外れなし。
今作も最後まで楽しく読ませていただいた♪
一編ごとに季節が移ろうこのシリーズは、一冊で一年の月日が経つ計算なのだが・・・一編目と四編目での、かんなちゃん達の成長が、もう…ね。
我が子もあの年頃にはそんな感じだったなぁ、と、感慨。
お約束の、朝の食卓のカオスな会話(ここ、大好きなんだなぁ)から、幼子の成長が読み取れるのがまた嬉しい。
研人の決意と、彼らを諭す大人達の大いなる優しさに心打たれた。
マードックさん、格好良し♪
メリーちゃん、健気。
★4つ、7ポイント半。
2021.04.23.新。 -
シリーズ9作目。番外編だった8作目と違い、本編の続き。
かんなちゃんと鈴花ちゃんが幼稚園生になり、花陽と研人も高2と中3に。
研人が自分の将来について本気で考えていたり、成長が感じられる。子供の決断を頭ごなしに否定するでもなく、さりげないサポートをしてあとは本人に任せる、という堀田家の風潮がとても素敵。のびのびやれる家だから、こんなに個性豊かな人たち揃いなんだなと思った。
「変わりのない毎日は退屈などではなく、それが心地良いから変わる必要も、そうして代えもきかないものなのですよ。」というサチさんの一文がとても胸に響いた。 -
小路幸也著「東京バンドワゴン オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」
いつもの通りの人情ミステリー(なんて単語は無いでしょうが)。
古本を売ってお菓子を買おうとする小学生の少女、父親の著作本を燃やす女性、我南人の幼馴染が認知症?高校にはいかずロンドンで音楽の修行をしたいと言い出す研人。相変わらず堀田家に降りかかるゴタゴタ。しかしいつもの通りそれぞれに心温まる解決策が待っていた。 -
青の映画がいよいよ公開されることに。東京下町の古書店〈東亰バンドワゴン〉には、本日も訳ありのお客がやってくる。ある作家の棚の前で涙をこぼしていた女性。実は高校生のときに学校の焼却炉で何冊もの本を黙々と処分していた少女だという。いったい彼女に何があったのか、気になる堀田家の面々。「LOVEだねぇ」が沁みわたる、やさしさと温かいおせっかいに満ちた、人気シリーズ第9弾!
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相変わらずどんどん膨れ上がっていく堀田家とその周囲の人々。
読むたびに「この人、どんなエピソードでつながってるんだっけ?」と全作を読み返したくなります。
まあまあ面倒くさいのですが、このシリーズはこれでいいのです。
我南人さんの「Loveだねぇ」の言葉通り、このシリーズには愛があふれています。
別に愛に飢えてるわけではありませんが、これを読むとほっとします。
みんな、相手のことをそれぞれに思いやり、それが近すぎることも遠すぎることもなく絶妙なんですよね。
特に最後の「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」。
研人君を見守る家族と周囲の人のそれぞれの言葉や行動が、本当にグッときます。
それぞれが研人君を思って、それぞれの立場でできるだけのことをしているから。
大団円的なところはいつもありますが、それをわかっていてもまた会いたくなる堀田家なんです。 -
あいかわらず人が繋がりすぎ!でも案外、周りの人と話をしてみれば、そういうもんなのかもしれない。誰かの友達が誰かの兄弟で、誰かの子供が誰かの同級生だったり。世間は狭いけど広がりは無限。
藤島さんの父親が高名な書家で初登場。勘一とのやりとりが良かった。古いものについて・・・。
匂いが残らないからデータにはしたくない。いや、時代が変われば人の感性も変わる、デジタルなものから匂いのようなものを感じる今の子供たち。だから古き良きものとして残す価値がある。
どちらも正しい、生き方の、考え方の違い。藤島さんと父親の関係性もうまい表現。説明するほど本質から遠ざかる、言葉を尽くすほど遠ざかる。言ってしまえば簡単、言葉にすると陳腐。その奥深さをしみじみと感じた。 -
小路幸也のオール・ユー・ニード・イズ・ラブを読みました。
一昔前のホームドラマ東京バンドワゴンの9冊目でした。
1冊目の時は小学生だった花陽と研人もそれぞれ高校1年生と中学2年生とになりました。月日のたつのは早いものです。
各巻で登場した人物もかなり多くなってきていて、ナレーター役のサチが東京バンドワゴンの紹介と登場人物全員の紹介をするのに12ページもかかってしまいます。
今回もいろいろな問題が堀田家に持ち込まれますが、お約束の「LOVEだねえ」という決めぜりふで物語が丸く収まるのでした。