鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.55
  • (8)
  • (21)
  • (27)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 191
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451030

作品紹介・あらすじ

大正三年、東京。画家を志す功次郎は容姿端麗な青年画家・雪華と出会う。やがて彼らの周りで不可思議な出来事が頻発し……。幻想と怪奇に満ちた、大正怪異事件帖。(解説/千街晶之)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大正浪漫の雰囲気漂う短編集。サクサクではなくゆっくりと読ませるタイプの小説で、画家とあやかしなどモチーフはわりと好みなのだが、心揺さぶられるほどかというと残念ながらあまり……な、可もなく不可もない印象だった。個人的には「みれいじゃ」の謎を追うより、第2話までの路線をそのまま継続してくれたほうが、画家の設定を活かせて面白そうだったのになと思った。

  • 結構好きな部類の小説でした。舞台は大正の怪奇小説の第一集。

  • 少し不気味で少し悲しい小説。時代設定もぴったり。有名人たちのカメオ出演も、あの人だと気づくとうれしい。続きをにおわせた終わり方。これからやってくる戦争の時代、きっと「みれいじゃ」は増える。主人公ふたりはどう過ごすのだろう?ぜひ読んでみたい。

  • 朱川湊人の新境地、今までの昭和レトロからちょっと遡って大正ロマン時代のホラー…と言うより幻想奇譚シリーズ。

    大傑作という感じではなく、まだアイドリングで温めてる状態かな。シリーズとしての土台を積んでる感じ。
    「みらいじゃ」を追うにしても、一話のような語り手たちの絵描きという特徴をもっと使いこんだ方がいいんじゃないかなぁ、と個人的には思うが、まだまだここからのシリーズらしいので楽しみにしておこう。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00529841

  • 大好きな作家ですが、ここ数年読んだ作品にイマイチ気持ちが乗らず、しばらく遠ざけていました。しかし仕事で近代の新聞連載小説等の挿絵を見る機会が多く、積読の山の中にあった本作は大正時代の画家が主人公だからまさにピッタリで。久しぶりにこれが私の好きな朱川湊人だと思えました。

    この世に未練があるせいで成仏できない霊たちが出没する下宿屋。『妖怪アパート』のように可愛くはありません(笑)。霊を払う技を持つ謎の青年画家と、彼のことを妙な奴だと思っていたら意外に自分にも霊を見る力があると知った主人公。

    霊たちの想いがわかるとき、とても切ない。表題作については、解決方法を主人公と同じように推理していたため、何もわかっちゃいない自分に気づかされて愕然。成仏する姿に泣きました。

  • 大正時代の画家(見習い)が遭遇する怪異譚。と言ってもどこか哀愁を帯びていて、恐ろしさはあまりない。得体の知れない美貌と博覧強記知識の持ち主の雪華の正体が気になるところ。未練者かな。

  • 初めて読む作家さん。どなたかの本棚で見て「どんなだろう?」と。朱川湊人さんに予備知識なく読み始め「え~!ホラーなの!」となるが、大正期の東京を舞台に繰り広げられる短編(関連あり)が面白いのと(あれ?全然怖くない)登場人物が魅力的で、勿体ないとは思いながら一気に読了。
    美貌の雪華や三郎はもちろんだが、その他のキャラもかなり書き込まれていて、良かった。(特に惚多!)
    どれもいい話だったが、「夜の夢こそまこと」が好きかな。美しいホラー。

  • ラジオドラマで一度話を聴いて読んだ作品。不思議な登場人物が魅力的な一冊。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朱川湊人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×