遥かなる水の音 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450033

作品紹介・あらすじ

「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな」。亡き周の希望を叶えるために共にモロッコへと旅立つ4人。いまの恋愛関係の行き先に不安を覚える緋沙子。近づきつつある老いにおびえるゲイのフランス人、ジャン=クロード。ふとしたはずみで身体の関係ができ、気持ちの整理がつかない幼なじみの浩介と結衣。愛の深さ、強さとは。そして生きることとは。様々な愛の形を浮き彫りにする感動長編。

感想・レビュー・書評

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  • 「僕が死んだら遺灰砂漠にをまいてくれ」
    ここから周、(あまね)ーサハラに巻いてくれの本人
    姉の久遠緋沙子、

    周の恋人「?」ジャンクロード、パルスヴァル
    早川結衣
    奥村浩介
    そしてガイドのサイード、アリ、砂漠への
    旅がはじまる。

    それぞれの語り口で、
    彼らの想いが伝わる、もちろん本音も実に面白い。

    タンジェ??フェス??

    モロッコ、マラケッシュ
    アルジェリアは
    名前くらいはわかる。

    本文よりー

    タンジェは
    バロゥズ、ギンズバーグも
    ケルアックも
    タンジェのこのサロンに集まってきた。
    (知らないなぁ「恥ずかし」)

    (ドラクロワ
    マティス「このへんはわかる」
    マティスは絵に光と色彩を与えたのはタンジェでそうだ。ふーん。、マティスは好きだな。)

    ピエールロティェもサシャエルベケットも
    流石にローリンクストーンズは知ってるよね、ー

    ここまで本文


    タンジェという場所に誘惑され通い詰めたということらしい。

    やはり舞台が海外だと
    別な面白さがある。


    わぁびっくりした
    サイードの案内で
    スークの建物に入っていった描写

    なんかねぇ、
    前に観た映画「セックファンドザシテイ」の場面を思い浮かべてたなんとなんと
    そうだったんだ!
    すごくない「自分」自画自賛。映像が結びついたことにえらい興奮(なんじゃぁ)

    たぶんはじめての、村山由佳。前読んだかもしれないけど〜

    ほんといって、後p〜10ほど残ってるけど
    忘れそうだからレビューにした。
    作者の言いたいことなどはわかってないかもとりあえず感想を書いた。

    最後は〜
    ちゃんと落としてる。ー遥かなる水の音の意味がわかるのか!

  • フランスの都市からモロッコの様々な市街地を経てサハラ砂漠まで大切な人の遺灰を弔う物語で、
    ロードムービーを観ているかの様な感覚で読み入り浸りました。純愛小説にはとどまらないスケール感があり今までの作品とはまた異なった純度に満ち満ちたインパクトで、異国情緒ただよう感動的でもある作品でした。

  • 一人の青年の「僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな」という希望を叶えるために、青年の姉、恋人、友人2人の4人が共にモロッコへと旅立つ物語。
    モロッコの美しい景色の描写が見事で、まるで共に旅をしているかのように楽しめた。
    また、ガイドとの会話の中でイスラム教の「ラマダン(断食)」に対する考え方についても触れていて、これも印象深かった。

  • 村山作品といえば忘れた頃にふいにゲイの青年が出てくる そうだった

  • 登場人物のキャラがそれぞれ確立してて、面白かった

  • モロッコに行ってみたくなった

  • 弔いというひとつの目的のために集まった 4 人とガイドのはずなのに、なんとちぐはぐな集団なのか。[more]それぞれの越し方があり、それぞれの思いがあるのだけど、まさに「雨降って地固まる」のごとく落ち着くのはよくあるパターンか。魂 (というものがあるとして) を最後に受け止めるのが、超越的存在としての自然というのは、あながち悪くは無いとは思う。

  • 心理描写が秀逸。モロッコとサハラ砂漠に行きたくなった

  • 再読
    とにかく、モロッコの風景描写が素敵。
    フェズの旧市街、マラケシュの市場、サハラ砂漠…まるで自分も一緒に旅しているような気分になる。
    写真や映像以上に、文字だけで匂いや光、その場の空気感までもが頭の中に広がる。
    ミントティー、ヘンナの刺青、ファティマの手…現地で見てみたいな。

    風景描写もだけど、心理描写もとても繊細。
    周の遺言で、サハラに遺灰をまく旅に出る4人。
    弔いの旅の中で、彼らがそれぞれ大切な人への想い、自分自身の内側を見つめ直していく。
    姿のない周が、彼らに寄り添う。
    切なく悲しい旅のはずなのに、どことなく穏やかで優しさを感じる。
    ラストまで読んで、タイトルに納得。

    目に浮かぶような鮮やかな風景と、目には見えない心の動きのコントラスト。
    両方を存分に味わえる、極上の小説。

  • 私もよく、オタクゴトで死ぬほど嬉しいことがあると私の遺灰はどこどこに撒いてくれという表現をしてきたのですが、死後の自分の魂が宿る場所(自分の気持ちが一番強く残る場所)がどこかと聞かれたら、私はやっぱり国立競技場だろうなと思った。
    さて、各登場人物の心の声を追っていく中で(周の声は物語的にやや蛇足に感じたけど)、一番に感じたメッセージとしては、「言わないことの美徳」が根強いこの国ですが、特に「好き」と思う気持ちについてはそれってやっぱり違うよねと。推しは推せるときに推せも同じだけど、好きな人に好きと伝えられる環境に甘えてはいけなくて、自分にとっても相手にとっても有限なこの時間にきちんと伝えることの重要性を再認識したと共に、私自身、一度も実ったことはなくても笑、好きな人に気持ちを伝えてきたことをもっと誇りに思おうと思いました。
    (たまたま、レンブラントの身震いを読んだ後に読み始めたので、砂漠の情景はAIでも見分けにくいほど人間の肌と酷似していると知った上で、座って心地が良いというのもなんとなくわかるな〜とか思った)

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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