- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087445367
作品紹介・あらすじ
五輪野球の米国代表監督になった
元日本人大リーガーが金メダルを目指す! 圧巻のスポーツ小説。
まさに監督1年目に経験した、怖さと感動。
誰もが、居場所を得るために、最も難しい心の戦いに挑む。
これだ!涙がひたすら溢れる!!
――栗山英樹氏(2023WBC日本代表監督)
20年前、大リーグのニューヨーク・フリーバーズでプレーをしていた藤原雄大。52歳となった今は、マイナーリーグの巡回コーチをしている。ある日藤原は、現役時代のライバルで、大リーグ機構上級副社長であるヘルナンデスの訪問を受けた。東京オリンピックのアメリカ代表監督が亡くなったため、代わりに監督をやってくれないかと打診されたのだ。悩んだ末にその依頼を引き受けた藤原は、戦力補強のため、アメリカと日本の二重国籍を持つ大学生天才スラッガー、芦田をスカウトする。しかし、そこには二つの故郷の狭間で苦しむ若者の姿があった――。
【著者略歴】
堂場瞬一(どうば・しゅんいち)
1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察(ルビ:サツ)回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『宴の前』『Killers(上・下)』『ザ・ウォール』『帰還』『凍結捜査』『ボーダーズ』など著書多数。
感想・レビュー・書評
-
メジャーリーグ・ニューヨーク・フリーバーズのリリーフエースだった藤原雄大。引退後はフリーバーズで巡回ピッチングコーチを勤めていた。
2020年東京オリンピック。
アメリカ野球オリンピックチーム監督が急死。
監督経験もない藤原が、新監督に。
オリンピックでの勝利のために、新たな人選を始める。
目をつけたのは、アメリカ国籍と日本国籍を持つ大学生・芦田大介…
アメリカチームは金メダルを獲得できるのか…
ホーム、故郷、居場所…
藤原にとってはメジャー、引退後もメジャーでコーチ。
今や、メジャー、アメリカがホームであろう。
前作『8年』を読んでおくべきだったか…藤原のバックグランドがあまり語られることがなく…
大介にとっては、両親が日本人というものの、生まれてから、ほとんどをアメリカで育ち、気持ちはアメリカがホームであろう。
にもかかわらず、見た目が日本人というだけで受け入れられないとは…
結局、最後の最後までチームはバラバラで…
ちょっと盛り込みすぎたのではないだろうか。
大介だけでもよかったような。
大介ももっと悩むのかと思ったが、以外とあっさり代表チーム入り。
もっと叩かれるかと思ったが、こちらも以外とそれほどでもなく…
大介がチームに溶け込んでいって、最後には…って、でもなく…
最後は代走でしょ⁇なぜ⁇
なんとなくモヤモヤ感が…
大介は大卒メジャーを目指すのだろうか…
メジャーを目指して欲しい。
大介のホームはメジャーとなるべきだ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スポーツ物が好きで手に取った一冊。
前作は未読でもまぁ楽しめた。
途中熱くなる部分もあり、ワクワクしましたが、
全体的に駆け足で進む印象。
芦田とデイトンのその後が気になる。 -
母が大好きな堂場瞬一作品
(母は警察もの専門ですが...!)
初ヨミでした
普段とは路線が違うけど
野球が好きなんだから
いけるだろうと...
人種や国籍のことも絡んで
アメリカと日本の反応の違いになるほどと唸りつつ
とにかくチームを心配して...
アメリカチームなんだけど...
しっかり応援できました!
日本戦では選手名にいちいち反応し
変わった楽しみ方もできました
さて、中学生も読んでくれるかなぁ? -
勝つためにという言葉が印象的だった。藤原監督の気持ちもよくわかるし、芦田の想いもよくわかる。熱くなれるスポーツ小説だった。
-
舞台設定が絶妙。
あえてアメリカ代表とは。
主人公だけでなく、チームメイトなどの視点も欲しかった。 -
本格野球小説で、面白かった。
けっこうゴリゴリな野球話なので、野球好きさんじゃないと読みにくいかも??
あとがきを読んで、8年も読んでみたいと思った。 -
読みながら一刻も早く次の展開が知りたいと強く感じた本でした
人生は一度であり、失敗を恐れずに夢に向かってチャレンジすることの大切さを改めて教えてもらいました。
野球と言えばメジャーリーガーの大谷翔平選手ですが、彼の成功も自分の夢を諦めない意志の強さと実力、周りへの影響力の表れだと思います。
著者のデビュー作「8年」を読んで、当時との時代の変遷に感動してみたいと思います。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00645120
五輪野球の米国代表監督になった元日本人大リーガーの奮闘! スポーツ小説
大リーグのピッチャーだった藤原雄大は、引退後フリーバーズで投手コーチを務めている。東京オリンピック直前、野球アメリカ代表監督が死去し、藤原が監督に就任。全く経験はないが、勝利のための人選を始める。目をつけた選手は日米二重国籍の天才バッターで……。人種や国籍の問題、ポジション争いなど数多の苦難を乗り越え米代表として金メダルを目指す! 挑戦し続ける男を描く熱きスポーツ小説。
(出版社HPより) -
今ひとつ、盛り上がりに欠けた印象。
残念 -
メジャーリーグでかつて投手として活躍した藤原。引退後はファームピッチングコーチとして穏やかな日常を過ごしていた。ところが2020年東京オリンピック野球アメリカ代表監督が急死。藤原がその後任として就任することに。アメリカの国技ともいえる野球のナショナルチーム監督に日本人の自分が就任し、おそらくは日本と雌雄を決する試合に臨むことに悩む藤原。しかし決心を固めると、チームの打力不足を補うため、日本の大学野球で活躍していたアメリカとの二重国籍を持つ芦田をチームに招聘。日本のプロ野球入り、そして将来の日本代表への参加も夢見ていた芦田は、当初アメリカ代表チームへの招聘に応じるかどうか悩むが、彼は応じることを選ぶ。芦田は当初アメリカのチームメイトからは受け入れられず、一方日本のSNSでは「裏切者」と書かれて、自身の「ホーム(居場所)」は一体どちらなのか、と悩み続ける。そして開幕した東京オリンピック。紆余曲折を経て、アメリカと日本は金メダルをかけて横浜スタジアムで対峙する。果たして藤原の、芦田の「ホーム」はどちらなのか…。そして勝負の行方は…。
20年ぐらい前だったら、ナショナルチームと言えば監督もスタッフも、選手もすべてがその国の国籍を持つ人で構成されているのが当たり前でした。しかし、今では監督はほとんどの競技で国籍は問われませんし、ラグビーなどは選手でも一定の基準を満たせば日本国籍が無くても日本のナショナルチームへの参加資格が得られます。
大半の人は「多様性」を受け入れ、そのようなナショナルチームを抵抗なく支持していますが、残念ながら一部の人はSNSなどで「日本国籍でない選手の日本代表などは…」等々、ネガティブな反応を示す人も存在します。この状況を見据えて、野球という日本とアメリカがライバルとなる競技で、アメリカナショナルチームを率いる日本人、その主軸となる二重国籍の若手スラッガ―の葛藤が本小説のテーマです。日本人の藤原がアメリカ代表監督に就任すること、アメリカと日本の両方の国籍を持つ芦田がアメリカチームに参加することはルール上は一切問題がありません。それにも関わらず、ネガティブな反応を示す一部マスコミや、否定的な投稿を繰り返すSNSなどは、もしもこの状況が実現したら、十分にあり得る話だと思います。
本書後半の日米の対決シーン。よくあるスポーツ小説なら主人公は当然日本チーム。しかし本書の主人公は日本人ですが、所属はアメリカチームです。対戦する相手が日本チームという構成なので、本書を読んでいても「自分はどっちを応援しているんだろう」と考えさせられるスポーツ小説でした。