わるい食べもの (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087443639

作品紹介・あらすじ

「いい食べもの」はもうたくさん!
気高き毒気が冴えわたる、異色の食エッセイ

WEB連載中からじわじわファンを増やし続けた話題作が、ついに書籍化!
幼少期をアフリカで過ごし、デビュー作『魚神』が小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞。『男ともだち』でも高い評価を得るなど文芸界のフロントを駆ける作家が、「食」をテーマに幼少期の記憶から創作の裏側、世の中への疑問まで多彩につづる初のエッセイ集。
「いい食べもの」情報が氾濫する今だからこそ、「わるい」を追求することで食の奥深さを味わい、ひいては生き方そのものを問う意欲作。

【内容紹介】
●アフリカ時代に経験した、米とアイデンティティの関係性…「おかかごはん」
●お洒落カフェで体にいいメニューを選んだら「鳥の餌」になった話…「『いい』食べもの」
●映画『グラディエーター』における衝撃の食シーン…「パンを投げる」
●食い尽くすはずが「食われた」、尾道の思い出…「ひとり旅」 etc.

【著者プロフィール】
千早 茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。小学生時代の大半をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。
2008年「魚神」で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で泉鏡花文学賞受賞。
2013年『あとかた』で島清恋愛文学賞受賞、直木賞候補。2014年『男ともだち』が直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補となる。
近著に『人形たちの白昼夢』『クローゼット』『正しい女たち』など、共著に『犬も食わない』がある。本書が初のエッセイ集となる。

感想・レビュー・書評

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  • アフリカで体験した衝撃的なウニの記憶、「いい」食べ物を食べに行った表参道のお洒落カフェで出来上がった鳩の餌みたいなプレート、「サロン・デュ・ショコラ」のチョコレート戦線。
    食いしん坊でちょっと偏屈な作家の初の食エッセイ。


    小説家、千早茜さんの初めてのエッセイ集です。実は、小説の方はまだ未読。追って読んでいきたいと思います。

    食エッセイ、というと好きな食べ物、美味しいもの、食に関する楽しかった思い出などポジティブなイメージを持つものなんですが、こちらは生卵や牛乳などの苦手な食べ物の思い出、親知らずの手術の後口の中に広がる血の味、食事中にふさわしくない会話内容の話など、どちらかと言えばネガティブな要素を持つ話が(特に前半に)多く、これは何だか、想像していた食エッセイとは様子が違うぞ? と身構えながら読みました。加えてその表現力が物凄く巧みなので、食エッセイなのに食欲が減退します。悪い意味ではなく、それくらい筆力があるという意味。
    ただ楽しい、美味しいというだけではなく、命や生き様、食の神秘性まで説くような、食というもののまた別の一側面を見せてくれます。

    後半になるにつれ、好きなもの・好きな人のお話が増えてきて、またそれも楽しいです。確かに紹介文にも書かれている通りかなり気難しく偏屈な部分もあるのですが、確固たる自己が存在していて格好いい。

    私含め身内がみんな胃弱なので難しいんですが、私も旅行でこの位食い倒れしてみたいなー。

  • 食にまつわるエッセイ集。彼女の食に対する考え方や好みなど色々知る事ができた。さすが作家さん、嫌いな食べ物の話が生々しくて、読んでいる方まで嫌いになりそうだった…。それはさておき、気になる食べものが沢山書かれていたので、機会があれば試してみようか。まずは蜂蜜レモンか、削り節か?

  • 千早さんの、食に関するエッセイです。小説は読んだことがあり、文章が美しいので、繊細な人?と勝手に思っていました。全然違った。食に対するエネルギー、すさまじいものがあります。旅に出たら、その土地の名物すべて食べつくしています。詳しくは、この本の「食いだおれ金沢」を読んでください。胃腸が強いんだなぁ、というよりも化け物のレベルだと思います。この本を読み終えて、千早さんは、なかなか豪快な人だなぁと思いました。より一層、好きになりました。

  • 千早さんのエッセイは初めて読んだけど、すごく面白かった!!!
    食に対しての貪欲さというか執着というか、その視点がとてもユニーク。
    食べることは生きることという当たり前のことを思うくらい、生命力を感じたエッセイだった。

  • 読むたびに千早さんの頭の中を知れて面白い。わるい食ものシリーズを読み始めてから、食べ物に対してもっと時間を割きたいと思うようになった。明日死ぬかもだし好きなもん食べよ〜

  • 千早茜さんの食べ物に関するエッセイ。一つの食べ物に関する思い出とか食べ方とか、こだわりが詰まった本でした。
    Twitterでいつも美味しそうなおやつをたくさん食べられているなと思ってましたが、それはあくまでも一部なんだな。。胃が強くてうらやましい!旅行行ったら大体終わり頃には胃が疲れて粗食になりがちなので。。千早さんみたく最初から最後まで目一杯食べ切りたいなあ。

  • おいしいの裏にはマズイも普通もある。食べものを語るとき、美味いだけでは不十分。確かに。食に対して真摯な姿勢で良いもの悪いものを自分で判断する。至高の美味を求めて。時には暴食にはしる。あるある。食の記憶。いいなあ!

  • 美味しい、楽しい食事…てはなく、どこか千早さんらしいグロテスクな描写が面白い。

    独特な発想、繊細な視点などひやりとする瞬間もある不思議な食べ物エッセイ。好みが分かれそうだねれど、私は好き‼︎

  • 食に関するエッセイとかたまに読むけど、
    この著者面白い。
    変な拘りだなと思っても、理屈聞くとなるほどと思ったり
    めっちゃ共感する!独特!って思ったり。
    とにかく軽く読めるし面白い。
    続巻も読みたい。

  • 海外生活経験のある作家さん、ほんとに増えたなあ…すごい…
    こういう視野の広さ?
    感性の違い?
    が、新しい作品や時代を作っていくんだろうな…

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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