平成犬バカ編集部 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087442885

作品紹介・あらすじ

人生の崖っぷちに立たされたひとりの男が起死回生をかけて立ち上げたのは、この国初めての日本犬専門雑誌だった――。激動の犬現代史を、犬バカが集まる『Shi-Ba』編集部を軸に追う、渾身のノンフィクション。

片野ゆか(かたの・ゆか)
1966年東京生まれ。2005年「昭和犬奇人 平岩米吉伝」(単行本タイトル『愛犬王 平岩米吉伝』)で第12回小学館ノンフィクション大賞受賞。『旅する犬は知っている 6匹の犬が教える“極楽旅行の秘訣"』『犬が本当の「家族」になるとき』『アジワン 〜ゆるりアジアで犬に会う』『ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い』『旅はワン連れ ビビリ犬・マドとタイを歩く』『動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー』など著書多数。話題を呼んだ『北里大学獣医学部 犬部!』はコミック化もされている。

感想・レビュー・書評

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  • 犬を愛する人々が作った雑誌の一代記。

    私も日本犬が大好きだから、この気持ちはわかる、わかると思いながら読んでました。

    我が家で飼っていたのは甲斐犬ですが、日本犬ってどの犬種も可愛いです♪

    責任を持って飼える状況ではなくなりましたから、現在、動物は飼っていませんが、そうした部分も描かれていたり、介護の大変さであったり……。

    愛玩動物と言われても命。そこには汚いと思うかもしれませんがお金も絡んできますし、近所との問題もある。その辺りも懐かしく思い出していました。

  • 犬が大好きだ。
    幼稚園の頃は、毎日30分は近所の秋田犬をフェンス越しに撫でていたし、小学生の頃は実家で柴犬とポメラニアンを飼っていた。そして自宅を建ててからは、ずっと大型犬が家族の一員だ。現在は二代目。
    なので「犬」と付く本が目に入ったら基本的に読む。そこで本書。「Shi-Ba」という日本犬(柴犬メイン)雑誌の誕生から現在までの約20年を追ったノンフィクション。実はそのことを知らずにページを開いてしまった。そしてちょっぴりがっくりした。実は年齢を重ねるごとに小型犬に興味が持てなくなっているのだ。
    「柴犬か……。無愛想でちびっこいしなぁ」と思いながらも、せっかく読みはじめたのだからと、半ば無理やり文章を追った。
    ところが追えば追うほど、ぐんぐん引き込まれていく。その「熱さ」にだ。同雑誌の編集長は、根っからの犬好きではない。しかし、新築一戸建てを購入したことをきっかけに柴犬を迎えることになる。するとしばらしくて犬バカ愛が爆発。新築住宅をどんなに壊されても許し、自分の欲望のままに突然愛犬を抱きしめる。そして挙句の果てには、愛犬のテーマソングを作詞作曲してしまう。
    「えっ、そんなことするのオレだけじゃなかったの!?」
    そんな描写の連発だった。「やっぱり」「そうそう」「がはははっ」と共感の嵐。犬好きの気持ちを見事に活写している。もう犬種の好みなんてどうでもいい!
    編集長をはじめとする登場人物の異常ぶりは賞賛に値する。同時にそれを臨場感あふれる筆致で描く作者の力量もすばらしい。
    なお、著者は「おわりに」で「犬の現代史を書きたくて、同雑誌を題材にした」と書いているが、雑誌の内容が面白すぎて現代史部分が浮いて感じることがあった。そこが残念(勉強にはなったけど)。なので惜しくも☆5にはならなかった。

  • <目次>
    第1章  崖っぷち男、最後の挑戦
    第2章  めざせ⁉?『VOGUE』みたいな犬雑誌
    第3章  お笑いに転じて、創刊号
    第4章  ラブレターfrom柴犬
    第5章  時をかける愛犬たち
    第6章  書を捨てよ、犬を見よう
    第7章  スタッフ犬、続々デビュー!
    第8章  兄貴、星になる
    第9章  クレームも、シモネタも
    第10章  ダメな上司が犬をしつけにも失敗する5つの理由
    第11章  涙のバースデー
    第12章  戌年バブルがやってきた⁉
    第13章  嗚呼、憧れのワンコ旅
    第14章  インターネットと犬災害
    第15章  シーバ、炎上
    第16章  ニッポンの犬、変化する
    第17章  福ちゃん、奇跡の生還!
    第18章  我ら、犬バカ編集部員

    <内容>
    雑誌「SHI-BA」。今や辰巳出版の看板雑誌なのだが、それを作ったのはこの会社の落ちこぼれ編集部員。ただ彼は、バカの付く犬好きだった。ここから始まるお話。著者は、雑誌の話よりも日本の「犬現代史」が書きたかったのだが、調べても面白みに欠けていた。そこでちょっとだけ編集に携わったこの雑誌に、編集長に注目したわけだ。いまは文庫本になっているこの本(集英社文庫)。読みながら思わずニヤニヤした私も「犬バカ」⁉

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50268669

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