猫がいなけりゃ息もできない (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087441987

作品紹介・あらすじ

大反響のWEB連載、待望の文庫化!
小説家と愛猫との最後の一年をつづった、心ふるえるエッセイ。

――もみじ、もみじ、愛してる。早く着替えて、また戻っておいで。(本文より)

房総・鴨川での田舎暮らしを飛び出して約15年。
度重なる人生の転機と転居、波乱万丈な暮らしを経て、軽井沢に終(つい)の住まいを見つけた著者。
当初2匹だった猫も、気づけば5匹に。
中でも特別な存在は、人生の荒波をともに渡ってきた盟友〈もみじ〉。
連載のさなか、その〈もみじ〉が、ある病に侵されていることが発覚して――。

著者と猫たちが出演したNHK「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」も大きな話題に。その撮影秘話も明かされる。
Twitter上で共感・感動の嵐が巻き起こった大人気エッセイ。
愛くるしい猫たちの写真も満載!

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書くことは「痛み」を自覚する行為であると同時に、
「悼み」を表明する唯一のよすがでもある。
そのような場所で、村山由佳さんは書いている。
猫たちとの生活エッセイとして始まった「ねこいき」は、
連載を重ねるうちに、存在と存在がぶつかり合い、
生と死を架橋するLive=Lifeドキュメントへと
大きく変容を遂げた。交感する魂の記録である。
――文芸評論家・榎本正樹氏
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著者プロフィール
●村山由佳(むらやま・ゆか)●
1964年東京都生まれ、軽井沢在住。立教大学卒業。
1993年『天使の卵―エンジェルス・エッグ―』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。
2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞を受賞。
エッセイに『晴れ、ときどき猫背』など、近著に『放蕩記』『嘘 Love Lies』『風は西から』『ミルク・アンド・ハニー』『風よ あらしよ』などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 愛犬と母の死を思い出して、最期、大泣きしてしまった。

    誰もがいつかは行く場所だけど、頭で理解するのと感情は別物。

    会いたいなぁ、ゴンとお母さんに。

  • 村上由佳さんをあまり知らず、ネコの本もあるんだ、くらいで読み出したので、驚くほど泣いてしまった…まさかの展開、そしてなんて愛された『もみじちゃん』
    村上さんのネコ愛が、もみちゃんへの愛が溢れる一冊。エッセイらしく笑いあり、涙あり、程度の涙では収まらない…
    読んだ誰もがもしペットなり近親者なりを亡くした経験があれば重ねてしまうのではないだろうか?悲しみと愛した愛された感謝への言葉がなんとも言えず優しい。挿し写真のネコちゃんたちみんなとても可愛い!もふもふからウナギイヌに変化した写真に笑い、湯たんぽカバーを抱きしめ箱に入る姿に涙する。まるで寝ているかのよう。
    鬼編集者のおかげ笑 で、その時の言葉を読めるわけだが、やはり作家さん、感情を言葉にするのはとても難しい中、優しくありのままの言葉な気がして涙が止まらなかった。

    他作品色々読んでみたい。


    キャンサー・ギフト、癌になった人が、病気をきっかけにして、これまで気づかなかったことに気付かされたり、今まで以上に周囲に感謝するようになったり、毎日の些細な出来事に感動したり、それらの変化を、癌からの贈り物、として前向きに捉えた言葉 p. 56

    喪った痛みは忘れられなくとも、その痛みごと受け容れて、あきらめること。喪われたいのちへの愛情は胸の中に残しつつ、執着は手放すということ。
    お弔いの時間とは、納得し難いことをなっとくするために、まさに、遺された者の慰めのためにこそあるのだ。 p. 69

    大丈夫か。うん。そっか。…でもね、由佳さん。我慢しなくていい時も、あるんだよ。 p.196

    生まれてすぐおっぱいを探し当てなくてはならない哺乳動物にとって、まず初めに必要なのは臭覚だ。
    五感の中でも臭覚からの信号だけが唯一、視床を経由せずに大脳へ届く。そうして、生きている間に経験したすべての香りの記憶は蓄積されてゆくのだ。
    p. 201

    心療内科で「亡くした愛猫のことを思い出す機会が減ってきて寂しい」と相談したところ医師が、「それは〈同化〉と呼ばれるもので、これまでは猫があなたの外側にいたから悲しかったけれども、今はウチ側にいるんですよ」と言った、 p.212

  • 猫を溺愛するエッセイだと思って軽い気持ちで読んだら、ボロ泣きするはめに。。。
    またいつかどこかで2人があえますようにと、思わずにはいられない。
    再会のとき、抱きついて鳴いてしがみついたまま離れないもみじが想像できて、また泣けた。

  • 私の猫好きを知っている友人からのプレゼント
    元野良の三匹と一緒に暮らしている
    彼、彼女らに振り回されながら
    猫のいない暮らしはもう考えられない

    もみじちゃんの最期
    なんと強い子か(いやおばあさんか)
    それぞれのいろんな話を聞くが
    書くことは「痛み」と「悼み」を自覚することなんだなあ
    もみじちゃん、ありがとう

    ≪ 猫看取る 哀しみの中 やすらぎが ≫

  • 泣けた。うっかり電車のなかで読んでしまったから大変。
    読み終わって置いてた本を息子が見つけて、「またねこちゃんの本買ったの?」(写真を見て)「わあ、かわいいね」など言うので、でもね、そのねこちゃん亡くなっちゃったんだよ。でも最後はみんなに見守られながら亡くなったのと話すと、「きっとこのねこちゃんは天国に行ったよ」と言うので驚いた。

  • 村山由佳さんともみじの思い出やお互いの愛情が沢山詰まったとても素敵な本でした。
    自分の愛猫との日々を、形に残せて、村山さんにとってもきっと宝物のような本だろうなと羨ましくなりました。
    自分の愛猫への愛情がより深まりました。

    途中からは涙が溢れて電車では読めなかったです、、。
    村山さんを始め、獣医さんやご近所さんや素敵な人たちに囲まれてもみちゃん幸せだったね。

  • もみじ、会ったこともないのに本当に愛おしいよ。

    私にもね、村山さんにとってのもみじみたいな子がいて、ちょうどもみじと同じ年に私の腕の中で虹の橋を渡った大事な子だったんだ。

    もみじのおかあさんの言葉を通してもみじの生き様を知って、あの子との日々をたくさん思い出して、途中おかあさんと自分が重なりすぎて泣いちゃったりもしたけど、あなたのことを知れて本当に良かったと思うよ。あなたが幸せだったようにうちの子も幸せだったと思ってくれていたらいいな。もしかしたら雲の上でふたりは仲良くしているのかもしれないね。もしそうなら末永くよろしくね。

    もう6年近くが経つし、わたしはほとんど大丈夫になったよ。でも未だにはっきり覚えているあの子の温もりを思い出して寂しくなることもあるよ。だから、気が向いたらまた帰ってきてねと伝えてくれないかな。いつでもいいよ、あなたが帰ってきたら私はきっと分かるから、って。

    もみじ、よろしくね。

  • 「読んでよかった。本当によかった。」と心から思える。
    それは愛する存在との別れが「ただ悲しいだけのものではない」と教えてもらえたから。
    私は動物と一緒に暮らしたことがないというのに、本書を読んでいると、まるで自分が村山さんと同じ経験をしているかのように胸に響いてくる。
    特に愛猫もみじちゃんとのお別れの場面や、もみじちゃんに呼びかけるラスト4行の言葉は涙せずにはいられなかった。

  • 猫を飼っているので本当に涙が溢れて止まらなかったです
    動物と一緒に暮らしていくことはいい事も悪いこともあるけど、とにかくひたすらに癒しだし自分の味方で居てくれるような気がして堪らないんだよな〜

    本当に大切に育てようと改めて思いました

  • 愛猫との別れの描写。自分もそう遠くない未来に来るだろう別れ、想像して号泣し、自分の愛猫の腹に飛びつきました。乗り越えていけるのだろうか…

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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