- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087441215
作品紹介・あらすじ
松下幸之助が商いの師として敬愛した男。
サントリー創業者・鳥井信治郎の戦い
【大阪船場、丁稚奉公編】
明治12年1月30日夜明け。大阪船場、薬問屋が並ぶ道修町に近い釣鐘町で一人の男児が産声を上げた。両替商、鳥井忠兵衛の次男信治郎、後に日本初の国産ウイスキーを作り、今や日本を代表する企業サントリーの創業者の誕生であった。次男坊の宿命で信治郎は13歳で薬種問屋小西儀助商店に丁稚奉公に入る。小西商店では薬以外にウイスキーも輸入して扱っていたが、儀助は国産の葡萄酒造りを考えていた。しかし当時の葡萄酒はアルコールに香料など様々なものを混ぜ合わせた合成酒。信治郎は夜毎、儀助と葡萄酒造りに励んだ――。
感想・レビュー・書評
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改めて商売の我が街を誇りに思う。
令和に残るあれやこれや多くのモノやサービスが昭和初めの沢山の傑物達が凌ぎを削って開発された。「やってみなはれ」その志は現代の多くの経営者に受け継がれて行くのだろう。
個人的には文中に出て来る場所や通り名などが古地図を眺めている様で“萌”でした。
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人に勧められて読みました。
明治から昭和にかけての大阪が描かれています。以前ハマった「あきない世傳 金と銀」が江戸時代の同じ地域の話だったので、時代は変わっても商売人の心意気は同じだ・・と、勝手に続編のような気持ちで読みました。
鳥井さんが引き継いだ母の教え「陰徳」という考え方を始めて知り、私も心に留めておきたいと思いました。 -
私たちが当たり前に飲んでいる、ビールやウイスキーやワイン。
「おいしい」と思えるその前にはただならぬ挑戦と挫折、異文化に対する理解を深め広めるだけでなく、相手に自国への理解をさせてしまう努力の強者が現れた。
鳥井信治郎、後のサントリーの創業者である。
彼が鳥井家の次男に生まれ、薬種門屋へ丁稚奉公に行かなければ、今頃風呂上がりの一杯、会社の飲み会にオンライン飲み会etc…はなかったかもしれない…。
これは琥珀の夢を追った創業者の鳥井信治郎とその末裔がサントリーを「やってみなはれ」の精神で世界的企業にまで成長させた物語である。 -
サントリー創業者の伝記的小説ですから誰もが知るところですが
どこを切り取るのかは作者の腕です
小西儀助、国分勘兵衛、鈴木三郎助、竹鶴政孝、小林一三、松下幸之助、平賀譲等々
近代社会を豊かに便利にした人びとが綺羅星のごとく登場します
上下巻一気に読みました -
丁稚奉公というシステムが面白い。
学校が全てではないとも言える。
ほんとかどうかわからないけれど、支度金全部使って勉強と称した一等客船旅はなかなか
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「ほんまにグッドなモーニングやで~」なんとも魅力的な人物です。鳥井信治朗はん。裕福な商家に生まれても奉公に出て苦労をさせ学ばせるところが、親御さんの偉いところ。もちろんご本人も謙虚で冷静に周りを見る力が幼いころから備わっていた。素晴らしいのがお兄様。決して甘くはない世界で稼いだ財産を弟の未来のために惜しまず使う。大成する人は視野が広いものだ。知ったかぶりしない。いつも好奇心全開。脚色はあるだろうけどあっぱれな人だ。下巻も楽しみ。
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鳥井さんのやってみなはれ精神がよく伝わった。
今でこそ世界を代表するサントリーであるが、創業当時の苦労を乗り越えて今があることが分かった。
新年早々仕事のモチベーションを上げることでき読んでよかった一冊。
サントリーウイスキーがより一層好きになった。 -
おすすめされて読んだほん。
誰もが知るサントリーって、こういう始まり方だったんだと感じつつ、主人公の常に前を向く姿勢は私の考え方にも影響をくれた気がする。
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サントリーの生みの親である鳥井信治郎の伝記であり、凡人ではなく、人より努力をし、人よりも行動力がある作品なのかなと感じた上巻だった。
読んでいるうちに本に興味がない僕でもぐっと引き込まれ、優しい兄喜蔵という温かい家族に育まれた信治郎の人間力に魅せられてしまう作品かと思います。