- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087212464
作品紹介・あらすじ
【推薦!】
「『思いやり』に頼らず『国際人権』の実現を!日本を世界と未来へと拓く道標がここに。 」
中野晃一 氏(政治学者、上智大学国際教養学部教授)
「人権後進国を変えるためには、差別を放置せず、権利保障のため声を上げなければならない。それには国際人権の正しい理解が『武器』になる。」
望月衣塑子 氏(東京新聞記者)
【国際人権の視点から日本を考える】
私たちは、生活のあらゆる場面において人権を「行使」している。
しかし、国際的な人権基準と照らし合わせてみると、日本では人権が守られていない。
コロナによって拡大した貧困問題、損なわれ続ける報道の自由、なくならない女性の差別や入管の問題……そうした問題の根幹には、政府が人権を保障する義務を守っていないことがある。
その状況を変えるためにはどうすればいいのか。
国際人権機関を使って日本の問題に取り組む第一人者が、実例を挙げながらひもとく。
【目次】
第一部 国際人権とは何か
第一章 人権とは?――「思いやり」と「人権」は別物だ
第二章 国際人権をどう使うか
第二部 国際人権から見た日本の問題
第三章 もっとも深刻な人権侵害は貧困
第四章 発展・開発・経済活動と人権
第五章 情報・表現の自由
第六章 男性の問題でもある女性の権利
第七章 なくならない入管収容の人権問題
【おもな内容】
◆生活保護のアクセスのしにくさが抱える問題
◆国連から問題視されている秘密保護法・共謀罪
◆メディアに必要な「独立性」と「連帯」
◆夫婦同一姓の強制は条約違反
◆国際人権法に反する日本の入管法
◆国連からの勧告を知ることで、これからの日本を変える
【著者略歴】
藤田早苗(ふじた さなえ)
法学博士(国際人権法)。
エセックス大学人権センターフェロー。
同大学で国際人権法学修士号、法学博士号取得。
名古屋大学大学院国際開発研究科修了。
大阪府出身、英国在住。
特定秘密保護法案(2013年)、共謀罪法案(2017年)を英訳して国連に通報し、その危険性を周知。
2016年の国連特別報告者(表現の自由)日本調査実現に尽力。
著書に“The World Bank, Asian Development Bank and Human Rights“ (Edward Elgar publishing)。
感想・レビュー・書評
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人権=その人が能力を発揮できるように助けを要求する権利 ≠おもいやり
尊重義務 =不当に制限しない
保護義務 =虐待から守る
充足義務 =能力を発揮できる条件を整える
国連人権理事会
特別報告者 公募制 政治性のない専門家 日本の秘密保護法が通報される
貧困=尊厳をもって生きる基本的能力を欠いている状態
相対的貧困:その国の文化、生活水準での比較
2018年 生活保護受給者 164万世帯 210万人 総額3.8兆円
西側の自由権と東側の社会権
人権としての発展の権利 開発と不可分 アフリカ憲章条文 1986年国連総会採択
情報・表現の自由 民主主義の土台 「求め、受け、伝える」
メディアは中立ではなく、独立 -
人権とは何か、誰がどんな風に守っているのかの基礎知識と共に、日本がそれを無視しているかがわかる本。入管問題についても問題点がしっかりわかる。
メディアへの圧力、女性への人権侵害などの現状についても知ることができた。
本にも書いてある通り、わがごととして考えないといけない。 -
藤田先生のレクチャーは受けているので知っている内容も多かったが、ほとんどの人はこの事実を知らないでしょう。
日本のジャーナリスト、国会議員、弁護士、すべての国民が読んで知るべき日本の問題。 -
日本では思いやりと混同されがちだが、人権とは誰もが持つものであり、人権の実現には政府が義務を遂行する必要があることや、その義務を具体的に規定している各種の国際人権条約がどのようなものか、実際にどのように使われてきたかということがわかりやすく説明されている。そして、日本には様々な人権問題があり、日本政府に対して人権条約機関や特別報告者から勧告がなされてきたが、政府は的外れな反論をするだけでほとんど実施されていないことも。恥ずかしいことこの上ないのだが、日本政府の問題ある態度や解釈を許さない土壌づくりも、多くの人にとって生きやすい社会へと改善することも、私たちが国際人権を知り、「人権の視点」を持つことで実現できるはずだと書かれている。このような本を読むことがその第一歩となったと思う。
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【目次】
第一部 国際人権とは何か
第一章 人権とは?——「思いやり」と「人権」は別物だ
第二章 国際人権をどう使うか
第二部 国際人権から見た日本の問題
第三章 最も深刻な人権侵害は貧困
第四章 発展・開発・経済活動と人権
第五章 情報・表現の自由
第六章 男性の問題でもある女性の権利
第七章 なくならない入管収容の人権問題
【おもな内容】
◆生活保護のアクセスのしにくさが抱える問題
◆国連から問題視されている秘密保護法・共謀罪
◆メディアに必要な「独立性」と「連帯」
◆夫婦同一姓の強制は条約違反
◆国際人権法に反する日本の入管法
◆国連からの勧告を知ることで、これからの日本を変える -
わかりやすかった。
国際人権についてこういう一般向けの書籍がやっといくつか出てきた。
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ネット記事で見かけて気になって読んでみました。人権とは何か、国際人権の内容や仕組み、それに照らし合わせた日本の現状を知って驚きとショックを覚えました。明らかに日本は人権後進国であり、それは人権教育の失敗や為政者達による人権意識の欠如、法的な構造の問題なども複雑に絡んでいます。国連からの再三の勧告も全く的はずれな理論(ほぼ逆ギレ)で反論し、無視する姿勢には情けないやら恥ずかしいやら……。また特定秘密保護法に関する特別審査をドタキャンしたことなど、まさに唖然とする実態。現状を変えるには長い時間がかかるだろうし、包括的なアプローチが必要。そのためにも今一度、人権とは何かを全ての人が学ぶ必要があると感じました。
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憲法、法律の問題に言及しているので、読みやすいとは言えないけれど、日本では見過ごされがちな、とてもとても大事なことが、トピックごとに論じられている。
日本では報道されず、問題視されないことが、他国では法律を変えるほどのことであったり、むしろ国民が目眩しに遭っているのでは?と思ってしまう。
もっと関心を持って、しっかり政府のやっていること、やっていないことを見極め、誰もが持っているべきものを訴えていかなくてはならない。
藤田早苗『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』(集英社新書)を
望月衣塑子さんが読む
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藤田早苗『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』(集英社新書)を
望月衣塑子さんが読む
青春と読書
http://seidoku.shueisha.co.jp/2301/read13.html
<書評>『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』藤田早苗 著:東京新聞 ...
<書評>『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』藤田早苗 著:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/231843
https://mi-mollet.com/articles/-/42941