- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087210842
作品紹介・あらすじ
歯に衣着せぬ語りで人気の芸人も、もう古希・70歳。
「需要がなくなれば芸人なんて終わり」とわかっちゃいるのに、「あのジジイ、やるな」とまだ世間から言われたい……。
「若者に教訓めいたことを何か言ってやりたい」と思うけれど、「そんな立派な人生を送ってきたか?!」と躊躇する……。
「歳をとれば、悩みなんてなくなると思っていたのに」とボヤきつつも、自分の仕事、老い、人間関係、そして社会について、真摯に赤裸々に綴った一冊。直筆の生原稿、収録!
■本文より一部抜粋
私は、マネージャーのI君に言われて、ツイッターなるものを始めてみたが、どうもしっくりこない。
ほかのタレントや作家は、公演のお知らせなどに利用しているらしいが、なぜか、私はダメなのだ。
ある日、突然、炎上する。私には、その意味さえわからない。ただ、ツイッターの文言にあることは、一面、真実だとも思う。
「老害は死ネ」とわざわざ言われなくても、もう仕事もさほど多くないし、コメディアンとは、その時代と添い寝した男(女)たちのことだ。
持論である。時代から少しでもずれたら勝手に死んでいくだけである。
そろそろ、そんな局面が来た。いつまでもウジウジとテレビなどに出ていたくはない。
しかし、「また、あのジジィがやりやがったな、ちくしょう!」とも言われてみたい。
心底、庶民の側に立っていたいとの気持ちでやってきたが、全世界を敵にまわしたい欲望にもかられる今日この頃である (本文より)
■目次
第一章 昔みたいに
第二章 私たちがそれを選んだ
第三章 傍観者でいるのか
第四章 弱者は弱者のまま終わらない
第五章 ダメな大人の言葉などに耳を貸さぬが良い
■著者プロフィール
大竹 まこと(おおたけ まこと)
1949年東京都生まれ。東京大学教育学部附属中学校・高等学校卒業。
1979年、友人だった斉木しげる、きたろうとともに『シティボーイズ』結成。不条理コントで東京のお笑いニューウェーブを牽引。
現在、ラジオ『大竹まこと ゴールデンラジオ!』、テレビ『ビートたけしのTVタックル』他に出演。
著書に『結論、思い出だけを抱いて死ぬのだ』等。
感想・レビュー・書評
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20代前後の人にも読んでもらいたい。
40代のおっさんが20代で知ってればな、とか今になって分かるよな、と思うことが沢山あったから若い人にも読んでもらいたい。
別に勉強に、とか堅苦しいことは一切ない。
「老人」の至言と回想がたくさんあり、小気味よいのであっさり読める。単純に面白かった。
169ページからの畳み掛けが凄い。とにかく凄い。
そして170ページでの最後の一文で全部ひっくり返す。
流石、大竹まことだ、と唸った。
ただ、ページ稼ぎとも思われる生原稿の収録には全く興味がないので★4にした。
ならば、あと一章追加してもらいたかった。
前作、「結論、思い出だけを抱いて死ぬのだ」から15年。
たまたま書店の本棚で見つけた本著を見たときにどれだけ嬉しかったことか。
次作は床にふす前にでもなってしまうのか。または出ないのか。
私はラジオリスナーではないが、大竹まことは好きなタレントの一人ではある。
そこを含めてこの評価をご評価頂ければと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大竹まことがゴーストライターを使わず、すべて本人が手書きで原稿を書いたエッセイ。文体にはかなり伊集院静の影響を感じる。
本人による手書き原稿の画像も掲載されているのだが、同じ内容が活字で載ってるのに二本分も入ってて、これは当時腰の手術などもあって原稿が足りなかっただけではないか、という気がした。 -
初読
私が子供の頃から今とさほど変わらぬ印象の大竹まこと。
70になり、腰も痛め、時代も移り変わり、老いを感じる描写も多く、
最近めっきりこの先の老いが見えてきた気分の私には
「やっぱりこういう感じなのだなぁ」
とシミジミした気分で読んでたのだけど
昔からモテると名高い大竹まこと、
若い頃の女とのあれやこれやがまーーーそりゃもう色気があって
こりゃモテるわ………
アパートガス管捻ってのなんやかやなんて
まるきり文学だもんね
冒頭の風間杜夫とのくだりも良かったなぁ
映画館で拍手したという「オンザミルキーロード」は観てみたいな
それにしてもたった2年前の事なのに、トランプ政権の小型核弾頭開発のニュースも
すっかり記憶の遠くに追いやっていた事に気付き、
自分でも呆れてしまう。 -
風間杜夫=知仁 ザ・ガーナビーツ『好きさ好きさ好きさ』 『蒲田行進曲』 平田満は顔を売った 京都の桂川かつらかわ 「ジャーナリズムとは、報じられたくないことを報じることだ。それ以外のものは広報にすぎない」 大沢在昌ありまさ ナルコレプシー 阿佐田哲也 最後に入れるカニ缶の汁が味の決め手になると気付く
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俳優・コメディアン、ラジオ・パーソナリティとして活躍する著者。70歳を迎えて自らの人生を振り返るように、時世の問題や疑問、政治、社会への不満とともに放つメッセージ。様々など経験を経た著者ならではの視点や論点は刺激的である。
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19/12/21。