羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界 (集英社新書)
- 集英社 (2018年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087210170
作品紹介・あらすじ
38年間この競技を見続けてきた生粋のスケートファンである著者がスポーツライターでは絶対に描かないであろう視点で、「羽生の演技の何がどう素晴らしいか」を表現、技術の両面から徹底的に分析する!
感想・レビュー・書評
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フィギュアスケートファンなら知る人ぞ知る、名著だと思う。また、高山さんの選手への別け隔てないリスペクトの精神、優しい眼差し、美しい文章が輝いている。体調にきを配られながら観戦し、執筆された事、感謝しています。そして、ご自身のセクシャリティと経験を臆する事なく、しかし上品に、そして知的に話してくださり、ありがとうございました。素敵な方だと改めて思いました。
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失礼ながら著者のことを存じ上げず、映画『エゴイスト』を観た後で彼のことを知りました。
羽生結弦くんの単なるミーハーファンである私は、もっとおちゃらけた羽生くん談義を想像していましたが、どっこいとても真面目に彼のことを考察していらっしゃいます。
フィギュアを「いっぱい回った」とか「高く飛んだ」とかそんな視点でしか観ていなかったので、こうして羽生くんのみならず、ほかの選手についても細かく説明してもらえるのは面白くありがたい。丁寧な語り口調も嬉しくなります。
著者がすでにお亡くなりになっていることが残念でなりません。 -
ジャンプは元より、羽生結弦を語る上で決して外せないトランジションについてとても詳しく書かれている。
ファンが彼の演技を言葉で評したがるのは、裏打ちされた技術力とそれに呼応した音楽性に魅入られているからなんだろう。スケートを知れば知るほどその凄さが分かるから。
本書は様々な選手を評していて、全フィギュアスケーターへの敬意が伝わる。その中でも特筆されている選手が私の好きな選手たち(伊藤みどり、浅田真央)であることがとても嬉しかった笑。
2014年GPシリーズ中国杯での事故の見解も同意見だった。
自分には出来ない、幼い頃から一つのことに全力で打ち込んできて、それを演技という形で昇華するフィギュアスケーター。私たちは、その姿を見ているだけで心を打たれるのだ。 -
スポーツ
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フィギュア関連本としては、読者層をどこに想定しているのかちょっと中途半端。
振付の細かな解説(滑り出しのターン、フォアからバックにチェンジして……みたいな感じ)がかなりを占めるが、25年越えのスケオタでも細かな振付を覚えられない私みたいな人もいるので、ここ5年程の羽生ブームからフィギュアファンになった人はもっとついてこれないのではないか?
一方で、各選手の素晴らしさや、どこで化けたか、プログラムは?といった解説の方は、コアなファンには物足りない。
各選手に直接取材しているわけでもないので、TVで見ている自分と比較して特に目新しい発見があるでもなく……。
ただ、私が見始める前(1990年くらい以前)のエピソードは知らないことも多くて、そこそこ楽しめた。