「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか (集英社新書)
- 集英社 (2017年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087210088
作品紹介・あらすじ
アルバイトにもボーナスや退職金、有給休暇があり、社員には多額の報奨金や海外旅行まで用意。なぜ、「富士そば」はこれほどに従業員を大切にするのか。グループ創業者の唯一の新書にして、異色の経営論。
感想・レビュー・書評
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(再読)近年「ホワイト企業」として注目されている富士そば会長の丹道夫さんによる経営哲学…といえば表現が堅苦しいですね。著者自身の人生から得た教訓が易しい文章で綴られています。その根本は、人を大切にすること、これに尽きると思います。若い頃からたくさんの苦労を重ねてきた著者の優しさが詰まった一冊です。
なお、私は丹さんが卒業した愛媛県立西条高等学校定時制に3年前まで勤務しましたが、その頃の生徒たちによく丹さんのことを話していました。偉大な卒業生のひとりです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エイミーエドモンドソン恐れのない組織のN=1版。
うまくやっといてくれという指示だけで円滑に業務が流れる組織を作ったのはすごい。
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作詞もこなす富士そば会長の生い立ち経歴経営理念。経営本だが難しい描写はなくそばのようにスルスル読みやすい文章。他企業より人材を圧倒的に大事にする姿勢に感動した。
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●名代富士そばを運営するダイタングループ。創業者、丹道夫。愛媛西条育ち。西条農業中退。
●なぜアルバイトにボーナスを出すのか?給料が安ければ、仕事にほころびが出る。利益は独り占めしない。
●引き抜きより生え抜き。居心地が良ければ社員は定着する。
●失敗した人は叱らない。怠ける人、失敗から学ぼうとしない人、他人の失敗をあざ笑う人を叱る。
●ダイタングループは8つの会社から成り立っていますが、全部同じ業務内容です。
●立ち食いそば屋は物件が全て。黒い服を着た人が、五分間に100人以上通る道を狙いなさい。
●どうしたら従業員の意欲が出て、働きやすくなるかを考えることが、経営者の仕事。
●店では演歌が流れる。丹まさとで作詞家。
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ボーナスは皆平等とモチベーションアップ
人それぞれなので、細かいマニュアルはない
当該店舗の社員が、新社員採用や新規メニューを考える
24時間そばを始めてやる
出店は一階、少しでも駅近、サラリーマン狙い、角ならなお良い
複数の常務が、不動産選定、借入、営業などを、それぞれやる。分業制だと無責任体質になるし、全てを知って合理的判断ができるようになる。同一営業なので、他の常務にはまけたくなとの意識も働く。 -
"叱るときには人前で叱る。悪いことをしたのに、恥もかかずプライドも傷つかず、反省だけするというのは虫がよすぎる話です"
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「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか。丹道夫先生。正社員であろうと、契約社員であろうと、アルバイトやパートタイムであろうと、差別せずにきちんとボーナスや有給休暇を支給する。傲慢で差別的な扱いとは無縁の誠実な対応をしているからこそ、「富士そば」で働いていらっしゃる従業員が生き生きと仕事をして、「富士そば」には多くのファンがついているのかもしれませんね。ブラック企業と呼ばれる企業にも見習ってほしい内容。
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名代富士そばの創業者 丹道夫さんの人生、そして思想が簡潔に語られています。とても共感できる内容でした。
題名になっているように、アルバイトにもボーナスを出す、本社の社員(現場は流石に食品を扱うので制服はある)は服装自由とか、当たり前に思えて当たり前ではないことを実践する会社を、演歌の好きな、自身が演歌の作詞家でもある、丹道夫さんが築き上げたのです。
「従業員のやる気を殺ぐような言葉を決して発しないこと。」「人間はみな平等」経営者と従業員も「立場や地位は違えど、人間としては平等に決まっています」と言った言葉は、ぜひ多くの経営者に、人の上に立つ人に、噛み締めてもらいたいものだと思います。
ビジネス書に分類はされますが、子育てをしていく上でも、この丹会長の思いは、非常に参考になることでしょう。
多くの人に読んでほしい、とくに人との上に立つ人には読んでほしい一冊です。 -
人を大切にするマネジメントの成功例。飲食業でこれだけ自由にさせている会社は、他にないのでは。現在のように、人を採用することが大きな課題になっている時代、こうした文化が浸透しているのは強い。