- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087208856
作品紹介・あらすじ
デジタル機器の発達で現代人は史上最も脳が疲れる生活を送っている。そこに長時間労働やストレスが加わると、誰もが過労自殺に追い込まれる可能性が。それを防ぐにはどうするか。対処法を産業医が指南。
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685665詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
産業医に関する職務内容ややりがいなどを知るには良い本であると感じた。一方、表題の過労自殺企業の内側という点については、著者の個人的な意見などが中心となり、真にその内実を説明するには至っていないと感じる。個人的には、メンタルヘルスマネジメントや過去の訴訟事例、厚労省の心の健康保持の指針などを踏まえると、ファクトが少ないように感じる。田園都市線沿線はメンタルヘルスになりやすいなど、キャッチ―な見出しであることを過度に意識しすぎた結果、何とも言えない内容になっているものも少なくない。
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2015年の電通社員が過労により自殺した事件が冒頭に取り上げられているが、「そんなにつらければ会社を辞めれば良かったのに」と無知な私も当時は思った。しかし長時間労働により睡眠を奪われ抑うつ状態になったとき、人間は簡単に判断力を奪われてしまうのだと分かった。世界的にも労働時間が長く睡眠時間が短い日本人。そういう自分も6時間を切ることもしばしば。会社には産業医さんもいて「ストレスチェック」が行われているものの、実際にメンタル不調により退職、休職となっている社員もおり、現実的には復職への道はけっこう厳しいものがある。本書では、まずは現代人が注意すべき危険箇所についてわかりやすく解説してくれる。現代人はアプリが増えたスマホ状態で、ただでもフリーズしやすい状態にあること。人に相談できない中高年男性、「べき」思考の強い田園都市線住民、ありのままの自分を認めてほしがる「アナ雪症候群」など、思い当たりそうな例を多くあげて注意を喚起している。これを読んで少しでもひとりでも、過労自殺の「予防」ができたらいいと思う。ちなみにNewspicksの番組に出演されている大室さんはとてもチャーミングで、本を読んでわかる通り「例示」が大変上手でわかりやすく、ファンです。