ヴィジュアル版 ライオンはとてつもなく不味い (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 54
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208474

作品紹介・あらすじ

弱肉強食の頂点に立つライオンは「とてつもなくマズい」。大自然を貫く掟や、生きることの本質とは? 幼少期より人生の多くをアフリカで過ごした写真家が、動物たちが織り成す究極の生き様に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 注目の同世代動物写真家、山形豪の著書。
    トークショーで聞いた話も入っていてとても面白かった。
    野生動物のくだりはただ面白く読めたが、民族や種の保存のあたりの話は著者ならではの視点が多く語られており、日本でぬくぬく生きている我々こそが知らなくてはいけないのではないかと思う現実を多く突きつけられた思いがした。
    大きな牙を持つアフリカゾウは今はほとんど存在しないらしい。
    乱獲によるものだ。
    そして、その象牙を求めてるのは中国人と日本人。
    日本人のせいでアフリカゾウが地球からいなくなるなんて。。
    種を根絶してまで象牙の印鑑やアクセサリーが必要なの??
    アフリカ民族に介入する先進国についても同様。
    地球上の最大のモンスターはホモ・サピエンス。
    これ以上この種が傲慢になりませんように…

  • とても読みやすく面白かった!コトバが明快。
    アフリカへの興味が尽きないわ。
    ライオンは不味い、ふ~ん…

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689934

  • 書店にて、偶然に出会った本です。
    タイトルを読みながら、「当たり前でしょ。人間が美味しいと日常的に食べているお肉は
    ほとんど、植物性の餌を食べているのですからね。しかも運動不足の……。
    さぞや百獣の王のお肉は不味いでしょ。ごめんね。ライオン君。」と呟く。

    山形豪氏は、群馬県生まれ。少年時代を中米グアテマラ、西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごす。そのためか日本の高校受験はうまくいかない。
    国際基督教大学に入学し、卒業後東アフリカのタンザニアに渡り、自然写真を撮る。
    イギリス、イーストアングリア大学開発学部卒業後、帰国。
    フリーの写真家となる。以来、南部アフリカやインドで野生動物、風景、その土地の人々
    などを追いかけながら、サファリツアー撮影ガイドとして活躍。
    写真集に「From The Land of Good Hope」がある。

    若かったころに、動物写真家「岩合光昭」に魅せられた頃を思い出しながら。
    でもそういう憧れがあっても、私には絶対に叶わない夢だったけれど。

    このような写真家は、自然の猛威と野生動物の習性を知り抜いていても、
    やはり予想外の命の危険を避けられないだろう。それでも「行ってしまう。」だろうなぁ。

    こうした旅のなかで、象牙の乱獲をはじめとして、野生動物たちはどんどん減少している。現地人たちの不当な境遇にも彼の優しい目は届いていた。

    では、ライオンを何故食べたか?
    アフリカ南部のボツワナ(イギリス連邦に属する共和国)では、その土地の人々は、
    家畜を野生動物に襲われる危機と背中合わせの暮しですので、家畜を襲われた家では、
    その犯人を殺していいという約束事があったため。燻製にして保存するとのこと。
    筋肉質のライオンのお肉は、まずくて硬いようでした。

    野生動物保護と裏腹に地元住民はこういう危機と背中合わせなのでした。

  • アフリカの野生の動物たちの写真を撮る写真家の山形豪氏。本書は山形氏が撮影したアフリカの動物たちの写真をふんだんに散りばめており、新書としてはめずらしい類の本です。タイトルは釣り過ぎで、決して、ライオン・グルメの本などではありません。

    ライオン以外にもあまたの動物が出てきており、写真で登場する動物を列挙すると、キリン、シマウマ、バッファロー、ケープペンギン、チーター、スプリングボック、オリックス、ハゲワシ、ブチハイエナ、ツチブタ、アードウルフ、チャクマヒヒ、カバ、クロサイ、ナイルワニ、アフリカゾウ、アガマトカゲ、オオコウモリ、メンフクロウ、カメレオン、ヌーと、実に多彩な動物が登場します。

    本を読む理由というのは、そこに自分の知らない未知の世界があり、それを知りたいと渇望するからです。もちろん、本書のタイトルにある通り、ライオンがまずいということは知りませんでした。先に述べた通り、決して、ライオンのまずさを訴えたい本ではないし、ライオンがまずいというエピソードは、数多の驚きの中のone of themでしかありませんので、タイトルのつけ方としてはどうかなと思います。本書で知った驚きをもとに、他のタイトル案を考えると、こんな感じです。

    最も力の弱い肉食獣チーター
    環境衛生係のハゲワシとハイエナ
    ライオンよりも恐ろしいカバ
    動物よりも恐ろしいホモ・サピエンス
    野生の楽園と程遠いアフリカ
    そして牙の大きなゾウはいなくなった
    アフリカゾウの絶滅危機

    http://naokis.doorblog.jp/archives/africa_nature.html【書評】『ライオンはとてつもなく不味い』 カバ、アフリカゾウ、その他動物たち : なおきのブログ

    <目次>
    はじめに フィールドでの一日
    CHAPTER 1 アフリカについて
    CHAPTER 2 動物たちは日々、生き残りを懸けている
    CHAPTER 3 フィールドでのサバイバル術
    CHAPTER 4 アフリカに命の輝きを求めて
    CHAPTER 5 南部アフリカに見る人間と自然との関係
    おわりに なぜアフリカで写真を撮り続けるのか

    2016.09.18 新書巡回にて
    2016.10.03 読書開始
    2016.10.05 読了

  • ワニ、カンガルー、カメレオン、トナカイ。日本の精肉店の店頭には
    並ばない動物の肉を食べて来た。だから、新刊書店で本書を見た
    時、いろんな野生動物を食べた記録なのかな?と思ってタイトル
    買いした。

    ライオンの肉ってどうやって食べるのかな?ステーキかな?まさか
    生肉では食べないよねぇ。何かと一緒に煮るのかな?でも、固くな
    いのかな?なんて考えながら。

    内容は全く違った。裏切られた。でも、本書の場合は「良い裏切り」な
    のである。不勉強で著者をまったく知らなかったのだが、南部アフリカ
    を主なフィールドとして野生動物や自然を撮っているカメラマンなのだ
    そうだ。

    著者がどうしてアフリカを主な活躍の場とするようになったのかも含め、
    人間と野生動物・自然との係わりに対する考えや愛情が、写真と共に
    紹介されている。

    カラー写真が豊富なので新書版でも少々値が張るのだけれど、その
    価値ありだった。

    獲物を狙うチーターの写真の躍動感、木の根元に横たわり死を迎えつ
    つある雄ライオンの姿の切なさそのまま降って来るのではないかと思う
    ほどの星空。掲載されている作品はどれも素晴らしい。

    なかでも私が惹きつけられたのは「砂漠の貴婦人」と題されたヒンバ族
    の女性の後姿だ。あまりの美しさと凛とした姿に見とれてしまった。

    日本国内も含め、一生に一度は行ってみたい場所のひとつにアフリカが
    ある。自然や野生動物の宝庫のアフリカであるが、観光開発の為に失わ
    れるものもあるのだとか。でも、観光での収入が大きな部分を占めている
    のも確かなんだよね。

    難しいね、自然と人間の共存。人間は自然にとっても、野生動物にとって
    も、同じ人間にとっても一番怖い存在なのかもしれない。

    尚、著者によると肉食獣よりも草食獣が人間を襲う確率の方が高いのだ
    そうだ。そのなかでもカバが一番危険なのだとか。著者自身、あわや
    カバに襲われる危機があったのだが、この部分、文章だけでも怖かった。

    「それにしても、日本では大人しくて押しの弱い人間のことを「草食系」な
    どと呼んでいるが、とんでもない過ちである。カバやサイ、アフリカゾウや
    ケープバッファローなど、現実世界の”草食系”動物は決して優しくも、
    おっとりもしていない猛獣たちなのである」

    そうだよな。動物園で人気のゾウだって、野生にいれば自動車を破壊
    することもあるんだものな。

    野生での動物との距離感を間違えると取り返しのつかないこともあるの
    だよね。やっぱり、アフリカ行きは夢のままにしておこうかな。テレビの
    ドキュメンタリー番組を見るくらいで我慢しておこう。

    この著者の写真をもっと見たくなったので、そのうち写真集を入手しよう。

  • アフリカ旅行に行くにあたり、「なんかアフリカっぽい本を読もう」ということで、たまたま紀伊国屋で見つけて購入。

    ジャケ買いは失敗が多いけど、この本に関しては、ホンマに最高のジャケ買いやった!!

    内容的には、幼少期を父親の仕事の関係でアフリカで育った筆者が、日本に戻ってから息苦しさを感じながら成長していき、最終的にカメラマンとしてアフリカに戻るという話。
    アフリカにはいろんな民族がいて、マサイ族なんかは有名になってビジネスライクになりすぎていることとか、動物たちは争いながらも共存していて、実はライオンは偉そうにしてるけど、一人では何もできず、狩りは下手くそなこととか、いろいろと興味深いことが書かれていた。
    あと、キャンプ中に遭遇したいろんなトラブルとかが書かれてたけど、ここらへんはふーんと思いながら読み流した(笑)

    今回の自分のアフリカ旅行を通じて、アフリカに対する興味はより一層深まったし、この本で読んだことなんかも気にしながら、少なくてももう一回はアフリカに行かないとな、と思う。

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