100年後の人々へ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
4.00
  • (4)
  • (7)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207262

作品紹介・あらすじ

いち早く原発推進の詐術と危険性に気づき、原発をなくすための研究と運動に半生を捧げてきた、反原発運動のシンボル的な科学者・小出裕章は、3・11から三年が経過しようとする今、何を思うのか?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 百年後?そんな先の事
    考えてもどうせ徒労に
    終わるだけ。

    私は諦観に包まれ思考
    が進まない。

    将来は科学が進歩して
    アレもコレもどうにか
    なるのでは?

    私は楽観に逃げてまだ
    遠い火の手に目を瞑る。

    でも鼻腔の奥がツンと
    痛む。

    こんな私でも想うこと
    はある・・・

    今よりもっと、もっと
    もっともっとミライは
    良くなってほしい。

    自分本意な我が儘かも
    しれない。

    ただのエエカッコシイ
    かもしれない。

    でもたしかに想うので
    ある。

    不治の病を克服したり、
    子どもたちの虐待など
    無いようなミライを。

    いつか私が此世を去る
    ときに、

    この想いも一緒に此世
    から消えるのだろうか。

    きっとそうはならない。

    だってこれは同じ世に
    生きる多くの人たちと
    共通の想いだろうから。

  • 私自身はどちらかというと業界側の人間ですが、筆者の誠実な生き方には共感します。

  • 100年後…どうなっているのだろう?
    核分裂生成物は10万年後に分解らしい。
    原発は世界に430基、日本に57基もある。

    本書のなかで知りましたガンジーの7つの功罪。
    肝に命じます。

    ガンジーの「7つの功罪」
    ①理念なき政治
    ②労働亡き富
    ③良心なき快楽
    ④人格なき知識
    ⑤道徳なき商業
    ⑥人間性なき科学
    ⑦献身なき崇拝

  • [ 内容 ]
    「元々は、地質学者になりたかったのです―」。
    鉱石採集が大好きだった少年は、「核の平和利用」のキャンペーンに呑み込まれ、原子力開発の夢を追うようになった。
    だが、いち早くその詐術と危険性に気づき、その後、原発をなくすための研究と運動に半生を捧げてきた工学者・小出裕章は、三・一一から三年が経過しようとしている今、何を思うのか。
    そして、過去からの膨大な負債に苦しむであろう一〇〇年後の人々に「こんな事故を起こした時代に、お前はどう生きたのか」と問われる場面を想像しながら述べた言葉とは?

    [ 目次 ]
    第1章 事故後の三年間を考える(あの事故から三年;汚染水 ほか)
    第2章 人間の時間、放射能の時間(放射能と戦っても勝ち目はない;一〇〇〇分の一になるまで三〇〇年 ほか)
    第3章 科学は役に立たなくてもいい(私にとっての科学とは?;「いい子」が抱いた原子力の夢 ほか)
    第4章 優しさは、沈黙の領域へのまなざしに宿る(私たちの「責任」;原発は誰かの犠牲の上に成り立つ ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 汚染された場所に住んではいけない。
    自民党は日本の原子力をずっと推進してきたのはいざというときに核兵器を創る能力を保有するため。
    放射性物質を生みに捨てることはロンドン条約で禁止されている。

  • 「100年後の人々へ」と言うタイトルに興味を持って読んでみた。毎週金曜日定期的に行われている市民ネットワーク「首都圏反原発連合」の呼びかけによる「原発再稼働反対首相官邸前抗議行動」を何故行うのか⁉︎その意味がよくわかる本だった。

  • 一貫して反原発を訴え続ける気骨の学者、小出裕章氏の熱い信念をささえるものは何か。それは原子力を研究してきた者の責任感であり、贖罪意識である。他の多くの研究者はどう思っているのだろうか…。「いつかは科学が原子力をコントロールできるようになる」という希望にすがって原発を推進してはや70年。その歩みはほとんど止まっているように見えるのにも関わらず、未だその夢を見続けているのだとしたら、あまりに哀れで、情けないことだと思う。

  • 小出さんの原発反対の思いが詰まりまくった本。帯の「生まれ変わったら、生涯を廃炉技術に捧げたい」にやられた。
    読んでみて、こんな本気で生きているひとやとはじめて知った。自分の子どもから「あき」と呼ばせてるとか、かなりの変なひと。
    でもこのひとの、だれかの犠牲のうえにいまの生活が成り立っている、という感覚って、めちゃくちゃ大事やと思う。そういう意味では、まっとうな人間なんちゃうかなと思う。読んでよかった。

  • あくまで御自身が直面している原子力を題材としているが,訴えたい内容は,田中正造を例え話に出しているように,須く一般性を持たせるべき内容である.身につまされるが,それだけの覚悟を持つことに躊躇を覚えるのは,歴史を自らの問題として主観的に突き詰めていないからだろうか.

  • ー「優しさ」は、沈黙の領域へのまなざしに宿るものなのです。ー本書引用
    原発から社会学の領域まで視野を広げさせてくれる良書です。
    10万年の責任は後世の人々に押し付けることができるのか。
    豊かさの犠牲、聞こえぬ声。
    今日は大々的なオリンピックの報道の片隅で、福島第一原発から100トンもの高濃度汚染水が漏れ土壌に染み込んだと報じられている。
    2014.2.21

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

元京都大学原子炉実験所助教。工学修士。
第2次世界大戦が終わった4年後の1949(昭和24)年8月、東京の下町・台東区上野で生まれる。中学生のとき地質学に興味をもち、高校3年までの6年間、ひたすら山や野原で岩石採集に没頭する。68年、未来のエネルギーを担うと信じた原子力の平和利用を夢見て東北大学工学部原子核工学科に入学。しかし原子力について専門的に学べば学ぶほど、原子力発電に潜む破滅的危険性こそが人間にとっての脅威であることに気づき、70年に考え方を180度転換。それから40年以上にわたり、原発をなくすための研究と運動を続ける。2015年3月に京都大学を定年退職。現在は長野県松本市に暮らす。著書に『隠される原子力・核の真実─原子力の専門家が原発に反対するわけ』(2011年11月/創史社)、『原発のウソ』(2012年12月/扶桑社新書)、『100年後の人々へ』(2014年2月/集英社新書)ほか多数。

「2019年 『フクシマ事故と東京オリンピック【7ヵ国語対応】 The disaster in Fukushima and the 2020 Tokyo Olympics』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小出裕章の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×