宝石商リチャード氏の謎鑑定 夏の庭と黄金の愛 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
4.03
  • (55)
  • (52)
  • (39)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 886
感想 : 43
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802260

作品紹介・あらすじ

夏の南仏プロヴァンスで、正義とリチャードの宝探しが始まる・・・・・・!

きっかけは、リチャードに母のカトリーヌからメールが届いたことだった。
カトリーヌが正義に会いたがっているという。
どこで正義のことを知ったのかなど、分からないこともあり不審がりつつ、
正義はカトリーヌが夏のヴァカンスで滞在しているという、南仏プロヴァンスの屋敷を訪ねることに。
到着したばかりのリチャードと正義を前に、カトリーヌはゲームをしろと言い出した。
敷地中のどこかある32個の石を探し出せというのだが、
そこには一族の過去にもかかわる秘密が隠されていて……?

シリーズ累計30万部突破!!
大人気ジュエル・ミステリー最新刊!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • リチャードの一族の過去に関わる宝探し。
    今回の舞台は南仏プロヴァンス。
    一気に読みました。

    物語の気になるラスト。
    スリランカに戻った正義。
    不穏な空気のスリランカ。
    ヴィンスさんからのメール。

    謎は深まるばかり。

  • リチャードの過去は複雑で、少しずつわかってきてるのか、謎が深まってるのか。
    少しずつ、家族との関係は改善?

    次作が気になるところで終わった。

  • シリーズ第八作目。
    2ndシーズン2作目は、南フランス、プロヴァンス!
    フランスは卒業旅行で行ったきり。
    しかも安いお上りさん観光客コース(それはそれでとても楽しかった)だったので、今度行ってみたい場所の一つ。

    さて、話を戻すと、リチャードのお母さん、マダムカトリーヌが登場する。
    どこに行っても美しくて目立つカトリーヌ。
    悩みなんてなさそう、きっと彼女はそう言われて来続けたのだろう。
    羨望と嫌味を、笑顔で「わからなーい」とかわす術を身につけながら。
    自由に生きている人は時に真面目に生きている人からは眉を顰められる。
    それでも、どこか惹かれてしまうのは、人はそんなに単純ではないからだろう。
    過去があって、今がある、そんな言葉通りに。
    また、容姿の美しさなんてそんなに大切なものでもない。
    それはミラボーの話が象徴的に示している。

    本作で胸に響くのは、190頁。
    「あっちこっちでつらいことばかり起こるもんだから、誰も彼もが『自分が世界で一番不幸だ』って思いこむ。
    それが心の貧しさだと俺は思う。そうすると他人を傷つけるのは簡単だ。」
    「自分で自分の心に栄養をやれる人間は強い。そういう人間は決して貧しくならない。」(191頁)
    思い出のヴィラでの宝探し。
    宝箱には、美しさとは、という難しい課題と、誰をかを思う気持ちの優しさと残酷さがはいっていた。

    そして物語はスリランカに戻り…突然の軍事衝突。正義、君はどこへ向かう?

  • 安定のジェフリーさん。お土産のくだり可愛すぎるし、さすが法的範囲内でストーキングしていた男、ブログチェックもかかさない。
    「心も大事に」というメッセージの背後に、ヘンリーさんの存在が感じられてじんわりときた。

    フランスに行く行かないのやりとりの最中、おやつを囮にする正義くんに笑ってしまった。「言ってくれたらお菓子あげるよ」系の技はこれまでも使ってきたけど、そういえば「言わなきゃお菓子あげないよ」系ははじめてでは? 一度脅しに使った程度かな? とにかく可愛いすぎた。

    で、いざフランスはプロヴァンス! リチャードにとって軽いトラウマのある屋敷で、正義くんがちょっとでもカトリーヌさんの肩を持つように見えようもんなら子どものように心細い顔をしてしまうの、あまりにも、あまりにもありがとう。それでまた「あなたに会えてとても嬉しい」と。返事をもらえるまで見てくると。はい…。なんか、なんっか、関係が、こう…何? 甘い。リチャード、おうちの関係でよほど今まで感情を抑えていたんだなと分かる。好意がだだもれ。すごい。サンキュープロヴァンス。
    なりゆきで一緒の部屋に寝る二人、リチャードが正義くんの方見ないの、正義くん視点だから理由がちっともわからない(特にないかもだ)けど、「照れているのか?」と思った。正義くんが「見ちゃいけないものだ」として目をそらしたように、リチャードも見ないよう努めていたのかなあ、とか。

    そしてさ……もうたまらないんだけれど、あのペンキのシーンからの一連のやりとり……。
    日本語でしりとり、かわいいな~と思っていたらさ、例の発言でさ、おあ、おああ…。この2人、どうしてこうなの? あんなにあんなに心を通わせたのに、お互いのことを「友人」と呼んでいいんだ、呼んでくれた、という境地に至るまで2年。すっごいもだもだ。ずるいと思う…かわいいしか言えない…。
    しかもリチャードから正義くんに、ってだけでなく、正義くんからもリチャードに「友達です」とお返しを投げている。最高かあ! ありがとう!!! リチャードのお決まりの「照れ隠し・クッションを殴る」が今回も発揮されていてもう可愛いの鬼。どうしてかわざわざクッションを見つけにいって殴るんだねきみは…。感情を持て余している…。

    なんか今回のあれやそれ、リチャードは正義くんを子ども扱いしているように見えるが、リチャードにしてみれば正義くんだって自分を子どものように扱っている、ってことだろうと思うのだけど、なんだろうね、個人的には、2人ともお互いを大事にしているだけだと思うんだよね。カトリーヌさんが、「リチャードが正義をそばに置くのは、私(母親)がしてあげられなかったことを他の誰かにしてあげて、喜んでもらえるのが嬉しいから」と言っていたあれ。もし正義くんもリチャードを子どものように扱っているとしたら、同じ理由なんじゃないかなって思った。2人とも、子どものころに満たされなかった何かを、大人になってから出逢った人に、自分なりの大事にしようという気持ち、こういうふうに大事にしてほしかったという(無意識の)気持ちをこめて、返しているんじゃないかなあと思う。

    はーっ!!!!
    そして!! 新刊めっちゃほしい!!!!!!! 気になりすぎる続き!!!!!!!!

  • あれ?習ってた空手、琉球空手だった?
    せっかくのフランスなのでおいしいお菓子をもっとたべてほしかった。

    そして普通にしていてもストーキングされてるのになぜにブログをやるのかなあ。リチャードさん止めてあげて。チョコレート色の肌の紳士は何を考えて?

  • 遂に登場リチャードのママ!
    噂で凄い女王様と言われていたけど、確かに女王様。
    でもなんと言うか、何処か憎めない。
    いつも冷静なリチャードが自分の母親となると感情の方が全面に出てきてしまって、正義に窘められると言うなんとも新鮮な感じがした。
    あとはリチャードと正義がお互いの事をとても大切な友人なんだと言い切るシーンは1番の見所。
    1巻からの2人の関係を踏まえると、本当に感動的だった。

  • 4の実家の話ぶりに好きでした。
    この作家さん、ファンタジー味が強いと言うか、外国を舞台にしたほうが自由に書けてるような気がする

  • 今度は正義とリチャードがリチャードの母親・カトリーヌに会うために南仏プロヴァンスへ訪れる。ヴィラでの宝探しやカトリーヌの母、強いてはリチャードの血縁者の間に広がる謎を辿って明かされる真実。カトリーヌのテンションの高さが読んでいて楽しい。子供っぽいところがとてもチャーミングだけど実母だったらかなり大変だろうなとリチャードの心情をお察し。リチャードと正義のやりとも微笑ましい。この2人は夫婦漫才かという突っ込みも多々ありつつ(今に始まったことじゃないけど)87頁の最後から2行目を読んで、リチャードは思っていた以上に正義のことが好きなんだなあと。一瞬、母親に大事な人を取られてしまったと思ったのかな。今回の物語ではリチャードが凄く人間臭いというか、彼だって完璧ではないんだなっていうのが垣間見えて何だか素敵だと思いました。ピエールさんもいい人だったし。ヴィンスさんも再登場。この人の立ち位置はまだ正義達と敵対って感じだけど、でもヴィンスさんの行動を見ていると敵という一言では済まない部分があって、気になる存在。ヴィンスさん好きだから彼にも注目です。ラストが不穏な幕切れなので続き読みます。

  • 今回は欧州かーーー
    正義がどんどん言語マニアになってく。笑

    などと笑っている場合じゃなかったエンドでしたがうあああああ

  • カトリーヌさんかわいかった
    思っていたのとイメージが180度違う

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

辻村七子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×