- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086800921
作品紹介・あらすじ
生物教師の若杉は、三ツ木高校に異動した途端、野球部の監督をおしつけられた。地方予選万年初戦敗退の野球部と野球経験のない若杉が、勝利を目指してとった策は!? 涙と感動の高校野球小説集、続編!
感想・レビュー・書評
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これは昨年の春のセンバツの頃に読みました。
大好きな木暮くんと月谷くんにまた会えてうれしいです。
#監督になりました
このお話が一番好きです。
主人公は三ツ木高校に赴任した新米の若杉監督、
もしかしたら今の世の中は、このような人を暑苦しいというのかもしれない。
でも、私はこういう暑苦しい人が妙に好きなんですよね。
わからないものはわからないんだから仕方ないと、
相手の監督に自分のチームの弱点を聞きに行く勇気!
自分に足りないものを素直に受け入れるって、とても難しいことだと思うから。
そして何より中村くん!
彼の唯一のとりえは真面目なこと。
いつも笑顔で、誰よりも声を出す。
とんでもない強豪との対戦くじを引き当てた時の、うれしそうな笑顔が忘れられない。
そして、彼の地道な努力とひたむきさを、ちゃんと見ていてくれた監督。よかった~。
#甲子園からの道
前作にも登場した女性記者・泉が、とうとう甲子園で取材をする。
アルプススタンドの急な傾斜を登り降りしては、応援団の友だちや家族に話を聞く。大変だ~。
月谷君とのLINEも継続していて楽しかったです。
#主将とエース
一話めの続き。
エースの月谷くんと、才能に恵まれているにもかかわらず、野球部をやめてしまった笛吹くん。
私は要領が悪いので、笛吹くんのように器用な人の苦悩は今ひとつわからないです。
でも10円玉ハゲ、できちゃったんですよね。なんだか妙に愛おしく思えました。
才能だけは努力ではどうしようもない。
どうして努力と能力は比例してくれないんだろう。
いつもそう思います。
スポーツをするからには勝ちたい。
才能のある人間が評価されるのは当然…なんですけどね…。
本書にもありましたが、 球児の大半は日の当たらないところでもくもくと努力し続けた子たちです。
せめて物語の中だけでも、その努力が報われてほしい。
「甲子園に行きたい!今は3%しかない可能性をすこしずつ増やす」という月谷くん。
次回作がとても楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「雲は湧き、光あふれて」シリーズ第2弾の短編3編。今作だけでも十分楽しめるが、前作を読んでからの方が、より楽しめることは間違いない。
トレードオフで揺れた1年前からの遺産を、若き新任監督は払拭することができるのか。正解なんてないのだろうが、その時々の状況での決断、意思決定は重い...。
「甲子園からの道」の出だしの軽妙さ、表題作のチームが一つになる過程(形成期→混乱期から統一期あたり)は、ぐっと心を捉まれる。さあ、続編にいこう。
「言葉を使わなくてもわかることはたくさんあるけれど、言葉を使わなければわからないことはもっとたくさんあるはずだ」 -
この続編って出ますよね?出て欲しいな。
次は小暮くんや女子マネの瀬川さん、田中部長の目線も読みたい。この本はいろいろな人の目線から読んでみたいと思う本。
今回は新任の監督の目線が軸。
「あぁ、どうして努力と能力は比例してくれないんだろう。努力しただけ結果が出るならこんな嬉しいことはないのに」
誰もがそうなれば苦労はしないんですよね。
でも出来ないんだよね。
月谷くんや笛吹くん、中村先輩…。
いろいろな人が集まって1つのチームを作り、纏めて1つの目標に向かって目指す。
普通でも並大抵の事ではない。
それをなし得る高校野球というのは目が離せないし。プロ野球と違った面白さがあり、こみあげてくるものがあるんだと思う。 -
高校野球を題材にした「雲は湧き、光あふれて」シリーズの第2弾。
高校球児の視点だけでないのがこの作品のミソ。新任監督やスポーツ新聞記者の視点で高校野球が語られるところが新鮮だ。チームメイト内の絆やライバルとのやりとりも加わり、続編が待ち遠しくなる。今年も夏の甲子園が始まり、各地方の代表が集結したが、全ての球児に栄冠が輝くのが高校野球である。 -
高校野球の監督の難しさ。
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続編。
今回は三ツ木高校を中心とした話。
新米監督目線の話、ぐっときた。
どちらを選んでも、正解なんてないのかもしれない。
それでも自分の信じるチームを作っていく。とても難しい。
「ピンチランナー」のその後が少し描かれていたのも嬉しかった。切なくもあるけど。
吉高の武山くんとかマネの瀬川ちゃんとか月谷くんの三年の夏とか田中部長の過去とか木暮くんの活躍とか、まだまだ読みたいストーリーがたくさんあるんだけど続編ありますよね!? -
シリーズ2作目といえど、こちらから読んでも良さそうな一冊になっていてすばらしい。けれど前作を読んでからのほうが、あのときここではこんなことが起こっていた! というたまらない構成を楽しめるとおもう。どこをとっても爽やかで、わたしのような野球をしたことがない人間が望んでしまう、しかし絶対にあるとおもえる眩しさが凝縮されていて、軽い読み心地ながら胸に刺さる場面が多々あった。教師がとつとつと繰り返し述べるように、正解がないから高校野球はおもしろいのだろう。そして、当然のように更新される球児の力強さにも圧倒される。
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前作に続き、一気に読んでしまいました!三ツ木高校のこれからが気になります。笛吹のキャラがすごく良かったです。
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先日読み終えた短編集の続編。1冊目に引き続き高校野球を様々な立場から違った目線で描いてくるかと思いきや、それらが一本の線に繋がっていく内容になっていた。
今の時期、テレビを付ければほぼ連日のように放送されている夏の甲子園。野球が好きで、少しでも自分でバット振ったりボール投げたりしたことあるなら、やっぱり一度は夢に思い描くよね。頑張れ三ツ木!