宝石商リチャード氏の謎鑑定 エメラルドは踊る (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800815

作品紹介・あらすじ

リチャード氏の宝石店でアルバイトを続ける大学生の正義。ある日、怪現象が起きるというエメラルドのネックレスが持ち込まれる。鑑定に乗り出したリチャードの眼は何を読み解くのか…!? 好評第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • いいテンポで進むので、読みやすく面白い。
    宝石の解説も、難しい過ぎず楽しく読める。
    個人的には、ガーネットがよかった。

  • どんどんこの2人好きになっていくな…リチャードのかっこよさよ。でも新橋駅は出来すぎでは?これこそ勘違いさせると思うけどな〜。そしてプリン、そうなのかー。宝石の資産価値、麻薬組織との取引等今回もいろいろ詰まってて楽しい。

  • シリーズ第二作。
    今回の宝石は、キャッツアイ、ガーネット、エメラルド、オパール、ユークレース。

    お気に入りの物語は「戦うガーネット」。
    山本さんという女性が、正義とリチャードの店にやってくる。
    彼女はガーネットを自分で自分のために買おうとしている。
    だが、ガーネットはルビーじゃない、とどこか悲しげに怒っている。
    リチャードはそんな山本さんに、石言葉を伝え、人生とは闘いだ、と諭す。
    人生は闘い、そこで必要なのは何も若さや美貌だけではない、むしろ「努力」「忍耐」であると。
    そして、逃げられないものに対し、いつ、どこで立ち向かうかが重要だとも。
    確かに美しいことは得だろう。
    うまくいくこともあるだろう。
    しかし、それだけが全てではないのだ。
    私自身、社員証の写真も、社内報の写真もブスだなあと思ったが、ブスはブスなりに努力すれば、そんなに悪くはない。かも。

    『エメラルドは踊る』ではこんな言葉に勇気づけられる。
    「人間は己の本当に望む方向へ、自分を育ててゆく生き物だ。
    (中略)どうにもならない時には諦めろというシニシズムなんかじゃなくて、目指す場所があるなら根性を見せろという発破だと思う。」
    (171頁)

    『巡り合うオパール』では励まされる。
    「正しくあろうとする人間は孤独です。誰しもが同じ道を歩けるわけではありませんし、まぶしすぎるものは時々疎ましくなります。
    空疎な理想論と後ろ指を指されることもあるでしょう。それでもあなたは間違っていない。
    あなたの正しさの根底にあるのは、己の道を押し通そうとする頑迷さではなく、暗闇の中でも他者に優しくあろうとする気高さだからです。」
    (261頁)

    本はこうして私を励まし、伴走する。
    さて、続きはいつ読もうかな。

  • ティーンズ向きの本をアラフォーの私がいまいちと思うのは仕方ない事かもしれないけれど、事件の真相が少し幼稚な感じでした。でもエメラルドの話は納得できるもので、面白かったです。

  • リチャードはビジュアルが浮世離れ、正義は人間性が浮世離れ、なのでこの話は極めてファンタジー性が高い。現代の日本が舞台だけど。
    この二人が人間らしくなっていくのか、それともファンタジーらしくなっていくのか、それは楽しみ。
    表題作「エメラルドは踊る」はかなり面白かったかな。薬物犯罪とはね。そう繋げるのか〜と。

  • プリン初登場

  • 一作目より謎解き感があり、2人の性格も分かってきたので、楽しめて読めた。ただ正義の先輩が登場する話は、やり切れない形で終わってしまったので続きがあって欲しい。

  • オパールは、正義の空手の先輩のお話。
    ちょっと苦い後味の終わり方と、
    その後のスーパーカーでのヘビメタをバックミュージックにする正義の姿が、しみじみと。

    キャッツアイは、来店した賢そうなお子ちゃまと家族のお話で、ほっこり

    ガーネットを買い求めにきたOLのお姉さんは、
    人生を見つめ直し、元カレともきっぱり縁を切り、
    新しい人生へ踏み出す


    呪われたエメラルド?の話は
    バレエ団×紛失未遂のエメラルドの冠。
    ちょいと不思議な味付けもまた楽し。
    はまさに探偵のような働きで、謎を解き明かす


  • 読了!エメラルドが特に好きです

  • 2021/03/03-03/08

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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