本が紡いだ五つの奇跡 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065346341

感想・レビュー・書評

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  • 泣かず飛ばすの小説家の担当編集になった津山奈緒から始まる五つの奇跡。

    粉雪が降る夜の街に沈みゆく津山奈緒のもとに掛かってきた一本の電話は、やがて大きくて強い想いを込めた本を産み出し、本を手に取った人々の日常が少しずつ変わり始める。

    「わたしの人生は、雨宿りをする場所じゃない。」

    哀しむばかりの日常より、明日へ駆け出す一歩を教えてくれた優しい作品。

    感想です。
    森沢明夫さんの代表作『夏美のホタル』は未読ですが、本作は青山美智子さんの作風に似た連作短編集でほっこりする読後感でした。
    書店が激減している現状ですが、本が人をつなぐ世界は残ってほしいと感じますね♪

  • 泣けた〜優しい1冊。
    青山哲也の章とか大号泣した。
    この作品に出てくる"さよならドグマ"読んでみたいなあ。
    森沢さんの作品の登場人物が時々出てくるのも良かった。
    久しぶりに前読んだ作品も読み直したくなった。

    本ってほんとに人を繋げると思う。
    ミステリーとかワクワクする作品も大好きだけど、人の心にそっと寄り添ってくれるような森沢さんのこちらの1冊。オススメです。

  • 久しぶりの森沢さんの作品でした。
    単行本で発売された時から評判も良くて気になっていた作品です。

    「さよならドグマ」という作品、一冊の小説に巡り会った5人の登場人物の連鎖短編集でした。
    読みやすかったし状況描写も想像しやすかったです。
    涙が流れることもあったけれど、とても温かく優しい気持ちになりました。
    そして、大丈夫。勇気を持って前に進んでごらん。と、メッセージをもらったようにも感じました。
    また、素敵な作品に出会えました。

  • 大好きな森沢さんの作品ということで読み出したら止まらない。一冊の本の制作をめぐる連作短編集。何だけど本自体より関わる人達のドラマに重点が置かれているように感じた。
    その悩み一つ一つが重く、本の事忘れてしまいそうになった。でも森沢作品らしく暗いままでなく、暖かい気持ちにしてくれる。この安心感が好き。
    特に同年代の涼元さんと唐田さんの話は共感できるところもあり感情を重ねれた。
    また他作品の人物や地名が邪魔しない程度にあらわれるのが、オッとさせられニヤニヤ。他の作品でもよくやられてますよね。
    読んだのが前過ぎて、確かあの作品の人だよなあ、とうろ覚えな感じ。また読み直そうっと。

  • しっかり読んだ。津山さんの回からじんわり来ていて、涼元は文章でも嫌な感じだったけど本音があって見直せたから結果全員良い人って事。津山母と健太郎父と繋がってたのもいいし、親子って良いものなんだなあーって自分には全く無いもので正直羨ましいんです。ラストの荻原浩とごっちゃになって間違えていて、あー昔の作品を読み直す作業が大事だとフンドシ締めた。涼元作品から物語が歩き出す〜もっと出来たのでは、いや絞ってなんかなぁと変な所にこだわる

  • 1冊の本をキッカケに、それぞれの登場人物が新たな1歩を踏み出していくお話。綺麗なストーリーでした。

    それぞれ小さな1歩だし、結果については明示されなかった部分も多いけど、皆前向きに進んでいけるはず、と思えた。

    こういう力が読書にはあると信じて今後も読書を続けていこうと思います。

  • 最後の章の仕掛けに思わず『おお』と、うなってしまった。まさか、そうくるとは。
    ラストも現実的でよし。

    最後の章に、頷ける言葉が幾つもあるのは、年齢が近くて一番心情が近いからなのか。

    読んでいて、日々の仕事が誰かに何かを提供しているものなのだという奇跡、一期一会を感じさせてくれる。
    本好きがなぜ本好きなのかというところを余すことなく訴えている小説でもある。

    にしても、小説中に小説を登場させる手法は良いね。理想の本を書ける。
    さよならドグマ、読んでみたい。

  • 一冊の本が紡いだ5つの、5人の物語。編集者の津山奈穂、作者の鈴元マサミ、ブックデザイナーの青山哲也、書店員アルバイトの白山心美、読者の唐田一成と息子の健太郎。一つの軸で繋がってるけど、主人公(語り手)が変わっていく構成は、「自分の人生の中では、誰もがみな主人公」な感じが好き。
    虹の岬の喫茶店の登場人物が少し関わるところも。
    読んでるときはカバー掛けてるから見えなかったけど、文庫のカバーは、作中小説の装丁そのもの。森沢さんの手で「さよならドグマ」を書いてもらえたら是非読みたい。

  • ひとりの小説家と編集者が出会い、完成した一冊の小説が様々な人に影響を与えるストーリー

    森沢ワールドに浸りながら読了
    お馴染みの喫茶店や風鈴のくだりも嬉しいですね

    その一歩を踏み出す勇気をくれる作品
    雨宿りするくらいなら土砂降りの中に飛び込んで楽しみたい…そんな人生を送ってみたいものです

    どの章も良かったのですがエピローグがあればもっと良かったなぁ

  • 編集者から読者まで素敵な話のリレー。今回も、“凛”といういい鈴の音が聞けました。“さよならドグマ”いつか読んでみたい。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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