傷モノの花嫁 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065335192

作品紹介・あらすじ

猩猩に攫われ、額に妖印を刻まれた菜々緒。「猿臭い」と里中から蔑まれ、本家の跡取りとの結婚は破談。死んだように日々を過ごす菜々緒は、皇國の鬼神と恐れられる紅椿夜行に窮地を救われる。夜行は菜々緒の高い霊力を見初めると、その場で妻にすると宣言した。里を出る決意をした菜々緒だが、夜行には代々受け継がれた忌まわしい秘密が――。傷だらけの二人の恋物語が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • SNSを見ていると、ちょいちょいマンガの広告が入ることがあるが、こちらもそれで知った作品の1つ。
    マンガはお試し読みの範囲までしか読んでいないがとても読みやすかったし、あの「かくりよの宿飯」シリーズの友麻碧さんの初・漫画原作作品とあって、興味がわいた。
    のちに、この小説版が刊行されたことを知り、今回手にとってみることにした。

    「シンデレラ」に異形や陰陽、霊力といった和物ファンタジー要素をプラスしたお話なのだが、似た作品と言えば「わたしの幸せな結婚」(顎木あくみ・作)や「水無月家の許嫁」(友麻碧・作)、「鬼の花嫁」(クレハ・作)(←まだ小説未読)などがすぐ思い浮かぶ。
    こういうお話が本当に流行りなのだな…とつくづくおもう。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    陰陽五家の1つ・白蓮寺家の分家に生まれた主人公・菜々緒は、並外れた陰の霊力の持ち主であり、幼い頃より白蓮寺家の若(のちの当主)・麗人の許嫁として育った。
    しかし菜々緒は、麗人からもらったかんざしを無くしてしまい、いとこの暁美から結界の外にかんざしが落ちていると教えられる。
    “霊力の高い娘は、結界(しめ縄)の外に出てはならない。なぜなら、下賎な猿のあやかし・猩猩(しょうじょう)に攫われ、嫁にされてしまうから”だ。
    そしてしめ縄の外に出てしまった菜々緒も、例に漏れず猩猩に攫われ花嫁にされた証として、額に妖印を刻まれてしまう。

    猩猩の巣穴から助け出された菜々緒は、以来「猿臭い」と白蓮寺一族から虐げられ、猿のお面をつけしゃべらずに過ごすことを命じられる。
    当然、麗人との婚約も破棄となり、代わりに例人と結婚したのは暁美だった…

    しかしそんな菜々緒を見つけ、花嫁にすると宣言したのは、白蓮寺家より格上の陰陽家当主・紅椿夜行だった。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    うん、やはりどうしても「わたしの幸せな結婚」と比較してしまう…(汗)
    ただ、お相手役の夜行はワイルド系であり、あっという間に夜行と菜々緒は相思相愛に…
    夜行も菜々緒も、想いが序盤から全くブレないところは、いいなとおもった。

    しかしこの2人にえげつないことを仕掛けてくる白蓮寺家の当主夫婦のヤバさよ…
    いやでも、「水無月家の許嫁」のヤバさに比べたら、これでも数倍マシな方なのが、ますますヤバイ(苦笑)「水無月家の許嫁」の方が…

    巻数はついていないけど、あとがきによると続刊となるよう。
    読みやすかったし、話の進みも割とはやい。
    そしてこの話でも、やはり河童は、外せない要素らしい…!
    友麻碧さんの作品は、河童でつながっている…と言っても、過言ではないかも?!

    夜行みたいな強くてグイグイくるわりに菜々緒には結局ベタ甘タイプの“王子サマ”は好きなほうなので、続きが出るようなら読んでみたい。

  • 王道だけど、王道だからこそ良きどストライク
    妖から傷を受けたことで穢れた身として一族の者たちから虐げられてきた少女の幸せになる物語
    虐げられ心と身体に傷を負いながらも、見初められて傷が癒えていく
    そして想いが通じ合いハッピーエンド
    やはり物語はハッピーエンドが1番好きだな
    王道作品はハッピーエンドって分かるから安心して読める

    今作でキュンキュンした事なんですが、
    ヒロインの菜々緒ちゃんの一人称が 菜々緒 なのが可愛いのよ
    「菜々緒を捨てないで」「菜々緒は幸せです」「菜々緒を見つけてくれて、ありがとうございます」
    数年虐げられたからこそ、幼さが残ってるのかな
    そして、過酷な境遇だったからこそ菜々緒という自分自身見て欲しいという現れなのかな
    そういう風に読んでると、幸せになれよー!って思ってしまう

    そしてこういうのでお馴染みの悪役さんは、従姉と里の次期当主!
    自分勝手で自己中でイライラするからこそ、途中からはスカッとした
    女の嫉妬とは怖いものだ
    もしも菜々緒ちゃんと若様が結ばれた世界線だったならば、菜々緒ちゃんは幸せになったのだろうか
    従姉がいなければ幸せだったのかなと想像はできるけれど、夜行様に出会うことが出来た菜々緒ちゃんの方がきっと幸せであろう!

    物語は…次巻がありそうな予感!?
    漫画も是非にお迎えしなければっ

  • 漫画が先かぁ〜なんて思っていた作品。漫画も読んでましたが…待ちに待った小説版。
    目の前にして、ページをめくり始める高揚感、読み進めていくワクワク、ドキドキ感。
    やっぱり、小説の方が世界観も細かくわかるし想像力を掻き立てられます。
    傷を知っている者ほど優しく、強い。
    さぁ、次は水無月3巻読まなきゃ。
    そして、次作品も楽しみにしています。

  • 陰陽五家と呼ばれる白蓮寺家の跡取りの婚約者だった菜々緒。だが、従姉妹の陰謀により猩猩と言う大妖怪に攫われ、額に妖印を刻まれて破談となり、その従姉妹が婚約者となった…

    一族で一番妖力の高い菜々緒だったけど、妖印の所為でさげずまれ、猿のお面を被らされて序盤は辛すぎでした。そんな時に五家の一位である紅椿夜行に見初められ紅椿家へ嫁いだ菜々緒がようやく掴んだ幸せな様子にほっこりでした。

    白蓮寺の面々が本当に田舎の閉鎖的の序列重視なのが閉口気味でしたが、やっと人を愛する事ができた菜々緒が可愛くて!そんな菜々緒にベタ惚れな夜行も可愛かったです。

    まだまだ序盤なので、この先も楽しみです。

  • 星4.5

    漫画で気になっていたので一気読みでした

    表紙の2人は綺麗で良かったです

    簪に意味があって良かったです

  • 購入。

    漫画より先に買ってしまった(笑)
    もちろん、漫画も予約済。
    簪をずっと持っていた理由が、恋心じゃなくて良かった〜(笑)
    いまの自分には考えられないけど、死ねることが救いになることがあるのは理解できる。
    幸せになって欲しいね。

  • あっまーい

  • 奈々緒が酷い状況下にあって縮こまっているのですが、根が健やかなのか案外逞しい。卑屈になり過ぎることなくちゃんと相手の思いを受け取れる子なので、暗くなり過ぎることなく読みやすい。夜行も凄く丁寧に奈々緒を溺愛しているし、里の皆への決着のつけ方もしっかり納得行くようにしてあるので、綺麗に纏まっていて良かったです。

  • 単に「傷」と言っても多様な意味がある。その意味を表紙の2人がずっと受け続け問い続け、お互いを思いやり癒していく物語。
    著者自身が原作を書いた漫画の小説版。
    いやはや夜行様カッコ良すぎだろう。そして菜々緒、姿も心も美しすぎるだろう。さすが漫画原作発。

  • 漫画の原作ということ
    猩猩に拐われ妖印を刻まれ傷モノになってしまった菜々緒と紅椿夜行との出会いから結ばれるまでの、幸せになるための物語。作者お得意の妖たちがかわいい。

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著者プロフィール

福岡県出身。小説『かくりよの宿飯』シリーズが大ヒットとなり、コミカライズ、TVアニメ化、舞台化など広く展開する。ほか代表作に『浅草鬼嫁日記』『メイデーア転生物語』(富士見L文庫)、『鳥居の向こうは、知らない世界でした。』(幻冬舎文庫)、『水無月家の許嫁』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『メイデーア転生物語 6 片想いから始まる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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