- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065314487
作品紹介・あらすじ
江戸の町で人外のものを狩り鎮める、謎めいた美しき男がいた――。
「江戸版陰陽師」ここに開幕!
江戸時代、凶悪犯を取り締まる火附盗賊改の裏組織が存在した。
専ら人外(にんがい)のものを狩り鎮めるその名は、火龍改。
満開の桜の下で茶会を催していた一行から悲鳴が上がった。
見れば大店のお女将の髪が逆立って、身体ごと持ち上がっていき、すっかり桜の花に隠れてしまった。
見上げる者たちの顔に点々と血が振りかかり、ぞぶ、ぞぶ、ごり、という音のあと、
どさり、と毛氈の上に女の首が落ちてきた――。
遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともに、この怪奇な事件の謎を追う(「桜怪談」)。
短篇「遊斎の語」「手鬼眼童」「首無し幽霊」も併録。
感想・レビュー・書評
-
江戸版陰陽師って言葉に誘惑されて…
うん!ええ感じや!
でも、人ならざるモノをやっつけるんやけど、激しい闘いというんではなく、めっちゃ優雅というか華麗な…
こういうのもええ!
私生活も優雅そうで、これには少し嫉妬してしまう…日々、バタバタ生きてるモンとしては、羨ましい限り!
こんな妖が出て来たら、もう我々にはどうする事も…
また、江戸時代なんで、夜は暗く妖たちのものなのかもしれん。
こんな人ならざるモノ専門屋さんが、江戸にもおるという設定も面白い。
短編の形はとっているが、はじめは、自己紹介みたいな…
最後の桜怪談からが、本番。遊斎もカッコええけど、土平もなかなか。
面白いシリーズ開始!
しかし、夢枕さん!この時期に新シリーズ登場させて、完結まで持っていける?
それが唯一の懸念事項!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人に姿を変えて市井に紛れ、人に害をなす化物(けぶつ)、妖物、龍を人知れず始末する火龍改(かりゅうあらため) 遊斎の物語。
他の方達のレビューを読んで気になっていた作品。
最近、獏さんの「黄金宮」を読んだ事もあって これは読んでみようと思い文庫版を購入。
一、火龍改の語(こと)
ニ、遊斎の語
三、手鬼眼童
四、首なし幽霊
五、桜怪談
の短編(一~四)と中編(五)の五編を収録。
帯には「江戸版 陰陽師!」とあるが「陰陽師」と比べると本書はあっさりした感じ(特にニ~四)。
でも面白い。
「たまらねえ」である。
無痛症の美空(魔獣狩り)、伯爵病の龍王院 弘(キマイラ)、キマイラ化する大鳳 吼と久鬼麗一と獏さんの作品に登場する美形は強いとか特殊能力を持っているとは別に特徴があり、本書の主人公 遊斎も白髪で眸が赤いという特徴がある。
アルビノ、もしかしたら化物と人とのハーフではないのか?とも思えるのだが。
その辺はいずれ明かされるのだろうけど。
と言うのも獏さん、どうやらシリーズ化する気満々。
しかし、今の獏さんの状況(時間、体力)を考えると少し心配ではある。
不定期での短編か中編の発表はともかくも長編書下ろし、連載なんて事になったら大丈夫なのか?(現在もSFマガジン等で連載を抱えているが)
そして きっちり完結するのか?
何より、完結しない作品や未完の作品はどうなるのか?
でも本書の続きは自分も読んでみたい。
だけど、獏さんには「今、書きたい作品」よりも「今、書かなければならない(完結しなければならない)作品」を書いてほしい。
ファンとしては複雑な心境である。
さて、どうなる事やら。-
おはようございます!
そうなんですよね…
続きも気になりますが、やはり今までのを…という思いが…
が、しかし、続きも…
夢枕獏さんに、20...おはようございます!
そうなんですよね…
続きも気になりますが、やはり今までのを…という思いが…
が、しかし、続きも…
夢枕獏さんに、200歳ぐらい生きて貰いましょう!笑2023/06/06 -
2023/06/06
-
2023/06/06
-
-
夢枕獏『大江戸火龍改』講談社文庫。
江戸時代に凶悪犯を取り締まる火附盗賊改に実は裏組織が存在したという設定の連作短編小説。火龍改と呼ばれる裏組織は秘密裏に人外のものを狩ると言う。しかし、裏組織と言いながらも、様々な怪異と対峙するのは遊斎という白髪の奇異な風体をした男のみという不可思議。
夢枕獏らしい、なかなか面白い歴史奇譚小説であった。
『火龍改の語』。まずは、軽く火龍改についての説明から。
『遊斎の語』。ここからが本編なのだが、まだ序の口。火龍改の相談役か頭らしい遊斎が次々と明らかにする怪異事件の数々。
『手鬼眼童』『首無し幽霊』。こちらも遊斎が解決した数々の怪異事件が紹介される。遊斎とは一体、何者なのか。
『桜怪談』。そして、ここからメインの物語。満開の桜の木の下で茶会を催している最中に大店のお女将の髪が逆立ち、何者かに身体を持ち上げられ、桜の花の中に姿を消してしまう。次の瞬間、茶会に居合わせた人びとの顔に血が降り注ぎ、何者かが肉と骨を食む不気味な音が聞こえたかと思うと、毛氈の上に女の首が転がる。遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともにこの怪奇な事件の謎を追う。
定価748円
★★★★★ -
江戸市中の化け物たちを取り締まる裏組織「火龍改」の活躍を描く、江戸版陰陽師の世界。
「陰陽師」が大好きな私にとって、また新たな「陰陽師」の世界が増えた感じです。
しかも江戸時代とあって、奇々怪々の物語を味わえました。
仲間の登場人物たちもそれぞれ特色を備えており、化け物退治に活躍する姿にワクワクしました。
ぜひ、シリーズ化して新たな化け物をどんどん退治していってほしいです。
できれば、私の中に時々顔を出す魔物も退治してほしいと思う今日この頃です。 -
江戸の町で人外のものが関わる事件を担当する裏組織、火龍改。江戸版陰陽師と聞いて読んでみたけど、面白かった。
主人公の遊斎が長屋暮らしだったり、与力や剣豪が出てくるのはお江戸っぽい。「陰陽師」がバディものなら、こちらは数人のチームで面白くなりそうだけど、続編は出るのかな? -
2023 7/8 読了
人生初めての夢枕獏先生の小説を読みました。
感想は面白いのはもちろん、描写が幻想的で良かったです。
短編、短編、長編
登場人物の人なりや陰陽師としての能力の紹介である短編、そして、それを分かった上で迎える長編。
ホラーミステリィとしても面白かったですし、
陰陽師としてのファンタジーとしても面白かったです。
犯人が誰なのか?というのは今回は横に置いておきました。
ミステリィ小説は犯人を推理しながら読む派なのですが、
登場人物たちの動きが面白くて、それに集中したくて。
登場人物たちのキャラも魅力的で、幻想的で、人間臭くて、良かったです。
-
本編が面白いのは言うまでもなく、あとがきに笑いました。
桜怪談なんかは映像化したら絶対面白そうだなーと。シリーズ化期待してます! -
江戸版陰陽師。火付盗賊改めの裏組織とのことだが、人員構成とか命令系統が全く見えない。十手持ちなのかも不明。隠密同心@大江戸捜査網や仕事人みたいなあり様。その辺描かれていると嘘リアル増しになったのになー。
むむさては、与力間宮は連絡係で、土平や平賀源内が火龍改のメンバーなのか!?。
主人公がアルビノなのは少々キャラ盛りすぎと思いました。 -
「江戸版陰陽師」
シリーズ1作目なので、登場人物・設定の紹介といった感じ。
忍び寄ってくる恐怖というよりも、ハリウッド的な直接的な怖さ。
著者の作品は初めてで、漫画で陰陽師は知っていたけど、こんなに読みやすいとは。
まさにエンタメホラー。 -
夢枕獏大先生の新シリーズ
続編が出たら登場人物に更に深みが出て面白くなっていくのだろうな、と思われます。