今度生まれたら (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065312728

作品紹介・あらすじ

70代では人生やり直せない?

人間に年齢は関係ない、なんてウソ。
人生100年はキレイごと。

「今度生まれたら、この人とは結婚しない」70歳の主婦、佐川夏江は自分がやり直しのきかない年齢になっていることにショックを受ける。人生を振り返ると、あの時別の道を選んだらどうなっていたかと思うことばかり。進学は、仕事は、結婚は。少しでも人生をやり直すため、夏江はやりたいことを始めようとあがく。

大好評の著者「高齢者小説」シリーズ。
「元気をもらいました」「自分のことのように読みました」「もっと早く読みたかった」
など読者の声多数のベストセラー!

感想・レビュー・書評

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  • 内館牧子さん初読み。有名な脚本家でメディアにもよく出ておられる方という印象だが、今回初めて小説を手にした。主人公は70歳の専業主婦夏江。かなり気が強く、周りの家族に対しても内心では辛辣な呟きをしている。そんな夏江が、近所の保育園建設について意見を求められた際に新聞に自分の名前とともに載った年齢表記(70)に衝撃を受け、来し方を振り返り、あったかもしれない別の人生に想いを馳せる。側から見れば夏江の人生はそこそこ幸せだと思うが、人はそれぞれいろんな思いはあるのだろう。2人の息子の人生や、盤石な幸せを築いているような人に予想外の展開が訪れたり、人生先は本当にわからないとテンポ良く進む話の中で教えられた気がする。リタイア後の人たちの日常生活や心の揺れ動きに触れられ、面白かった。

  • うーん、微妙w

    この人の本は、これまでに2冊読んだ。
    「終わった人」は面白かった!「どうせすぐ死ぬんだから」は微妙だった…w

    この本は「どうせすぐ死ぬんだから」に似てるかなぁ。

    主人公は70歳のおばあちゃん。
    でも、どこか幼いというか…。まるで20代…。
    自分勝手に生きてきたから、精神的に全く成長していない。

    物語の中でも、大きな挫折や苦労をすることもなく、するすると事態は好転していく。
    ちょっと都合が良すぎるストーリー展開。

    まったく凄くない、まったく尊敬できない人が、「人生ってこういうもんだよね〜」と格言めいたことを言っているような。
    そういう話を聞かされているみたいで白けた。

    これはもうポルノだね。
    老人による老人のためのポルノ。
    若い人たちがわざわざ読む本じゃない。

  • 私は、結構好きだったけどw
    40代の私が70歳になった時、夏江さんみたいに思うかしらw
    夫婦のこと子供のことはかなり共感したし、だれかに必要とされていること仕事をするということっていうのは、何歳になっても生きがいなんだなって改めて考える機会になった。
    上り坂下り坂そしてまさか
    人生何があるかわからない。今言えることは、生まれ変わってても主人と結婚したいって思うような生活をしていきたいなw

  • 前に読んだ本の読後感があんまり良くなかったのにまたこちらも読んでしまった…
    こちらもやはり、重ねてゆく年齢への抵抗と、失った日々への後悔など、どうしようもない(苦笑するしかない)心情のダダ漏れの小説。
    上手く着地点へ到達させたようだけれど皆がみんな、そう読者も含めて幸せなわけじゃない、当たり前だけど。
    これから迎える高齢化社会、こういう小説がやはり、多くなってゆくのかも…とブルーでグレーな気持ちになってしまう。

  • 印象に残ったシーンが2箇所。 まず、同い年の弁護士・高梨公子の講演会で主人公の夏江が感想を述べていた場面。勇気がいる発言だとびっくりしました。 そして、夏江が息子の嫁を訪ねた場面。息子を擁護するつもりが嫁へアドバイスを与えたシーン。 なかなかできることではありません。 それにしても、考えさせられてしまいました。「何かを始めるのに遅すぎることはない」というのは確かだと思う。でも年齢的に制限があったりして無理なことも沢山あるのも現実。 

  • 私も歳をとったのか、とても面白く、あっという間に読了しました!

  • タイトルにピンっ!ときた方は是非。
    電車の中で何度も吹き出しそうになりました。
    予想できるストーリーと、後半の盛り沢山な出来事に少々お腹いっぱいなりますが、華麗な着地に星4つです。
    楽しめました。

  • すごく面白かったです!
    夏江の心の声、口が悪くて悪くて笑ってしまいました(笑)

    70歳って、だいたい自分の人生を受け入れて
    おおらかに構えているものなのかと思ってたけど、そうでもないのかな(笑)
    仕事をしている、自分が社会に求められているからこそ、『趣味を楽しみたい』という気持ちが芽生えるのであって、高齢者だからボランティアだの趣味だの言われ続けたら、たしかに辟易してしまうかも…と思いました。夏江の気持ち、ちょっと分かるような。
    あとはあんなに夏江のことを諫めてた信子が、
    あんなに順風満帆な老後を過ごしてた信子が、
    芳彦に裏切られるとはビックリでした。
    私ならあんなふうに離婚届は渡せないな(笑)
    芳彦は妻にも娘にももう責任を果たしたって言ったけど、全然果たしてないよね(笑)
    誠実であり続けることが責任だよ(笑)

    『俺なんかには信子で十分』感がここでも出てて、最後の最後にどうしようもない情けなさ出てるなって思いました。

    あとは施設に園芸ボランティアの電話してて、折り返しの電話がかかってきた時の夏江のプライドにも笑いました。
    なんで夏江はあんなにプライド高いんだろう(笑)
    こっちから申し込んでるなら、素直に飛び付いた方が関係が円滑に進む気がするけど、違うのかな(笑)
    専業主婦で、園芸にほぼ触れられてない期間が長いはずなのに、ここまで自己肯定感高いのもある意味すごいなと(笑)
    いつでも通用するって感じなのかな?それに付き合ってなにも言わない山賀夫妻もオトナだな(笑)

    あと『ケチジジイ』もいや!(笑)


  • すぐ死ぬんだからを読んで内館さんの作品が好きになり
    今回で2冊目。

    70歳の主人公ということで
    自分にとってはまだ先の話だけど

    女性の生き方、女性の立場、自分の人生、人生の岐路、子育てのために自分のやりたいことを我慢するのか、旦那の駐在などなど
    自分がこれまで考えてきたこと、直面してきたことが詰まっていて
    楽しく読み進めながらも
    考えさせられるポイントがたくさん。

    今、中国に暮らしていて
    周りの女性の多くが
    男性に頼らずに生きていくことの大切さや
    男性がいなくても食べていけるだけの安定した仕事を持つことの大切さをよく話していて。
    そういう部分も感じながら読んだ一冊。

    内館さんの作品、まだ二つしか読んだことがないけど
    人の性格の描写がわかりやすい。

    また違う本も読んでみたい

  • ・あらゆる職種の誰にとっても、仕事ほど刺激的なものはそうないのだと思う。

    ・仕事の快感って、自分が必要とされてることなんだよな。

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著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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