亥子ころころ (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065282809

作品紹介・あらすじ

“思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。
親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説!

武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。
全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、
粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。
聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。

感想・レビュー・書評

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  • 家族愛、兄弟愛、恋愛、思いやりの愛など色々な愛が沢山溢れている本。そしてもちろん和菓子も沢山溢れてる。だからこのシリーズ大好き。
    前作ではお君ちゃんの恋路がメインだったけど、今作は母のお永さんの恋路なのね。

    和菓子に想いを託して、相手に伝える。ああ、奥ゆかしい。そしてその想いを察することが出来る人達。でも決して声に出して気持ちを表さない。ああ、やっぱり奥ゆかしい。これぞ日本人。
    今までの私の行動にはなかった「奥ゆかしい」という言葉を、今日から追加しておきましょう。

    本当に様々な地方の和菓子が登場。美味しそう。
    そして美味しい和菓子が生まれるのには、ちゃんと背景があるのですねえ。ああ、深い。
    これから旅行に行った時に、ご当地の和菓子を食べ歩くというのも楽しいかもしれないな(やっぱり食べるんかい)。

  • シリーズ2作目。前作は主人の治兵衛の出自で大騒動があったが、今作ではお菓子中心に書かれつつ娘の恋愛も出てくる。
    手首を痛めた治兵衛の店の前に、行き倒れの男・雲平が現れる。これが治兵衛と同じように諸国を修行してきた菓子職人。行き倒れの原因の人探しは、サスペンスのような様相。これも菓子で解決。
    雲平の来し方が治兵衛と似通っているため、治兵衛と全国を経巡った娘のお永は憧れのような恋のような感情で元夫も含めて騒動が起きる。
    職人同士が切磋琢磨し、色々な全国の菓子を職人同士の感性でチャレンジする姿が良い。写真や絵があったらもっと美味しそう、と思うのは私自身の想像力の欠如か?
    それにしてもお永の記憶力は凄い。治兵衛の70冊以上の菓子帳から僅かの断片を元に、あっという間に該当のお菓子を捜し当てる。
    当面、雲平は店に残るようなので、次々と新しいお菓子が出てきそうだし、恋愛騒動も続きそうで次作が楽しみ。

  • 南星屋の主人がケガで…。色々な事があるけど、温かい家族の絆とお菓子で癒されました。前作よりほっこり。

  •  左手を痛めてしまった治兵衛。
     そんな時にお君が雲平という行き倒れを店先で見つける。
     彼は京都から江戸へ弟弟子を探しにきたのだという。そして、運のいいことに彼は腕のいい菓子職人だった。

     今回も美味しいお菓子と物語に癒されました。

     美味しい和菓子が食べたいですねぇ。

  • 前作がおもしろくて引き続き。

    雲平が登場することにより、南星屋の模様に変化が。
    その変わりようがうまく描写されており非常におもしろい。

    欲を言えば親子三代の日常のやり取りをもっと見たかった
    ようにも思うが、、、
    まあこれはこれで良し。

    最新作ももうすぐ出るらしい。
    そちらもぜひ読んでみたい。

  • 時代小説。親子三代で営まれる和菓子屋・南星屋シリーズの第二作。和菓子が美味しそう。登場人物がみんないい人で、ほっこりします。

  • ほんのり甘い和菓子の様に、
    とても温かみのあるほんわかしたお話で、
    西條さんは、その人の背後にあるもの、その人の情、そういったものを描かれるのが本当に上手だなと、尊敬します。

    とっても美味しそうな和菓子と共に展開していくお話が、いつまででも読めてしまいます。
    もう続きが読みたくてたまりません。

    今日はおやつにお萩を食べたいと思います(笑)

  • 前作より一年後です。
    行き倒れた菓子職人・雲平の為に、治兵衛一家が人探しに奔走します。
    今回もたくさん和菓子が出てきて美味しそう( ´ ▽ ` )

    優しく暖かいストーリーに癒されて満足!
    第三弾「うさぎ玉ほろほろ」が秋に出るらしいので楽しみです(^.^)

  • お菓子が人の心を温める、南星屋シリーズ2作目
    諸国のお菓子が手ごろに楽しめる店なんて、欲しい~
    雲平が残ってくれてひと安心

  • こんな早くに読めるとは思いも寄らず、とにかく直木賞の後の梓ラッシュの凄い事。もう1番出てる売れてるのでは。治兵衛にお永にお君にとても思いやりのある家族ですね、そこに雲平が加わってとてもいいなおさらいいお店になるって事。名前も不思議な響きだしカッコいいし、亥之吉が出てきてお別れと思ったら、ので、次回予告ですね。しかし元亭主の焼き餅とか、お永さんは何に縛られてるの?雲平でええですよ、まあ雲平とお君でもええですよ。しかしお店に並ぶ町人のやりとりは粋だね〜返しが上手いわ。こういう時代に生まれてみたかった

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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