- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065277195
作品紹介・あらすじ
誰にも訪れる「死」。しかし、実際にどのようにして死んでいくのかを知っている人は少ない。人がどのような末期を知らないと、虐待に等しい終末期医療に苦しみ、悲惨な死を迎えることになりかねない。肉親が迎えたとき、そして自ら死を覚悟したとき、どのような死に方を選べばいいのか。在宅診療医として数々の死を看取った、作家の久坂部羊氏が、人がどのような死を迎えるのかをリアルに描き、安らかな死を迎えるために、私たちが知っておくべきことを解説する。その日に備えて、読んでおきたい「死の教科書」
はじめに
第一章 死の実際を見る、心にゆとりを持って
第二章 さまざまな死のパターン
第三章 海外の「死」見聞録
第四章 死の恐怖とは何か
第五章 死に目に会うことの意味
第六章 不愉快な事実は伝えないメディア
第七章 がんに関する世間の誤解
第八章 安楽死と尊厳死の是々非々
第九章 上手な最期を迎えるには
感想・レビュー・書評
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死後にご遺体を整えるエンゼルケアで便を出すために肛門に指を突っ込んだり腹部をつよく押すとあり衝撃を受けた。100歳まで生きたいと漠然と思ってたが、医療で無理に生かされた状態なら、死を受け入れた方が幸せだなーと思った。
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死生観を見直すきっかけになる良書。
僕は薬剤師として日常的に医療に携わっているため、胃ろうチューブは入れたくないなとか、延命治療はしたくないなとか、なんとなく終末期医療に対する想いは持っていた。
本書を読んで感じたのは、そんな"想い"だけでは足りず、"覚悟"をしなければいけないということ。
延命治療を拒むなら、病院には行かないという覚悟が必要で、それを大切な人と共有しておく必要があると。
早速、妻にも話をして終末期医療の事前指示書を作成することにした。
あと、個人的に健康ヲタクで16時間断食や毎日の運動など不老長寿を目指しているわけなんだが、それもエゴなんだなと思えた。
もし人類がいつか不老不死を本当に手にいれるようなことがあったら、それこそ地球は人で溢れて住む場所、働く場所、食べるものに困って大変なことになるもんな。
それから、足るを知り「期待値を下げる力」を鍛えることが人生の満足度を上げることにつながると理解した。
30代の今のうちから"死"を受け入れて、今を大切に生きたいと心から思えた素晴らしい一冊。
【Action plan】
①終末期医療に対する事前指示書を妻とともに作成する
②両親に本書をプレゼントする -
「死は眠りと同じ、ただ目が覚めないだけ」とのフレーズが中頃にある。夢を見ている時はそれが夢だとは思っていない。「なんとかならないのかーーー。」と叫んで夢から覚めてホッとすることがある。「人生は夢のまた夢」そう考えると、朝、目覚めた時が誕生である。
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習わないからこそ自習しておきたい「死」についての一冊。医師が実際の死について紹介するために書いた本なので死の描写に説得力があり、大変勉強になりました。いろんな形の死が紹介されるので自分はどう死にたいか、考えさせられます。また死から逆に生きることについても考えさせられました。死ぬと「無」になるので、そんなにがんばらなくても大丈夫ではないかという気にさせられました。医療業界の現実についても書いており一般人には学ぶ点がとても多かったです。日本では「喪中」など死についてネガティブなイメージが強く、気軽に話題に出来ないからこそ自習しておきたい一冊です。
●絶対に意識があるうちに意思を残したい
病院か家か、延命治療が必要か。など。延命治療は本人にメリットがない場合があるなど、意思表示しておかないと自分らしく死ねない場合が多くある現実が分かりました。病院に運んだら、病院側は医療行為せざるを得ない(しないで返したら、家族から言われるから)というのも知識がないゆえに起こることなんだなと感じました。
●ピンピンコロリのコロリの方法
理想の死に方でよくある表現ですが、著者に言わせればコロリと行くには不摂生が必要だとのこと。高血圧で致命的な血管が切れてコロリと逝くイメージです。なのに、ピンピン=健康を意識して行動すると、なかなか弱らないのでコロリといかない。よくある「眠るように死にたい」というのはなかなか実現しないのが現実とのことです。
●死に顔の良し悪しは生きてる側が決めている
死んだら「無」です。脱力しているので表情筋がついているわけがありません。なのに、「少し笑ってる」とか死に顔を評されてるのを聞いたことありませんか?それは生きている側がそう思いたいからだそうです。同様に、家族の希望で本人にメリットのない生きるだけの延命治療が存在することが何度も紹介されますが、とても考えさせられました。 -
在宅医療や終末医療などが、色濃く小説に反映されていて、リアルに病気や医療と向き合わせてくれる。
今回は小説でなく新書として、生の声が文字になっている。
年老いて読むよりは、老年に向かう今、読むことでより肯定的に受け入れられる。
しかし、高齢の母親に勧めるには、少し深刻でリアルすぎるのでやめておこう・・・とも思う。
本書に出ていた「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」 (朝日選書)を読んでみよう。 -
■ Before(本の選定理由)
タイトルに惹かれて読み始めた。
死をどう捉える?付き合うか?は永遠のテーマ。
■ 気づき
ガンの終末医療、外務省の医務スタッフ、在宅終末医療の経験をもつ筆者の言葉は説得力がある。無為な(それどころか患者を傷つける)延命治療への警鐘は心から納得。ただ、現場の愚痴というか、エンゼルケアをおこなうナース批判など公平性を欠くようにも感じた。
■ Todo
死に際は自分で決める。
そして、自分の死よりも近い、親の死に備える。モノもカネもココロも。 -
現在の日本において、どのように人がなくなっていくのか知るためには良い本。
著者の考え方は道教的な自然の流れに逆らわないものが中心で、それがあうあわないはあると思う。
ただ、すべての人に訪れるであろう死について考えること重要性は、すべての人に共通したものであると思う。
もし、「死について考えること自体が嫌だ」という人がいればそれはそれで、そういう考え方なので否定はしないが、とりあえずどこまでの延命治療を求めるか(老齢で中心静脈栄養や胃ろう、酸素、心臓マッサージなどの救命措置など)ぐらいは考えていてもいいのかなと感じました。 -
会社の図書館で借りた本
お医者さんが書いた死生観に関する本を
最近読んでいる
やはり、死をまさに目の前で見てる人の考え方は説得力があると思う -
死と意識、苦痛。目を反らさずに、自分や身近な命を俯瞰することも必要。幸せに直結。
救急車、一歩落ち着いて、呼ぶか判断。-
2022/03/26
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著者は辛口なので、身近な人の死の前後には読まない方がいいかもしれない。死の前後に慌てて考えるのではなく、常に備えて行動しなさい、という考えなのだから。
今は差し迫った事ではないけれども、余裕がある時にこそしっかりと考えておく事が重要である。
過度の延命治療の否定等、多くは著者の意見に同意する所が多かったが、自宅での見取りや尊厳死については今後の自分への課題となった。安楽死は人類全体の課題であろう。
著者は医師であると同時に若い頃「viking」という同人誌に参加していたとも書かれていた。viking、久しぶりに聞いた。久坂葉子以来か。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。