哲学人生問答 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065276181

作品紹介・あらすじ

「いじってくる相手との距離の取り方がわかりません」
「給料とやりがい、どちらで仕事を選べば幸福になれますか」
「ありのままの自分を受け入れられません」
「嫌いな人との付き合いが避けられない時、どうしたらいいでしょうか」
「自殺しようとしている人を止めるのは善でしょうか、悪でしょうか」

現役高校生と哲学者が熱くたたかわせた、本気の人生問答。
生徒たちからの41の切実な質問に答えるかたちで、今を生きることの大切さを説く。
「生きていくこと」「幸福になること」について、哲学者の岸見一郎さんによる先人の知恵は、
若者だけではなく、親世代にも響く示唆にあふれています。

感想・レビュー・書評

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  • 5年以上前に『嫌われる勇気』に数回トライしたが中々読めず…今ではないんだな。と思い諦めていた岸見先生…。
    高校での特別授業を元に再編成とのことだったので、読めるのではないかと思い、即購入。とても読みやすかった。今まで哲学や心理学に興味があるものの、中々最後まで読めなかったが、これは一気に読めた。
    高校生ってこんな難しいと感じることを考えてるの?!わたしも高校生の時にこの本に出会いたかったな〜と思ったが、きっと今がタイミングだったのだと思う。親になった時にも読みたいと思う。












    ★私たちの苦しみも、鳥が空を飛ぶために必要な空気抵抗としての風のようなものです。苦しみは自分が飛ぶことを妨げるものではなく、苦しみがあるからこそ飛べるのです。人間も苦しい時、何かの困難を努力して達成した時にこそ、生きる喜びや幸福を感じることができます。

    ★私の理解では、幸福につながる仕事とは客の利益になることを目指し、そうすることで客が幸福に生きることに役立てたと思える仕事です。そう思える仕事であればこそ、寝食を忘れて打ち込むことができますし、このような仕事をしていると幸福になれます

    ★自分は自分がしたいこと、自分ができる最善のことをその時々で全力ですることだけを考えればいいのです。

    ★人間関係のトラブルの多くは、人の課題に土足で踏み込むこと、踏み込まれることから起こります。

    ★人間には、「するべきこと」「したいこと」「できること」の3つしかありません。このうち、できることは「できること」だけです。

    ★「教養」はドイツ語でBildungといいますが、人間形成、人格を形作ることと言う意味です。

    ★世の中は、いい人ばかりではありません。いやな人もいます。そういう人たちと関わって嫌われたり、憎まれたり、裏切られたりというような経験を避けることはできません。

    ★ただ仕事というのは、仕事さえできればよくて、一緒に仕事をしている人が有能であればどんな人であっても関係ないというわけにはいきません。この人となら一緒に仕事をしたいと思えると仕事は楽しいものです。このように感じて仕事をする時は、もはや仕事仲間ではなく友だちであるといっていいのです。

    ★「価値低減傾向」自分には価値がないと思っている人が、他の人の価値を貶めることで、相対的に自分の価値を高めようとすることです。それがいじめであり、差別です。いじめや差別をする人は、自分に価値があると思えない人です。

    ★対人関係は悩みの源泉ではありますが、生きる喜びや幸福の源泉でもあるということです。だからこそ、幸福になるためには対人関係の中に入っていく勇気を持たなければなりませんし、そのためには、自分に価値があると思えなければなりません。

    ★自己犠牲的な行為をすることと、他者貢献とは違います。他者貢献は回りまわって、結局のところ自分に戻ってくるものです。人は、互いに補い合って、最終的には自分に何かが返ってきます。だから、仕事をするときに喜びを感じることができます。そういう意味で他者貢献は自分のためでもあるのです。

    ★自己中心的に生きてきた人は、他者貢献などできません。どうしても損得を軸に考えてしまうからです。

    ★よく思われるために他者貢献をするのではなく、そんなことも忘れて自分の仕事に打ち込んでいる人の方が、他者に貢献していることもあります。

    ★自立するための二つ目の条件は「自分の価値を自分で決められる」

    ★問題に対してどんなふうに取り組むか、その癖というかパターンを人はわりあい早い時期に決めます。アドラーはそれを「ライフスタイル」とよんでいます。それは人によって違うので、あなたの友達は何か問題に直面した時、あなたとは違った対応し、対人関係の築き方もあなたとは違うかもしれません。

  • 高校生と筆者の対談を記録した一冊。
    人生や、生き方、対人関係の悩みを高校生から筆者に質問し、筆者がそれに答えている。

    ほんとに高校生がこんなことを考えているのかと感心を持ち、またそれに対する受け答えも的を得てわかりやすい。

    悩みを抱えている人なら誰でも読んで欲しい。

  • アドラー心理学で有名は岸見先生が母校で高校生に向けて行った講演録と、生徒からの質問に回答したもの。高校生向けに書いたものなので分かりやすく、すぐ読める。「感情は、何かの目的のためにあえて作り出されるもの(と、捉える)」「人間にはするべきこと、したいこと、できることの3つしかない。勉強したくないなら、したいと思うようになるまで、ぼんやりするしかない(だから、まずできることは何かを考える)。」「差別の原因は他者に対する価値提言傾向。みんなが自分は普通だと思えば、こういう見方をする必要がない」「私ではない誰かになろうと思うことをやめた時に、すでに変われている」

  • 「嫌われる勇気」で有名な岸見さんの語り口調は、なんだか心にスッと入ってきて、安心する。

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    生きる行為において本当に正しいこととは何か、哲学的に答えを求めている方へ


    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1323259

  • 人生について切実な41の質問に『嫌われる勇気』の哲学者が明確な答えを出す。導きの書。

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著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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