神薙虚無最後の事件

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065273500

作品紹介・あらすじ

真実は、人の数だけある。
本格ミステリ界激震! 新たな多重解決ミステリの金字塔がここに誕生!

大学生二年生の白兎(はくと)は、アパートの隣に住む一つ年下の後輩・志希(しき)に淡い恋心を抱いていた。二人が自宅に向かう路上、体調を崩し倒れこむ女性、唯(ゆい)と出会う。彼女が手にしていたのは、唯の父、御剣大(みつるぎ・まさる)が著した20年前のベストセラー『神薙虚無の最後の事件』だった。「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を記したミステリで、シリーズ最終巻では解かれる謎を残したまま完結となり、ミステリ好事家の間では伝説となっているという。
白兎と志希は、唯の依頼で大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺とともに、作品に秘められた謎を解こうとするのだがーー。
過去と現在、物語の中と外、謎が繋がり、パンドラの箱が開くとき、目にするのは希望か絶望か!?

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー愛に溢れた多重推理ミステリー! 組み立てられた解法と真相が圧巻 #神薙虚無最後の事件

    ■あらすじ
    大学生である主人公は、いつも隣人の後輩美少女と学生生活を送っていた。ある日二人はミステリー作家の娘と出会い、不思議な相談を受ける。
    かつて大人気となったそのミステリーは、実在した名探偵と怪盗の活躍を綴ったもので、最終巻では大きな謎に包まれた完結となっていた。二人その謎を解いてほしいと依頼されて…

    ■レビュー
    本作は本格ミステリーの体裁ぶりが整っているのがスゴイ!
    この作品を良く書ききりましたよ。やっぱり作家の皆さんは優秀なんだな~

    かなり多くの仕掛けを組み込んだ本格ミステリーなのに、1つ1つが丁寧に組み立てられていて、バランス感覚が抜群なんです。

    本作は多重推理ものなので、矛盾をなくすのはもちろん、徐々に話を盛り上げていく必要があるんですよね。かなり技術がいると思うのですが、おそらく何度もプロットの検討をかさねたんだろうなという努力が想像できました。

    序盤はライトなやり取りが多いですが、後半の解明パートはかなりヘビー。強烈な推理の数々、そしてとんでもない真相を読者に突きつけてきます。

    キャラクターもミステリーの定番メンバーのような個性が集まっており、さらに中二病的な魅力も最高。私ももっぱら志希ちゃん推しですね。
    物語としても絆をテーマにした優しいお話で、どなたにも読めるところもGOODでした。

    ■推しポイント
    本作はミステリー愛がめいっぱい溢れている一冊です。
    本格ミステリーをベースにしながらも、かなりエンターテイメントの寄せた作品。

    名探偵VS怪盗王の構図、雰囲気たっぷりの館への招待状、封印された箱など… 推理小説が大好きな読者を楽しませる細かい仕掛けでいっぱいで嬉しくなっちゃいました。

    これからどんどん活躍していく作家さんだと思うので、今後も期待しちゃいます!

  • 高校生探偵達と怪盗王との対決をノンフィクションとして発表していったシリーズ最終作「神薙虚無最後の事件」発表直後に探偵の神薙が実在していないのでは?という炎上騒動が起こり絶版に。20年後、作者の娘と名乗る人物から作中で明かされなかった密室殺人と神薙失踪の真相を推理して欲しいとの依頼を受け、東雲大学名探偵倶楽部の面々が挑む。誰もが傷付かない真相を目指して推理合戦をする展開は面白いし、エレベーター問題に対する各推理は楽しい。しかし真相が強引に丸く収め過ぎな気が。最終的な解決編が蛇足に感じる。あとキャラの個性が活かしきれていない印象。マルチに完璧な名探偵倶楽部探偵、金剛寺はもっとぶっ飛んだ行動取って欲しい。来栖ちゃんが瀬々良木君に妙に懐いているのも謎だー。

  • 多重推理の腕が光る。
    肯定するも否定するも自分次第。
    カッコ良すぎる小説です…♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝



    フレンドと恒例の推理合戦をしました。

    この作品は複数人による多重推理なので、その中に潜り込んだ気分です(〃´-`〃)

    まず61%(第4章の終わり)まで。

    好き勝手想像しておおよその推理を披露します。

    犯人はともかく、メインかなと思われるトリックには、2人とも気付きました。
    ミステリ慣れしてきたかな( *¯ ꒳¯*)

    主人公は瀬々良木白兎。

    「神薙虚無最後の事件」という小説の真相を推理する事になり、小説を読みながら少しずつ事件の概要を知る事になる。

    現実と小説の内容が入り混じり、混乱しつつも推理してみました。

    正直半分では想像力が広がりすぎて収集つきません笑

    71%まで読み進めると変わるかなと思いきや、謎は謎のまま…(^▽^;)

    わたくし、何度も読み返し、めっちゃ頭使いました!なんと2日間も!!笑笑

    そして泣く泣く犯人を決定。

    最後まで読みました。

    ………犯人はずれました笑笑

    そんな簡単に犯人当たりません!!!
    (私の推理力の無さが問題かもしれんが…)

    でもでも、ラストすばらしかったです!

    想像を絶するラストで大満足・:*+.(( °ω° ))/.:+


    前半読み込んだだけあって、館が頭に浮かんで消えません笑笑

    2日間、頭の中が推理でいっぱいだったので、久しぶりによく眠れました笑笑

    面白かったです!

  • 斬新なミステリを体験した気分の一冊。

    一人の女性の心の救済のために名探偵倶楽部が一冊の本を読み謎を解くというミステリは先ず、人の優しさが好感度大。

    迎えた救済のための推理プレゼンテーション。誰のプレゼンが選ばれるのか…容赦ない推理、鋭い突っ込み、壮大突飛な推理にその都度アッと声が漏れ、一人終わるごとに休憩を挟み、目から鱗のような各々の斬新な推理を噛み締めた。 

    能ある鷹は爪を隠す…的なプレゼンも目を見張る。

    そして回りくどい真相への導きの裏側の各々の想い、願いの絡み合い。 

    しんみりさと面白さの混じり合いが、はなまる。

  • 白兎という名前にミスリードされそうになる。

    古き良き……というには、痛い二つ名、高校生とは思えない態度。あまりにも「らしい」名探偵。
    面白いんだけど、なんだか疲れる作品だった。

  • 多重解決ミステリー!
    今世紀最大の謎!神薙虚無最後の事件を果敢にも挑んだ名探偵たちの物語である。

    私も迷探偵として参戦するぞーー( •̀ᴗ•́ )و

    〜あらすじ〜

    真実は、人の数だけある。
本格ミステリ界激震! 新たな多重解決ミステリの金字塔がここに誕生!

大学生二年生の白兎(はくと)は、アパートの隣に住む一つ年下の後輩・志希(しき)に淡い恋心を抱いていた。二人が自宅に向かう路上、体調を崩し倒れこむ女性、唯(ゆい)と出会う。彼女が手にしていたのは、唯の父、御剣大(みつるぎ・まさる)が著した20年前のベストセラー『神薙虚無(かんなぎうろむ)最後の事件』だった。「神薙虚無」シリーズは、実在した名探偵・神薙の活躍を記したミステリで、シリーズ最終巻では解かれる謎を残したまま完結となり、ミステリ好事家の間では伝説となっているという。
白兎と志希は、唯の依頼で大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺とともに、作品に秘められた謎を解こうとするのだがーー。
過去と現在、物語の中と外、謎が繋がり、パンドラの箱が開くとき、目にするのは希望か絶望か!?


    そう!今回は多重解決ミステリー作中に登場する
    名探偵倶楽部のメンバーが各々で推理をしていく流れなのですが、
    20年前発売された大人気シリーズにして
    最終巻で壮大な謎を残してフェードアウトしてしまった小説を倶楽部のメンバー各々が推理あっていくんですが、、、

    このメンバーキャラのクセがつえ〜のなんの!
    めちゃ笑わしてくれる!笑笑

    特に主人公の瀬々良木とヒロインの来栖との
    やり取りは見どころです!!(笑)

    あと…笑笑…要所要所で、厨二病かよと思わせてくるところもめちゃ笑いました!(笑)

    そしていよいよ各自の推理発表会が開催されるのですが……ちなみにここで私も
    電撃参戦させてもらいました!!(笑)

    いや〜皆さん、個性豊かでね〜
    時には頷き…うんうんと。
    時には笑い…まじうけるー(笑)
    時には驚愕し…まじかい?…す、すげ〜

    十人十色…本当に皆さん素晴らしい推理でした
    とても勉強になりました!
    ありがとうございます!

    ん?自分ですか?推理が当たったかって?
    ………聞かないでください(´・_・`)
    潔く決めてたら……何度思った事か…(;´༎ຶД༎ຶ`)
    思い出したくもなーーい!!ヽ(`Д´)ノ
    一昨日の自分を叩き回したい!!(笑)

    そんなこんなでいよいよラストに入るのですが
    自分的にはめちゃ納得のいくラストだったなと
    思いました!!

    終始面白く、読みやすかったのでとても
    良い作品だと思います!!
    と言うか、このてのタイプの多重解決ミステリーめちゃ好きになった〜!
    似たような感じの作品あれば読みたい!!





  • ちょっと大袈裟なところもある探偵小説だった。
    運命をさだめと読むとかね。登場人物たちの名前も変わっていた。内容的にはそれぞれの探偵の推理発表会が楽しかった。探偵の失踪したお兄さんの謎とかもあるし、続編が期待できそう。

  • 衝撃の本格ミステリ。未解決の『神薙虚無最後の事件』の真相を《名探偵倶楽部》のメンバーが推理し、真相にたどり着く。多重解決ものの中でも傑作のどんでん返し。読者は、始めから作者の手のひらの上で踊らされていた。

  • 名探偵倶楽部、超絶才色兼備で実家はコングロマリットな大学四年生、経費削減のためご飯を作り合う貧乏学生の先輩後輩、そして持ち込まれる謎。ってもう、ワクワクしかないじゃないですか、この設定。
    しかも謎の舞台は「館」ってもう、最初から最後まで楽しみの詰め合わせ。

    20年前のベストセラーの真偽を探る「名探偵たち」。
    披露される謎解きに何度も何度もうなずく。けれど剥いても剝いても謎の芯は見えない。
    謎の本当の姿は、どの解?謎解きの依頼者が求める「解」にたどり着くのは誰?
    最初から最後までひたすらに面白い。

  • 2023.4.28読了。
    初めて読む作家さんでしたが、評判通り面白い多重解決ミステリでした。
    シリーズになりそうなら、次作も読みたいと思います。

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著者プロフィール

【紺野天龍(こんの・てんりゅう)】
第23回電撃小説大賞に応募した「ウィアドの戦術師」を改題した『ゼロの戦術師』で2018年にデビュー。他の著作に新機軸特殊設定ミステリとして話題となった『錬金術師の密室』『錬金術師の消失』、『シンデレラ城の殺人』などがある。新時代本格ミステリの書き手として期待される新鋭。
本書は、2012年にメフィスト賞座談会に掲載された『朝凪水素最後の事件』、第29回鮎川哲也賞最終候補となった同名作品をプロトタイプに全面的に改稿した作品。

「2022年 『神薙虚無最後の事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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