リアルの私はどこにいる? Where Am I on the Real Side? (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065268063

作品紹介・あらすじ

 ヴァーチャル国家・センタアメリカが独立した。南米の国や北米の一部も加え一国とする構想で、リアル世界とは全く別の新国家
になるという。リアルにおける格差の解消を期待し、移住希望者が殺到。国家間の勢力地図も大きく塗り替えられると予想された。
 そんなニュースが報じられるなか、リアル世界で肉体が行方不明になりヴァーチャルから戻れない女性が、グアトに捜索を依頼する。

感想・レビュー・書評

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  • 人間とは何か、自分とは何か。S&Mシリーズからずっと根底に流れている命題のような気がする。森博嗣さんはいつからこの構想をしていたのだろう?

    リアルからバーチャルへ移って行く世界。バーチャルでの国家としての独立。森博嗣さんの発想はいつも新鮮で、あり得そうな所をついてくるので、読むのが楽しみだ。

    グアトの護衛を失敗し、バスルームで泣いているロジを励ましに行くかどうかのクラリスとグアトのやり取りが、とても面白かった。


  • 森博嗣氏の小説は初めてだが、『全てがFになる』のドラマシリーズは覚えていたので、マガタ・シキという名前で懐かしさを覚えた。

    読み出してから、どうもこの本はシリーズもので「wwシリーズ」の中の一番新しい作品であることがわかった。だからといって内容が全くわからないというわけではないので、そこは安心。

    リアルで肉体が見つからず、ヴァーチャルの世界にいる女性から、自分の元の体を探して欲しいという依頼が来て、そこからどんどん奥深くへと繋がっていく物語。

    人工知能のある世界線の、世界観の描き方がものすごく面白くて、ついつい読み進めてしまいました。人工知能に対して、ついつい人間との違いを追いかけて、そのユニークさに興味を惹かれました。

    またディティールが細かくて、かと言ってものすごく頭を使わされるわけでもなく、ちょうどよい温度で展開されていくストーリーに引き込まれて、すっかりハマってしまいました。

    森博嗣ワールドに再び戻りたいと思いながら、隣に積み上がる積読本と睨めっこをする私…。

    まずは「S&Wシリーズ」と呼ばれている作品から読み始めることにしましょうか。

  • もうね、このシリーズは何を言ってもネタバレよ!
    マガタ・シキサーガ(仮)の集大成みたいなものだから。

  • 今回もリアルとヴァーチャルの色々を。
    そして存在する事の意味を。
    死生観を飛び越えていくような、そんな感覚に陥ります。

  • 今までは、バーチャルに移り行くリアルの話だったけど、今回はとうとう逆転。
    ずっと”マガタシキ博士の目的は?”みたいな視点で読んでいたけど、もう”博士の共通思考という概念は、世界をどう作っていくのか”をグァトと一緒に目撃していく段階になったのかもしれない。
    この世界がどこに行くのか、1年に1回くらいこれからも読めれば幸せだなあ。

  • ■ Before(本の選定理由)
    不平を言ってみたりしたが、何気にずっと読み続けているシリーズ。最新刊。

    ■ 気づき
    アイディアとしてはこれまでの中で最も秀逸で面白かった。
    ・初期作:有機的な人造人間:ウォーカロン
    ・中期:思考のアルゴリズムを電子再現・肉体の放棄
    ・今作:プログラムが造る「自我を持った人間的なデータ」
    まで進行した。確かに、ここまで来ると人間を人間たらしめる自我とは何だろうか。

    ■ Todo
    もう、シリーズ何冊目だろうか。
    前シリーズから数えると16くらいと思う。
    果たしてゴールに近づいているのだろうか。

  • お、面白かった〜!!!難しい計算は全然わからないけど、どうなるのか続きが気になってしょうがなかった。リアルのボディが行方不明って設定がめっちゃ面白い。考えつかないよ!
    人工知能って本当に面白いなあ〜森博嗣の描く人工知能たちが好きすぎる。現実にもこういう人工知能がでてこないかな…と思うんだけど、それには真賀田四季が必要だから無理かあって毎回なる。

    p.134
    「人工知能は大きな戦争をしませんね。でも、それは彼らが穏やかで優しいからではない。善人だからでもない。戦うこと、戦ったあとのことが予測できるから、つまり人間より賢くて、利害のシミュレーションができるからです」
    「私は、逆にそこに、うーん、少しですけれど、不安を感じますね。理想や道徳ではなく、未来に対する利害の収支なのです。それが良い方向に向けば問題ありませんが、あるときは逆になる可能性だってある。ただ、もちろん、感情に流される人間よりは、利害を客観的に評価できることは、優れた人格といえるかもしれない。そういう思いもあって、そうですね、複雑なんです。どちらとも決められない。人工知能が時間をかけて、もうワンステップ成長してくれたら、このような不安も払拭されるかもしれません」

  • 面白かった!
    相変わらず命を狙われてて笑っちゃった。
    本人的には勘弁して欲しいだろうけど、相変わらず人工知能から評価されていると思うと嬉しいし、ストーリー的にもドキドキして面白い。

  • 図書館の本 前作から少し開いてしまったため話が分かるか不安な中読み始めます

    基本的にウォーカロン、トランスファなど具体的に想像できないため理解が追い付かない

    この巻だけでいいからSFアニメにしてくれたらうれしい 切望

    グアトがスーパーコンピュータの上を行ってるなんてご都合主義(森ファン怒らないで)

  • もうミステリというよりSFです。
    そして、シリーズ全体の物語はなかなか進まない。
    でも、そんな些末なことは置いておいて、かなり好みなお話でした。リアルとは何か。

    まあ、そろそろミステリ、ミステリしたのも読みたいけど。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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