- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065264102
作品紹介・あらすじ
心霊探偵八雲――彼にも、高校時代があった。
切なく、痛く、切実な青春の日々が今よみがえる。
感想・レビュー・書評
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心霊探偵八雲シリーズ本編を完読してから、本書を読むことを強くオススメ!
八雲、高校生時代の“青い”ミステリー。
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「美術室にある、血で書かれた呪いの絵を見ると、不幸が訪れる…」
両親を交通事故で亡くし、妹とともに叔母に引き取られた琢海は、美術部の先輩・真希とともに呪いの絵について調べることになる。
一方、琢海のクラスメートである八雲もまた、なぜか呪いの絵について調べていた。
しかしある夜、美術部顧問の教師が、校内で殺害される事件が起こり…
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心霊探偵八雲シリーズ本編(角川文庫)は、ずっと文庫本で読んできており、「12巻が文庫で発売されたら11・12巻と続けて読むぞ!!」と思っているため、完結巻派未読状態です。
(注・単行本では12巻の完結巻まで発売されています)
そんな中、講談社文庫で心霊探偵八雲の外伝が発売されているのを知り、とても驚きました。
角川文庫ではなく講談社文庫だったので、全然気がつきませんでした。
しかも手にとってみるとめちゃくちゃ分厚い…
でもあらすじを読むと、主人公・八雲の高校生時代の話みたいだし…
本編を最後まで読み終えてないけど、大丈夫だろう!
…と思って読み始めました。
しかし読み終えてみてちょっぴり後悔、、、
というのも「青の呪い」のエピローグで、本編シリーズのあとの描写が書かれておりまして…うん、まあ、そうなるだろうとは思ってたけど、やっぱりそうだよね!という感じのシーンで(なんのこっちゃ)気にならない方は気にならないと思うのですが、でも「本編シリーズのあとのことは、読み終わるまで何ひとつ知りたくない!!」という方は、「青の呪い」は本編シリーズ完読後に読むことを強く強くオススメいたします。
それでもどうしても読みたい!という方は、裏ワザとして、「青の呪い」エピローグだけ読まずに寝かせておいてもいいかもしれません。
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高校生の八雲の「八雲」節が物語最初から炸裂しており、特にChapter1冒頭の高校入学式シーンでの八雲の発言には胸がスカッとしました。
「青の呪い」は八雲の同級生である琢海が主人公の物語であり、しかも八雲シリーズには珍しく、主人公のひとり語りで物語が進行します。
最初、琢海周辺の人物関係を掴むまではややスローペースな読み進めになりましたが、そこがわかってからは先が気になって気になって、477ページという分厚さにも関わらず一気読みしてしまいました。
そして例のごとく、わたしの推理の外側に、真相がありました…(つまり推理がことごとく外れたということです…)
ただやはり、八雲本編の感想でも書いたことがあるのですが、女性目線で読むととてもつらくなってしまうエピソードが今回も含まれています。
物語を進めるためには必要なことなのかもしれませんが、八雲シリーズではこうしたエピソードが少なくないため、なんとかならないものか…と思ってしまいました。
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【余談】
心霊探偵八雲シリーズは漫画や映像化などのメディアミックス展開がされているシリーズですが、原作小説もまた、複数のレーベルから出版されているシリーズでもあります。
同じ装丁で集めたい!という方には、複数レーベルからの出版はなじめないかもしれませんが、複数のレーベルがこれらも存続できるよう、心霊探偵八雲というシリーズが各出版社を応援している、と考えてみるといいのかもしれません。
本編シリーズは完結となりましたが、外伝の出版は今後も有り得そうなので、とても楽しみです。
ちなみに講談社からもう1冊、八雲が登場する「魂の素数」という小説が2021年12月に発売されています。
こちらもまた、本編シリーズが完結したあとに出版された物語にて、本編シリーズをまだ読み終えていない身としては手に取る時期をいつにするか思案しています。
(本編シリーズ最終巻の文庫化発売は2022年5月予定)
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完結したと思っていたらまたシリーズ出ていた~。
八雲の高校時代の話。主人公は声に色がついて聞こえる共感覚の持ち主。事故で両親を失う不幸な過去あり。そして、同級生に八雲。八雲が尖ってて、でも鋭さと優しさはありました。一心さんや後藤さんも出てきます。最後に今の八雲も出てきました!
ちょっと大変だけど、シリーズ読破してから読んだ方が楽しいです。
今回の主人公、最初から色々画策しなければ良かったのにね。読んでいてあー、ダメダメって思うこと多かったけど、最後スッキリしました。八雲の声の色が変わったところがぐっときます。 -
心霊探偵八雲シリーズ番外編。サウンドカラー共感覚を持ち、人の声に色を見ることができる高校生・琢海。美術室の「呪われた絵」の噂を調べるうちに遭遇した殺人事件、そしてその犯人が憧れの先輩なのではないという疑惑を抱えた彼が出会ったのは、孤高のクラスメート斉藤八雲。青春の苦さと痛さと清々しさがいっぱい詰まったミステリです。
八雲シリーズを読んでいれば、犯人が幽霊とかいうパターンはないのが分かるし。しかしあの人が犯人というのはあまりに安直なので違うのだろうな、と思ったりもしましたが。それでも犯人にたどり着くことができませんでした。伏線はいろいろあったのになあ。私もいろんなものが見えていなかった……!
「見える世界が違う」ということで共通点を持つ琢海と八雲の関係性が印象的です。この二人なら親友になれたんじゃないか……あ、だけどまだ遅くはないんだよね。エピローグは素敵でした。そしてシリーズファンからすると、一心の登場が嬉しかったなあ。やはり彼は素晴らしいです。 -
突然の事故で両親を亡くした琢海は
病院でなぐさめてくれた少女と高校で再会し
呪われた絵と呼ばれる
学校の怪談を調べることに。
ところが呪いを証明するかのごとく
美術室で教師が殺害され…。
出版社違いの八雲シリーズ特別編。
主役は同級生の男の子で
八雲は狂言回し的に出てくる。
でも、ふたりの出会いがのちの八雲に
良い影響を与えたんだとわかって嬉しい。
あいかわらず私にとっては安定の読みやすさ。
霊が存在していても
生きている人間のほうが怖いのが
このシリーズの底に流れるポイントだね。 -
主人公家族が不器用な印象が強いが、それすら人間くささを引き立てている美点として感じるところ、特殊設定を活かした展開が面白かった。
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昨年シリーズ完結したと思ったら、早くも外伝的な作品が!今回は八雲の高校時代の話。
物語は、音に色を感じるサウンドカラー共感覚をもつ琢海が、“青い”声をもつ少女真希とともに、学校で噂される呪いの絵について調べるというもの。
八雲は琢海の同級生として登場し、メインではないけれど、その能力を活かして事件を解決へ導いていく。
中学生の頃(secret file絆)よりは少し丸くなってるけれど、まだまだ他人との関わりを避けている八雲。そんな八雲が自分と少し似た境遇の琢海に歩み寄り、友情(のようなもの)を育むところに、彼の成長を感じる。
琢海と真希の恋は爽やかだし、エピローグ、特に最後の一行がいい。高校時代“赤い”声だった八雲が
、一心さんと同じ“白い”声になったというくだり。自分を殺そうとした母親の想いや一心さんの死、父である雲海との関係など、色んなことを呑み込んで自分の中できちんと整理し、乗り越えた八雲の穏やかな心の内を表しているようで、本編を読んできた読者としては感慨深い。 -
いわゆるエピソード0もの。
高校時代の八雲。
事件解決としては伏線がたくさん散りばめられているものの、真犯人には辿り着けなかった(≧∀≦)
河本兄妹には、なんらかの罰を与えてほしかったな。 -
面白かったけれど八雲の出番少なかったのは残念
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シリーズ完結で卒業したと思ってたけど、これ買ってあったの忘れてた〜やっと読み切ったと思ってたのに。積読どんだけ多いの…。
年齢を経たせいか、八雲をはじめとするキャラに感情移入がしにくくなってしまってたので、読み始めるのがちょっとしんどくなってたんだけど、この作品は新たな登場人物の目線で進行するので、思ったよりはすんなり読めた。