鬼火(上) (講談社文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065239582

作品紹介・あらすじ

 ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
 その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
 恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。
 また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハースタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。
 一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。
 これら三つの事件(「元服役囚殺害事件」「裁判所判事暗殺事件」「ホームレス焼死事件」)が複雑に重なり合い、終盤の怒濤の展開は近年屈指の作品に仕上がった。

感想・レビュー・書評

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  • 今回もバラードとの共同捜査。
    リンカーン弁護士のハラ―も登場している。
    ボッシュも69歳。
    膝の不調で杖を使ったりしているがまだまだ元気。
    今のところ好調だが下巻でどうなるか。
    良いなあボッシュシリーズは。
    ロクでもない事件に出会うけど最後まで諦めずにコツコツとやるべきことをやっていく。
    物語だと分かっていながら元気づけられる。
    こういう読書が今の自分に合っている。
    下巻楽しみ。

    作品紹介・あらすじ
     ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
     その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
     恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。
     また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハースタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。
     一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。
     これら三つの事件(「元服役囚殺害事件」「裁判所判事暗殺事件」「ホームレス焼死事件」)が複雑に重なり合い、終盤の怒濤の展開は近年屈指の作品に仕上がった。

  • マイクル・コナリー『鬼火(上)』講談社文庫。

    マイクル・コナリーの33作目の長編で、ハリー・ボッシュ・シリーズの第22作、レネイ・バラード・シリーズの第3作、ボッシュ&バラードものの第2弾ということらしい。さらにはミッキー・ハラーも登場し、ハリー・ボッシュ、レネイ・バラード、ミッキー・ハラーの揃い踏みという何とも贅沢で非常に面白い作品となっている。

    かつて『現代最高峰のハードボイルド小説』と唱われたハリー・ボッシュ・シリーズは、警察小説と法廷ミステリー小説との融合小説に進化した。同時に、我らがヒーローの元ロス市警刑事のハリー・ボッシュも69歳となり、痛めた膝を人工関節に置換する手術を受け、リハビリをしているという事実に衝撃を受けた。我々は、ボッシュと共にそれだけ長い時間を過ごしたのだ。

    ボッシュが殺人事件担当の新人刑事時代にパートナーを組み、殺人事件の捜査の在り方を教えてくれた恩師である元刑事のジョン・ジャック・トンプスンが亡くなり、ボッシュは葬儀に参列する。ジョンの妻、マーガレットは亡き夫から頼まれていたとボッシュに1冊の古い殺人調書を託す。その内容は1990年に起きた元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトンがハリウッドの路地で後頭部を撃たれて死亡した未解決事件だった。ボッシュはこの未解決事件を捜査するべく、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていたレネイ・バラードに協力を求める。

    また、モンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判を担当するミッキー・ハラーに協力していたボッシュは、ハラーに自分が慢性骨髄性白血病にかかっているという驚くべき告白をする……

    この後、ボッシュが託された元服役囚殺害の未解決事件を中心にミッキー・ハラーが担当する裁判所判事暗殺事件、レネイ・バラードが関わるホームレス焼死事件の三つが複雑に絡み合う展開のようだ。

    定価990円
    ★★★★★

  • 面白い、下巻に期待。

  •  巻頭、コナリーからタイタス・ウェリヴァーに献辞が送られている事実に注目。Amazon Prime Video での"Bosh"シリーズが先般終了したのが、ドラマにはいつも原作者コナリーの名がテロップでアドヴァイザーとして見られることから、ドラマ化に伴い現代風にアレンジした設定の異なる中でも、ハリー・ボッシュという人間像や作品を貫くイメージは作者の想いの通り守られたのであろう。

     ボッシュは原作ではヴェトナム戦争帰還兵の年齢だが、ドラマではアフガン帰還兵となっているので、ほぼリアルに動いてきた作品年齢よりは、相当若い設定なのである。それでも、なのだろう。

     一方、こちら本の世界。作品とリアルタイム同期して年齢を重ねてきた定年後のボッシュは既に警察を引退しながら、現役警察官であるレイトショーことナイトシフトの夜勤捜査官レネイ・バラードとともに捜査を展開してゆく。警察官としてではなく元刑事の立場で物語に登場できる下地として、コナリー・ワールドにバラードという若き女性刑事は必要不可欠だったのだ、と今ではわかる。

     そのためにバラードという魅力的なニュー・キャラクターのデビュー作品『レイトショー』を先に晴れ晴れしく用意していたのだ。コナリーの作品世界も、彼らの活躍するハリウッド署管轄のエリアも生き生きとしたまま、実に存在感のある都会の坩堝として欠かせない舞台であるのだ。それらをそのまま生かし、シリーズキャラクターたちの日常は生き生きと続く。

     本書は二人のカプリング・シリーズとしての二作目でありながら、オムニバス映画のように、何と三つの事件をどれも同ボリュームで扱っている。三つのストーリーが独立しているようで噛み合い、偶然ながら絡み合うところも実は読みどころである。昼間のボッシュと夜のバラードという異なる時間帯に生活しながらの、二人の共同捜査というばかりか、ボッシュはOBであって捜査権がないというハンディを背負いながらという、免許を剥奪された私立探偵みたいなプロットがたまらない。

     かつてボッシュに刑事のイロハを教えたという恩師が亡くなったのだが、彼が持ち出していた二十年前の未解決事件の捜査ファイルを未亡人から預かることで、ボッシュの気持ちの入った再捜査がスタートする。また従弟ミッキー・ハラーの法廷にも被告側調査員として駆り出され、こちらもハラーともども真実への見事なアプローチを決めてゆく。バラードの取り組む殺人疑惑を匂わせた火災事件の真相ともども、二人が(時に三人が)タッグを組むことでさらに強力で新鮮味のある捜査活動を読むことが楽しくなる。

     いずれも都会に渦巻く人間関係と、その情感のはざまに切り込んでゆく二人の個性と、常にぶれのない彼らの生き様も頼もしい。例によって、安定の面白さとミステリーの見事さを披露して、完璧に近い作品に仕上げてゆく職人コナリーの芸術的切れ味が、本書でも安心して味わうことができる。

     この後に書かれているのがジャック・マカボイ&レイチェル・ウォリングのあまりに久々なシリーズらしい。ボッシュはハラーとの共演をさらに一作果たした後、バラードとの再演も一作用意されているのが本国での現状とのことである。ドラマが終わっても、まだまだ期待に胸が疼くコナリー・ワールド。職人の技に依存し、ただ待つのみ。

  • ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
    その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
    恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。
    また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハーシュタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。
    一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。

    しかしこの内容紹介は、詳しい。
    ハリー・ボッシュのシリーズとしては第22作。レネイ・バラードのシリーズとしては3作目。ミッキー・ハラーも登場し、実に盛りだくさんな展開を見せる。下巻に続く。

  • Amazonプライム人気ドラマ原作シリーズ。LAハードボイルド警察小説の金字塔。

  • 上巻で既に登場人物が多すぎる。
    優秀なハードボイルド作品なら10人程度だろう。3倍以上の登場人物には付き合い切れないな。
    また複数のストーリーを関連無く並行させるのも読む気を削ぐ。好きな作者だが離れさせるきっかけの作品となるだろう。

  • 2022/3/4読了。ロサンゼルス市警下の未解決事件を追うボッシュと凄腕女性刑事レイネ・バラード。三つの未解決事件が複雑に絡み合うか?下巻の展開に期待。警察組織の複雑な体質と人間関係。それでも果敢に挑戦する二人の個性派刑事には毎度のことながら熱い魂に感動する。

  • 3件の事件で登場人物が多すぎ。

  • ボッシュとレネイ、そしてハラーが活躍する作品です。

    ボッシュは、サンフェルナンド市警も正式に辞めたことになってんだっけ?いまは、無位無官のボッシュですが、レネイの協力で事件解決に取り組みます。

    そういえば、Amazon Originalに、ボッシュの映像化作品があるんですが、あちらは作品制作用の都合で原作よりも20歳くらい若く設定されているようです。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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