線は、僕を描く (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4688
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065238325

作品紹介・あらすじ

「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」
家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。第59回メフィスト賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • めっちゃ頑張って描いてたレビューが
    投稿前に消えてしまって
    心折れましたが、気を取り直して。。
    あぁ下書き機能がほしい。。。


    さて続編が出たということで再読
    読んだ本をすぐ忘れちゃうので
    新たな気持ちで読めましたー!

    こちらは水墨画の話

    なかなか馴染みのない水墨画ですが
    読んでいると絵の様子や
    描いている姿が目に浮かんできます
    素晴らしい表現力です


    主人公青山の気持ちも丁寧に描かれていて
    少しずつ心が溶けていく様子が伝わってきました




    この物語は出てくる人がみんな素敵です


    湖山先生はすっとぼけているのに
    キメるところはビシッときめてかっこいいし

    西濱さんの周りを和ます空気が素敵だし

    千瑛さんの情熱的で実は素直なところに
    読み進めるほど好きになります!


    翠山先生や斉藤さんのように
    言葉少なな人たちも
    魅力的に描けるのってすごいです!


    個人的には古前くんが結構好きで

    『彼はいつも斜めに向かって
    とても真っすぐな男なのだ』
    という表現が気に入っています(^^)


    こういう登場人物に魅力のある作品
    大好きです!!!



    常に自分の内側と向き合って
    水墨と向き合っている人たちが発するセリフは
    とても響くものが多かったです


    中でも

    できることが目的じゃない
    やってみることが目的なんだ

    という言葉はハッとさせられました


    自分も、子供達にも
    そんな気持ちでいろんなことに
    取り組んでいきたいと思いました


    映像化されてるんですねー!
    気になるなー!!!





    • どんぐりさん
      yyさん
      コメントありがとうございます(^^)

      ほとんど書けていたところ、
      ちょっと違う画面を開いてしまって
      戻ったら消えてしまってました...
      yyさん
      コメントありがとうございます(^^)

      ほとんど書けていたところ、
      ちょっと違う画面を開いてしまって
      戻ったら消えてしまってました(;_;)

      yyさんもあるんですね(TT)つら…

      横浜流星!ほう!
      清原さんは千瑛さんということですか?
      うーーん、なるほど。。
      もっと強気な女性のイメージだったけど
      演技力抜群の彼女なら
      なりきれそうですね!!!

      また見てみます(^^)
      2024/02/02
    • bmakiさん
      こんばんは。

      一生懸命書いたレビューが消える!わかります(>_<)
      私もそんな経験から、パソコンで書くときはメモ帳に、携帯で書く時は...
      こんばんは。

      一生懸命書いたレビューが消える!わかります(>_<)
      私もそんな経験から、パソコンで書くときはメモ帳に、携帯で書く時はメモに書いてからコピって貼り付けるようになりました(^◇^;)

      続編出ているのですか!?知らなかった。
      この本、本当にいい人ばかりで、こういういい人が出てくる物語が大好物です!

      続編絶対読まなくちゃ!
      2024/02/02
    • どんぐりさん
      bmakiさん

      なるほどー!
      メモ機能で書いたほうがよさそうですね(・・;)

      書くのに時間がかかるので、、
      次はメモ機能で下書きしてみま...
      bmakiさん

      なるほどー!
      メモ機能で書いたほうがよさそうですね(・・;)

      書くのに時間がかかるので、、
      次はメモ機能で下書きしてみます!!

      そうなんですよ!
      私も大好きです(^^)
      是非読みましょ!!
      またみなさんに会えるのがたのしみー!
      2024/02/03
  • まずコミックで、この作品を知り、是非原作をと思っていました。
    両親の突然の事故で失った青年が、喪失感と孤独感で生きる術をも見失いそうだった時に、水墨画と出会う。彼の中の空間を水墨の線が埋めていく。
    水墨画という、あまり接点が無かった世界を、とても魅力的に描いて、思わず読み込んでしまいました。画そのもの、絵師達の姿、具体的でイメージしやすい表現に驚いていましたら、作者さんは水墨画家ですか!ちょっと反則では?まあ、お医者さんも弁護士さんも書いてくるんだから、もうどの世界からでも、書いていただければ読ませていただきます。
    薔薇も蘭も目に浮かぶようでしたが、読後、たぶん作者さん本人と思われる「線は僕を描く」と題するYouTubeでの作画風景を見つけました。主人公が出品した「菊」のイメージと思う作品です。描かないところの存在感で、圧倒的です。
    水墨画について素敵な表現が散りばめてあります。是非読んでご確認くださいね。

    • おびのりさん
      軽い硯はプラスチックみたいですよ。
      軽い硯はプラスチックみたいですよ。
      2023/06/23
    • どんぐりさん
      おびのりさん

      こんにちは

      作者さんは水墨画家だったんですね!!
      初めて知りました!

      YouTubeもあるなんて…!!
      これは見なければ...
      おびのりさん

      こんにちは

      作者さんは水墨画家だったんですね!!
      初めて知りました!

      YouTubeもあるなんて…!!
      これは見なければ!!

      教えて頂きありがとうございます(^^)
      早速見てみます!
      2024/02/02
    • おびのりさん
      どんぐりさん、コメントありがとうございます。
      小説も墨絵も素敵な作品ですよね。
      最近、皆さんの本棚に続編が登録されてきて、気になっているとこ...
      どんぐりさん、コメントありがとうございます。
      小説も墨絵も素敵な作品ですよね。
      最近、皆さんの本棚に続編が登録されてきて、気になっているところです。
      私は図書館利用がほとんどなので、人気作は、かなり遅れてしまいますがぜひ読みたいと思います。
      レビュー楽しみにしています。
      2024/02/02
  • 何となく展開が読めてしまい、さらーっと流し読みしてしまった。湖山先生との出会いから水墨画を習得していく過程が出来すぎてるなと感じた。

  • 映画がとても良かったので原作を読みたくなり手に取った一冊。
    家族を失ってしまい心に色がなくなってしまった青山は
    偶然バイト先で水墨画の巨匠、篠田湖山と出会う。
    その出会いは偶然なのか、必然だったのか・・・
    青山は水墨画と水墨画を取り巻く人たちと出会うことにより、
    自分自身の心と向き合っていく・・・
    原作と映画は少し異なる点もありましたが、
    どちらも本当に素敵な作品でした。
    水墨画の知識がなくてもスラスラと読めます。
    そしてとにかく登場人物全員が優しい。
    生きていく上で辛く哀しい出来事もあるけれど、
    不幸だと思ってしまう時もあるけれど、
    一度立ち止まって周りを見渡すと、
    もう会えないけれど遠くで見守ってくれている人、
    すぐ傍で気にかけてくれる人、本気でぶつかってくれる人、
    たくさんの人が自分の周りにいてくれると気づけた瞬間、
    幸せなんだと思えるのではないかなと。
    乗り越えていけるのではないかなと思える作品でした。

  • 少年マガジンに連載されてて、ええ感じや〜っと思って、小説も(^-^)v

    水墨画なんて、ほぼ知らん。
    でも、この作品では、凄いのが分かる。
    これは、作家さんの筆力が凄いんやろな。他の作家さんでも、クラッシック知らん私が凄いのが分かる作品あったし。

    あくまでも、水墨画は、題材であって、両親を亡くした青山くんが、それを乗り越えて成長していくのが主なんやろね。
    師匠である湖山先生にしても、主目的は、この青年を前に進ませる事。こんな人に巡り会えたのが、青山くんにとっては幸運。個人的には千瑛ちゃんに巡り会いたいけど(^◇^;)
    湖山先生は、自身と同じに見えた青山くんを前に進ませたいだけ、その方法が自分には水墨しかなかった。ただそれだけ…
    しかし…絵を観ただけで、想いが分かるとか、どんな感じかは分からん…
    一度、湖山先生に話を聞いてみたい!
    そういう、何というか、才能というか、天才的なのに憧れはあるけど、これっぽっちもない…(^^;;

    生きているその瞬間を描くことこそが、水墨画の本質なのだ〜

    青山くんが、これから水墨画に進んでいくと、どんな師匠になるのか…楽しみ!

  • 水墨画を学ぶことになる主人公の大学生の青山霜介。『花に教えを請いなさい』という湖山先生の言葉が印象的で、今も心に残ります。この物語の始まりから終わりまで圧倒的な熱量で描かれていて、まさに水墨画一色だった。霜介が水墨画と向きあう姿がひたすらに描かれていて、未知だった水墨画の世界をより身近に感じることができ、読了後は魂が揺さぶられるように胸が熱くなりました。水墨画を通して命の意味を、生きていることの意味をも知る。地の文が緻密で、繊細な心理描写も魅力的で非常に読み心地がよくて、心奪われます。

  • すごく読みやすくて端的な言葉を選んで書かれているのに、その奥の深いところにある感情が痛いほど伝わってくる。そんな作品でした。

    作者の方は実際に水墨画を描かれる方とのこと。だからなのか、文章なのに、眼の前で実際に水墨画が描かれているようななんとも言えない臨場感があります。そう意味ですごい作品だと思う!

    また、絵を描くときの感覚や対象との向き合い方など、実際に描く方だからこその目線で書かれているので新鮮でした。これも一種のお仕事小説かも?

    この本を読むことで、水墨画の世界にもっと触れたくなる人はたくさんいそう。見る、だけじゃなくて描く、の方でも。

    家族を失って生きるエネルギーをなくしてしまった青年が、水墨画の世界を通して生きる意味を知るお話。

    芸術も突き詰めると哲学みたいになるんだなぁ。とても良い本でした。

  • 湖山先生の「水墨というのは森羅万象を描く絵画だ」という言葉が印象的でした。
    両親を交通事故で亡くし、心が真っ白になっていた霜介ですが、水墨画と出会い、表現するとは何かと考え、描いていきます。

    水墨画の描き方や表現の仕方、描き手の心情が丁寧で繊細に描かれていてすごいなと思いました。
    ゆっくりと水墨画を見たことがないので、見る機会があれば、ゆっくりと水墨画の作品を見たいです。

  • 知り合いが原作も映画もオススメしていたから読んでみた。人のオススメは素直に読んでおくべきだなと痛感した。
    両親を交通事故で亡くした主人公が、ひょんなことから水墨画の世界に足を踏み入れる。
    まったく水墨画の知識がなくても問題なし。作者の描写力が高くて、描かれていないはずの作品が頭に浮かぶ。特に千瑛が描く花は想像しやすくて、とても素敵だった。
    主人公がこんなに短期間で水墨画の賞を取れるのはフィクションだなぁと思うけど、いいんです。フィクションだもの。
    そして何より驚いたのは、作者が水墨画を描く方で、この作品がデビュー作であるということ。
    芸術家的なセンスがありすぎて、もはや嫉妬。とても洗練されていて、分かりやすく、かつ流れのある読みやすい文が書けるのって、本当にすごい。
    映画も必ずチェックしたい!そして水墨画を見てみたい!

  • ずっと積読だった作品。
    その時から書名に少し疑問がありました。
    線は、僕を描く
    どういうことかな?と思っていました。

    主人公は大学の法学部に籍を置く、青山霜介。
    展示会のアルバイトで水墨画の巨匠・篠田湖山と出会った。
    そこから霜介は水墨画を通して自分と向き合っていく。
    ひたすら線を描く。
    ひたむきに描く。
    そして、作品を生み出す。
    主人公の霜介が失っていた感情を線を描くことで恢復していく様子を読んでいて、これは「生」の物語だと思いました。
    水墨画という作品がどのように生み出せれ描かれているのかも知ることが出来ました。何より、水墨画を描かれるシーンが細部まで書かれていて、筆の動き、墨の濃淡、体の動きが容易に想像できるくらい素晴らしい表現でした。そして、書名のことも解りました。
    水墨画の奥深さと迫力の中に霜介の「生」が描かれていて涙なしでは読めませんでした。
    是非、続編を読もうと思います。

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著者プロフィール

1984年生まれ。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作は、2019年ブランチBOOK大賞受賞。2020年度本屋大賞第三位に選出された。

「2021年 『7.5グラムの奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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