黄昏の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065236857

作品紹介・あらすじ

「ね、遊んでよ」謎の言葉に殺人鬼の影が!
“囁き”シリーズ待望の第3弾!甦った幼き日の恐るべき記憶とは?

兄急死の報に帰郷した医学生翔二は、元予備校講師占部の協力で、“事故”の真相を追い始めた。「ね、遊んでよ」謎の“囁き”に異常に怯える兄の幼馴染みたち。やがて1人また1人と殺人鬼の魔の手が伸びるなか、彼の脳裏に幼き日の恐るべき記憶が甦る。異長編推理“囁き”シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 新装改訂版で再読。
    館シリーズとは違い、ホラーミステリな囁きシリーズ。雰囲気はAnotherに似ている。正確に言えばAnotherが似てるのかもしれないけど。

    15年以上ぶりに再読。読みやすい。ただ、特に黄昏の囁きは他の囁きと比べても小粒。凄くハラハラするわけでもなく、じっとりと霧の中を歩いているような感じがする。登場人物も少なめのため、犯人はすぐにわかるかも。
    (失礼かもしれないけど)重めな小説の間に挟むと丁度いいかもしれない。

    改訂前の天野可淡さんの表紙、祥伝社のきたのじゅんこさんの表紙に続いて、改訂版の表紙もグッド!
    祥伝社版の表紙が好きで、ジャケ買いしたのはいい思い出。

  • ミステリともホラーともとれる小説。
    初めは弟の二重人格もしくは幻聴を聴いてしまう類いの病かなと予想していました。
    でもまさかの友人母の犯行だったとは、、。
    個人的にお年寄り=子どもに引っかかりましたが、
    大変面白くぞくぞくしました!

  • 前2作に比べて控えめな舞台設定だと書かれていたが、雨の中バイクに乗って右往左往する2人は臨場感があり読んでいて楽しかった。

  • どんでん返しとまではいかないけど犯人は意外な人だった

  • 囁きシリーズ3作目。
    正直緋色が色々パンチ強すぎて後2作は印象薄め^^;
    でも得体の知れないものがじわじわ迫ってきていつ襲われるかって恐怖は計り知れないしそこはホラー感強めでゾクっとした…

    犯人予想外。
    実の父を殺すなんてと思うけど、介護疲れで虐待したりネグレクトしたりは実際問題あるわけだからその延長かと思うと世知辛いというか遣る瀬無いというか……春海が狂ってたのは事実だが。

    解説にあった次作「空白の囁き」も楽しみ。

  • 囁きシリーズの第3弾ということで、前作、前々作のような耽美なおどろおどろしさ、というかホラー感を期待してたんだけど、割と普通のミステリーみたいな感じで肩透かし。子供のころの記憶がカギになるってのが、少し変わったところではあるけど、似たような話はわりとあるしな...
    犯人の動機もちょっと唐突感ある。

  • 円く切り取られた過去の記憶。 五つの赤い影。 サーカス小屋の子供。 
    兄の死をきっかけに思い出す幼少の記憶。 3人の兄の旧友たち。 「ね、遊んでよ」と輪に入ってきたもう一人・・・。 

     囁きシリーズの第三作。 緋色では魔女、暗闇では双子という存在が幻想的に怪しく描かれているが今作は非常に現実的なお話である。 兄が何者かに殺されてしまうことから物語は始まり、それを兄の予備校の講師だった占部とともに調査していく。 幼少の記憶をたどり、15年前のサーカスが訪れた間に何かが起こり、自分はそれを傍観していたことに気付く。 この過去の記憶がノスタルジックで黄昏という表現がぴったし当て嵌まっている。 幼かった故に欠けていたパーツが揃ったときに驚愕の真相が浮かび上がってきた。

  • 兄の死をきっかけに、過去の記憶から囁き( )が割り込んでくる。その情景が思い出せず、モヤモヤした気持ち悪さ。前2作に比べて、囁きは少なめ?
    犯人は……全くわからなかった。

  • 新装改訂版ということで、時代は昭和から平成初期。主人公と行動を共にする元予備校講師の占部は、おそらく私と同年代。たばこの煙や新聞紙、電話機など昔をほうふつとさせる情景が懐かしい。

    であるが…。最後に犯人の動機が明らかになるが、インパクトは弱い。納得できないのだ。ただ、妄想が悪化したための行動、といった表現も見受けられるので許容範囲か。次々と殺される20代男性たちが抵抗できないほどの力があったのか…、いや、恐怖が彼らの動きを止めたと言えようか。

    ページ下部に映し出されるカッコ書きの台詞が怖かったな。視覚効果については面白いアイデアだと思った。

  • 今作はホラー要素が薄くてミステリ要素が強いのでサラッと読めました。

    囁きもそんなに多くで出来ませんでした。
    ただ注意深く読んでいても犯人の正体・囁きの主の正体は一切わかりませんでした。わかる人いるのかな…?
    認知症だった祖父の介護を経験した身として、動機にはグサッと刺さり読んでいて辛かったです。

    真相の物悲しさとまだ救いがあるようなラストに少し救われました。

    綾辻さんの頭の中にあるという幻の4作目。いつか読めますように。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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