天子蒙塵 1 (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065228203

作品紹介・あらすじ

中国、清王朝最後の皇帝・溥儀とその妻と、もう一人の妻。
王朝の終焉に立ち会った3人は、どこまでも高貴で、あまりにも孤独だった――

浅田次郎のライフワーク、
「蒼穹の昴」シリーズ、第5部ここに開幕!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ5作目。
    溥儀が満州国の皇帝になるまでが描かれています。
    前作「マンチュリアンレポート」をはじめ「中原の虹」や「蒼穹の昴」から随分間が空いたので、人間関係や相関が忘却の彼方でした。
    自分のレビューやググってようやく思い出したところ多々あります(笑)
    登場人物多くて、ストーリが追いきれません。
    前作含めて、じっくり、あいだ開けずに一気に読まないとだめです(笑)

    第一巻は
    張作霖爆殺から5年後の物語。張学良はイタリアへ。
    そして、溥儀とその家族は紫禁城を追われ天津租界へ。そんな中に溥儀と離婚をした側妃の文繍との物語。
    主な語りは文繍です。
    離婚に至る経緯を記者の北村と李春雲(春児)に語ります。

    世の中を何もしらず、王朝再興を夢見る溥儀。
    善意、悪意を知らず、溥儀の立場が利用され流出する資産。
    正妃・婉容との確執。
    婉容はイギリスへの亡命を望むがかなわず、壊れていく婉容。

    そして、自由を求めて離婚を成立させた文繍。

    本当かどうか分かりませんが、文繍の語る麻雀牌のうんちくが残りました。
    麻雀牌の一索が孔雀の柄の理由。
    萬子はお金、筒子は貨幣の形、索子はお金を束ねる縄。けれど、一索は自由を奪われた孔雀
    とのこと。

    なんとか内容についていくことができますが、かなり、つらい。
    やっぱり、前作をしっかり読んでからじゃないと厳しいです(笑)

  • 一気に読んだ。『蒼穹の昴』から通して読んでいると、出てくる人物に嬉しさと悲しさのどちらも感じる…。新しい人物も魅力的で良い。
    フィクションだと分かっていても臨場感ある作風に魅せられる。

  • 一気に読み切ってしまいました。何故あんまり評価が高くないのかわからないくらい、とにかくひたすら面白かったです。

    蒼穹の昴シリーズも11巻目に来ました。この、一人の女性が語る話の運び方が本当にわかりやすくて面白くて、今のところシリーズ内で一番好きです。
    「女性の本性は政治ではなく、真実の愛を求めること。老仏爺が教えてくれました」という台詞があって、それは傷ついた文繍には癒しだったかもしれない。でも、どうしても生きることは政治に繋がってしまう。貧しくとも読み書きができなくともという話なのかもなと思いました。自分の運命は絶対に変えられるのだと。

    "でも、これだけは言える。神と悪魔はけっして対峙する存在ではなく、ひとりの人格の、あるいは一つの国家の併せ持つ、ふたつの貌だということ。"

    "国家にも人間にも善悪はないと思います。みずから善行と信じたものが、他者にとっては悪行となるだけです。"

    どちらも納得のいく言葉でした。

    史上初、中華皇帝と離婚した皇妃、文繍が歳をとった春児と朝日新聞記者で史了の早稲田の教え子、北村記者に紫禁城を追い出されてから「満洲国」に至るまでに何が起こったのか、家族とは何か、離婚によって得られる自由とは何かを語る話。

  • 蒼穹の昴が忘れられず、辛い事があるとこれを読み返し、号泣してスッキリすると次に進み、このシリーズの張作霖の生き様に感動しつつ、懐かしい人達の登場にワクワクしてまた、読み返す
    私の人生の一冊というか最大の本がこのシリーズです

  • 浅田のこのシリーズだが、「語り」で構成するのは、少し読みにくいように感じる。

  • 1巻は、溥儀の第2夫人の文繡の語りで進む。

    浅田センセの本気の(?)日本語はものすごく美しいなぁ。

    懐かしい面々が登場してうれしい反面、史実の無念な結末に進むのが何とも・・・。

  • 冒頭は蒋介石に軍を禅譲してイタリアへの船上の人となる張学良。

    袁世凱、孫文は既に退場し、中華民国は成っているが、革命勢力、張作霖、日本軍の睨み合いの中で溥儀の王室は生き永らえている。
    以前は英邁な皇帝と王妃として語られていた溥儀と婉容、第2夫人の文繡から語られる姿は憐れで哀しい。天津での散財も皇帝は金の意味を知らないから、散財とも認識できない。タイトルの蒙塵の言葉が沁みる。

    張作霖からの提案を決断できない溥儀。こういう可能性もあったんだろうか。

    張学良の登場シーンは少ないが、プレイボーイの浮名も伊達じゃないカッコ良さ。

    梁文秀も再登場したが、物言わぬ春児の変わらぬ誠意が懐かしい。

  • 清朝最後の皇帝・溥儀が、満洲国の皇帝になるまでを描く「蒼穹の昴」シリーズ第五部!

  • 前シリーズより登場人物の魅力にかける部分は否めませんが本としての面白さは相変わらずです。

  • 蒼弓の昴から読んでるシリーズですが、うーん一巻だからかなぁちょっと何が言いたいのかよくわからない…。相変わらず名前の読み方が覚えられなくて、ルビふってる箇所まで度々戻ってまたこんがらがる。二巻にいく前に再読した方がいいかなぁ。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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