畏修羅 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065216910

作品紹介・あらすじ

畏怖をもたらす”女”がそこにいた。
仙龍の呪いを解くべく長野を出た春菜に待ち受けている運命とは――!

シリーズ10万部突破! よろず建物因縁帳シリーズ第8弾!

感想・レビュー・書評

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  • 心臓バクバク。

    春菜の会社内で連日見つかる絡みついた黒髪。そして始まる連続不審死事件に背筋は凍りつく。

    とにかくこの怨霊、本気度が凄まじい。

    その凄まじい怨みを浄化させることができるのか…あんな奴でもという仙龍たちの団結した思いにうるっときた。

    匣、刻一刻と迫るあの日、ついに迎えた瞬間、最高に心臓はバクバク。

    和尚の力量にもすがる思いでいっぱい。

    良くも悪くも人の思いのチカラなるものを感じた。

    仙龍と春菜にも心臓はバクバク。

    わけもなくこちらまで涙が…。

    因縁を断ち切る春菜の本気度からもますます目が離せない。

  • 内藤了『畏修羅 よろず建物因縁帳』講談社タイガ。

    シリーズ第8弾。今回はやたらと怖いストーリーなのだが、シリーズ最高傑作と言って良いくらいの快作だった。心を踏みにじられた女性が怨霊に変わり、復讐を果たそうとする鬼気迫る描写に震えた。

    主人公の高沢春菜が勤めるアーキテクツに高慢な手島常務が来てから、怪異が始まる。社内に長い黒髪が見付かり、不気味な人影が徘徊する。かつて妻子ある手島が浮気して捨てた女性が怨みを晴らそうと手島の周囲に現れ、次々と手島と関係のある女性を呪い殺す。

    仙龍と春菜は生臭坊主の雷助の力を借りて、凶悪な怨霊との対決を試みるが……

    本体価格720円
    ★★★★★

  • 気づけば今月だけで同シリーズ4冊を読了、本作がシリーズ第8弾です。

    本作は建物に憑く怨念を曳くのではありません。

    人の怨み、その思いの強さは人を鬼と化す。

    怨みを抱えたまま自らの命をたった佐藤伽耶、成仏することも出来ず彼女はただ自分を裏切った手島への復讐とし共に未来永劫地獄の業火に焼かれようとする。

    前作で春菜が仙龍を救うべく隠温羅流の過去を調べることを決意し、本作もその為にコーイチと共に出雲大社を訪れる姿が描かれますが、そこからは一気に伽耶を救うべく伽耶と対峙するストーリーへと流れていく。

    人の思い、怨み、その強さは時に死してなお本人をも苦しめ続ける。

    しかし、そんなストーリーの中でも少しずつ隠温羅流のルーツが解き明かされていく気配を残す。

    そして春菜の胸に現れた痣。

    どんどんクライマックスへ近づいていく感が寂しさを増しますが、積読は本作で終わってしまいました。

    シリーズ最新作となる「蠱峯神」、近日中に手にすることになると思いますが、それまでの間は違う積読を読むとします。



    説明
    内容紹介
    恨みに変ぜし雪女の恋心が怨神を呼び覚ます。

    祓い師・仙龍と想いの通じた春菜は、霊場・出雲へと向かう。
    建物にまつわる怪異譚10万部突破!

    ☆☆☆


    葬儀に訪いし白装束の女は、にたりと笑って掻き消えたそうだ。

    春菜が勤めるアーキテクツに異変。
    連日見つかる絡まった黒髪や不気味な人影の怪は、連続不審死事件に発展する。
    色男だが高慢なエリート・手島を守るため、仙龍は奇怪な”匣”を用意する。

    一方、刻々と迫る仙龍の死を止めたい春菜は隠温羅流の深淵に迫る。
    手がかり潜む出雲で異形の瘴気を背負った女と出会うが――。
    内容(「BOOK」データベースより)
    葬儀に訪いし白装束の女は、にたりと笑って掻き消えたそうだ。春菜が勤めるアーキテクツに異変。連日見つかる絡まった黒髪や不気味な人影の怪は、連続不審死事件に発展する。色男だが高慢なエリート・手島を守るため、仙龍は奇怪な“匣”を用意する。一方、刻々と迫る仙龍の死を止めたい春菜は隠温羅流の深淵に迫る。手がかり潜む出雲で、異形の瘴気を背負った女と出会うが―。
    著者について
    内藤 了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』(角川ホラー文庫)、『スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁』(祥伝社文庫)がある。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    内藤/了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 今回は吉備津の釜のような物語(ほぼママかな)
    くずのような人間というのはいるもので、先日まで「誓願」を読んでいた私には笑えないなぁと。

    でも、いつも通り面白いですよね。しっかりと資料も当たっている作品は読んでいて楽しい。
    続きが楽しみだなぁ。

  • シリーズ8作目、ついに隠温羅流の呪いに迫る!なんやけど、怨霊対決に。この怨霊がめちゃくちゃ怖い、いや悪いのは彼女を怨霊にしたクズの専務なんやけど、とにかくゾッとする。こんな奴、って思うけど自分が穢れるからと腰を上げる面々の考え方が好き。見習わないと。

  • 因縁帳シリーズ⑧
    ここまで読むと登場人物たちに情が湧いてきて、より一層面白く読める。
    何気に棟梁がカッコ良くて好き。

  • 何だかいつもと趣向が変わった気がする。

    春菜の会社の相談役として来た胸糞悪いオッサンの愛人が己の髪を毟りながら呪いを掛け自殺した。その呪いで妻ともう1人の愛人が死んだ。彼女はあまりの怨念で鬼と化してしまうのだろうか。

    今までで1番怖い女の怨念だった気がする。

    そして仙龍の因縁も謎のままだし。

  • 怖かったー。
    のっけから怖い!女の髪の毛はどーしてこーも怖いのだろうか。
    隠温羅流の因縁がわかるかと思いきや「吉備津の釜」は怖い!イソラは怖すぎる。
    手島はほんとにパグ男が可愛く思えるほどに、人として最低で、伽耶に本懐を遂げさせてあげたいと思う。
    でも因縁や縁が円になるとか思うと、伽耶を助けるのも納得。
    恐ろしい怪異に紛れて、印象が薄くなったけどついに仙龍がきちんと自分を気持ちを春菜に伝えたのが、キュンとした。

  • 長坂先生以上にむかつく男が出てくるとは思わなかった。
    怪異に入られないようにするために、建物を回し続けるという発想が面白かった。
    伽耶、という名前で某ホラー小説思い出す。

  • むむむ…まさか、ホラーを読んで涙するとは!!

    自分の能力を超えてまでも、頑張る女の子は大好きです❤︎

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著者プロフィール

2月20日生まれ。長野市出身、在住。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年、日本ホラー小説大賞読者賞受賞作『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』でデビュー。ほかの著書に『ON』につづくシリーズの『CUT』『AID』『LEAK』『ZERO』『ONE』『BACK』『MIX』『COPY』『BURN上・下』、スピンオフ『パンドラ』『サークル』『OFF』、「東京駅おもてうら交番・堀北恵平」シリーズ『MASK』『COVER』『PUZZLE』『TURN』など著作多数。

「2023年 『LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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