はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065215845

作品紹介・あらすじ

私たちはまだ、「自由」を知らない――。
覆される常識の先に、ありえたかもしれないもうひとつの世界が浮かび上がる。
気鋭の哲学者による、心揺さぶる倫理学(エチカ)入門。

★現代人の「思考のOS」を書き換えるスピノザ哲学のエッセンス★

□すべての個体はそれぞれに完全である。
□善悪は物事の組み合わせで決まる。
□「力」こそ物の本質である。
□自殺や拒食の原因は人の内側にはない。
□一人ひとりの自由が社会の安定につながる。
□必然性に従うことこそ自由である。
□自由な意志など存在しない。
□意志は行為を一元的に決定しない。
□真理の外側に真理の基準はない。
□新しい主体のあり方が真理の真理性を支える。

*「NHK 100分de名著」『スピノザ エチカ』に新章を加えた増補改訂版*

[目次]
はじめに
1. 組み合わせとしての善悪
 1)スピノザとは誰か
 2)哲学する自由
 3)神即自然
 4)『エチカ』はどんな本か
 5)組み合わせとしての善悪
 6)善悪と感情
2. コナトゥスと本質
 1)コナトゥスこそ物の本質
 2)変状する力
 3)多くの仕方で刺激されうる状態になること
 4)コナトゥスと「死」の問題
 5)万物は神の様態
 6)神は無限に多くの属性から成る
 7)コナトゥスと社会の安定
3. 自由へのエチカ
 1)「自由」とは何か
 2)自由の度合いを高める倫理学
 3)自由な意志など存在しない
 4)行為は多元的に決定されている
 5)現代社会にはびこる意志への信仰
4. 真理の獲得と主体の変容
 1)スピノザ哲学は「もうひとつの近代」を示す
 2)真理は真理自身の基準である
 3)真理と向き合う
 4)物を知り、自分を知り、自分が変わる
 5)主体の変容と真理の獲得
 6)AIアルゴリズムと人間の知性
5. 神の存在証明と精錬の道
 1)懐疑の病と治癒の物語
 2)真理への精錬の道
 3)精錬の道は自ら歩まねばならない
 4)対話相手としてのスピノザとデカルト
おわりに

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ夏川草介さんの『スピノザの診察室』がとても面白かったので、他のも読んでみたいな〜と思って手に取りました

    ってそっちかーい!
    スピノザの方に広げるんかーい!っていうね

    これが書きたかっただけだろ!って?
    失礼な!こんな小さな笑いのために一冊読むようなまねしませんよぼかぁ!

    いやほんとほんと
    ほんとにスピノザに興味持ったんです
    純粋な気持ちです

    で、図書館でパラパラっとスピノザの著作をめくってみたんですが、ちょっと難しそうだったので、題名からして入門書感バリバリのこちらを
    國分功一郎さんて聞いたことあったし

    結果大正解!すごく分かりやすく面白かったです

    内容はね、めんどくさいんで書きませんけどね

    「哲学」なんてねどうしょうもなく分かりづらいのよ、世知辛いのよ
    とっても分かりやすいうえに思わず膝を打つ話も多かった

    繰り返しになりますけど内容は書きません

    けどね

    夏川草介さんを読んでスピノザに興味を持った人が手にする最初の一冊としては超絶オススメです!ってことが伝えられればいいのかなと思うのです!

    そうです!我思う、ゆえに我ありです!
    ってそれデカルト!

    • 1Q84O1さん
      えぇ〜っとですね
      デカルトはフランス生まれの哲学者、数学者
      合理主義哲学の祖であり、近世哲学の祖として知られる
      です!
      えぇ〜っとですね
      デカルトはフランス生まれの哲学者、数学者
      合理主義哲学の祖であり、近世哲学の祖として知られる
      です!
      2024/02/12
    • ひまわりめろんさん
      コピペ感しかないわ!
      コピペ感しかないわ!
      2024/02/12
    • 1Q84O1さん
      ウィキペディア便利っす!
      ウィキペディア便利っす!
      2024/02/12
  • 「あなたへのおすすめ」のなかに、本書の著者である國分功一郎氏の最近の本の名前が挙がっていたので、その前に、有名と思われるこの本をまずは読んでみた。

    スピノザという17世紀のオランダの哲学者のことは全く知らなかったが、著者による解説を読む限り、とても魅力的な説に聞こえる。
    「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」というキャッチコピーも秀逸。

    とある漫画の、炭素の代わりにケイ素が生命の主要材料として使われる、もうひとつの「ケイ素生態系」を、ふと思い出した。

    P5
    やや象徴的に、スピノザの哲学は「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」を示す哲学である、と言うことができます。

  • 平易な語り口で 著者20年の研究「スピノザ哲学」入門を
    書いてくれていますが、それでも難解でした。
    デカルトが唱えた哲学を発展させ、近代思想・西洋哲学はずーっと
    エヴィデンスを必須とする思考回路を発展させてきた。ところが、デカルトを批判したスピノザ哲学には 「人類が選ばなかったほうの近代思想」の
    まだ見ぬ姿があるかもなのだよ、となんとも魅力的な看板が
    著者によって掲げられましたが、
    そこに期待しつつ読み進めても、書いてあることは結局
    私の理解できるものではなかった。。。
    においすらしなかったよ泣

    新世紀エヴァンゲリヲンにて、
    人類が選んだ知恵の実 以降の人類の酷で不安で
    戦闘&排除に駆り立てられる宿命は
    決して回避/解決されることなく、
    生命の実 を受け継いだ存在を決して
    理解できない、戻れないしやり直せない、
    って話に近い結論なのかなあ。
    モヤモヤ。

    選ばれなかったスピノザ哲学は 
    オワコンなのでしょ? 人類が捨てた選択肢でしょ、
    それだけのことでしょ?と終始
    モヤモヤ思いながら読み終えました。

  • めちゃめちゃ分かりやすいしおもしろい


    *自由について
    たとえば今日ぼくはテニスをしたけど、それは自分が今いる会社に入ったからで、というかそもそもテニスができるからで、でもそれはそもそも○○なのが原因で、あのときだれだれにこういわれたからで、じゃあそれはそもそも、、とたどると、(テニスに限らず)文字通り自分の"全て"の意志が宇宙的な因果関係に回収されて消え入りそうな気持ちになるんだけど、、

    そうやってあれこれ考えてる自分の"意識"は確かに自分のものとしてあって、絶対的ではないんだけど影響力を持っている。と、アンカーをしっかり落としてくれてなんとなく腑に落ちる


    *神について
    スピノザが考える"神"の定義が、いままで聞いたどんな神さま云々の話よりしっくりきた。それは実在する、しないというよりかは、定義付けとか、世界への視点の変え方、みたいな話で受け入れやすい


    國分さんの本とにかくわかりやすいのでもっと読もうと思いました

  • 例えば、腕なら可動域の範囲で動ければ自由、腕の自由とは360度動くことではないように、なんでもあり、の状態が自由というわけじゃない。

    なぜ今17世紀のスピノザ?という問いには、17世紀は近代社会の基礎(OS)が選択された時代、デカルトが選択された側、スピノザは選択されなかった側だけど、もし、スピノザ的倫理学を近代社会の基礎に置いていたら、今の社会の見え方が全く違ってくるかもね?というお話。

  • スピノザを扱った本としては例外的に読みやすいのではないだろうか?近代とは思考のOSが異なるというその本質が飲み込めたような気にさせてくれる。コナトゥス、自由、変状など、確かに身の回りに当てはめても説得力のある解説だと感じた。

  • デカルトとスピノザの思想の関係が、やさしく的確な言葉で整理されていてありがたい。また、本質を形ではなく力として捉えなおすという視点は、ニーチェやフロイトにはじまる理性批判の流れを見通しやすくするものだと感じた。

  • 岩波文庫のキャンペーンで「エチカ」が対象になっていたので、コレを読む前に解説本としてこれを読んだ。

    まず薄くて良い。解説もわかりやすい。このままエチカを読んでみる

  • 自分がいまいる場所でどのように住み、どのように生きていくか。を考える。

    自身の性質、置かれた環境でうまく力を発揮すること。自身のみによって行動を決定すること。

  • これだけで読んでもとてもおもしろいし、これだけでも大丈夫なように書かれている本だと思った。とはいえ、ちゃんとエチカないしスピノザを読みたいなという気持ちにめっちゃなった。

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科准教授

「2020年 『責任の生成 中動態と当事者研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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