怨毒草紙 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065201305

作品紹介・あらすじ

仙龍の因縁を追う先に待ち受けていたのは――正体不明の草紙だった。

よろず建物因縁帳シリーズ第7弾!

感想・レビュー・書評

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  • 怨み、毒の文字が突き刺さる一冊。

    シリーズ第七巻。

    今回はお堂を曳いた後に怪異が始まったという寺が舞台。

    血、怨み、毒、情念、鬼、鎖といった、おどろおどろしさ漂う文字が目に突き刺さる、人の負の念に圧倒された巻でもあった。

    そんな中での小林教授の語り口、太陽を思わせるコーイチの存在が一服の清涼剤。

    人の怨み、残酷さを嫌いつつも惹かれるという人の心理が興味深い。

    曳きの儀式の空気がはりつめる瞬間も今回はいつも以上に感じられた。

    自分の心に向き合う春菜の姿、決意も読みどころの一つ。

    いよいよ動き出す次巻にさらなる期待が高まる。

  • 内藤了『怨毒草紙 よろず建物因縁帳』講談社タイガ。

    よろず建物因縁帳シリーズ第7弾。曳き屋・仙龍と春菜のコンビが過去からの因縁と怪異に迫る。そして、42歳の死期が迫る迫る仙龍にぞっこんの春菜の恋の行方は……

    持仏堂を曳いた後、幽霊や狼が目撃されるといった怪異が起きる東按寺。怪異の原因を調査する春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する……

    物語に余り進展は無く……

    本体価格690円
    ★★★

  • シリーズ第7作品。

    厳密には☆4.5かな。

    生き血で描いた怨毒草紙、久々に怖かったぁ...

    本作では鐘鋳建設の棟梁のみならず、四天王(青鯉、軔、転、茶玉)まで勢揃い。

    そして物語の最後には仙龍の姉•珠青が男児を出産(父親は青鯉)し、サニワの力を失います。

    春菜は仙龍を救う為、隠温羅流のルーツを調べることを決意し、コーイチは秘かに恋心を抱く春菜とそんな気持ちに気づかないフリをする仙龍の距離を縮めようとする。

    そしていつもの民俗学者の小林教授に生臭坊主の雷助和尚ももちろん勢揃い。

    う〜ん、盛り沢山すぎです。

    でも、しっかり怖いんです。

    いやぁ、本作も一気読みでした。

    本シリーズの積読はシリーズ第8作となる「畏修羅」のみ。

    シリーズ最新作はまだ購入していませんが、第9作となる「蠱峯神」もきっと近いうちに購入します。

    隠温羅流の因、仙龍と春菜の恋の行方も気になりますが、きっと徐々にシリーズラストに近づいて来たんだと実感する一冊で、それを考えると寂しさを感じます。



    説明
    内容紹介
    ――首を切られた女が、私を地獄に誘っている――
    シリーズ10万部突破!
    「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」の著者による、恋と怪奇の新境地!

    ☆☆☆

    死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。
    持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。
    調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。
    なぜ怪異は起きたのか。

    死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、
    地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目する――。

    歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。
    因縁帳、転ず。

    内容(「BOOK」データベースより)
    死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。なぜ怪異は起きたのか。死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目する―。歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。因縁帳、転ず。
    著者について
    内藤 了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』(角川ホラー文庫)、『スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁』(祥伝社文庫)がある。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    内藤/了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 相変わらず、よく調べてますね。

    物語も終わりに近づいてきているようで。
    人は怖い、でも哀しい。
    因縁に惑わされる、巻き込まれるのも嫌だなぁとも思いましたけど

  • 因縁帳シリーズ⑦

  • 腹を掻っ捌いて狼に喰わせ、蛇がうじゃうじゃいる大きな樽の中に少女を入れ蛇が穴という穴から入り込み窒息死させたり、見るも無残な数々の絵。その絵は殺された人達の血で描かれた物だった。

    仙龍と春菜は結ばれたのか?

    今回は2人や導師の因縁や珠青の出産などにスポットが当たった内容だった。

    仙龍の家族の事とか知れたから良かった。

  • 怖さというより惨さが際立っていた。
    六道の中では餓鬼道の話になるのかな?
    今回はそれよりも春菜と仙龍の関係に重きが置かれていた印象。個人的には2人の展開を待っていたのでよかった。

  • 怪異自体はそんなに怖くないのだけど、元となった事は恐ろしい。
    人の血で書いた怨毒草子って!
    残忍過ぎて読んでるだけでも目を背け、震えるほどだった。
    今回は四天王もでるし、ようやく春菜が仙龍に自分の気持ちを伝え、新たな展開を迎え物語の終わりに向かう巻だった。
    コーイチいい仕事するなぁ。

  • 読み終わった後も、ふとした拍子に思い出してぞっとするほどの話だった。地獄絵図。

  • 心配のあまりつい怒ってしまう仙龍を見ると、不器用で優しい性格に思わずにんまり。今回関わったものもおぞましく、ヒロインはよく正気でいられるなと感心する。隠温羅流という名称からルーツはそうだろうと予想していたが、やっぱり嬉しい。そろそろ終盤戦に突入といったところだろうか……しかし仙龍、もしかして導師の決まりを……?

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著者プロフィール

2月20日生まれ。長野市出身、在住。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年、日本ホラー小説大賞読者賞受賞作『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』でデビュー。ほかの著書に『ON』につづくシリーズの『CUT』『AID』『LEAK』『ZERO』『ONE』『BACK』『MIX』『COPY』『BURN上・下』、スピンオフ『パンドラ』『サークル』『OFF』、「東京駅おもてうら交番・堀北恵平」シリーズ『MASK』『COVER』『PUZZLE』『TURN』など著作多数。

「2023年 『LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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