量子とはなんだろう 宇宙を支配する究極のしくみ (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 321
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065200001

作品紹介・あらすじ

「粒子でもあり、波でもある」。
一見、矛盾しているようで、直感では理解できない「量子」という存在。
ですが、この世はすべて量子でできています。

量子を不思議だと思うのは、人間の五感では捉えられないから。
そんな量子を理解する方法はただ一つ、「経験を積むこと」。
本書では、量子論を「直感的に」理解できるようになるまで、
徹底的にやさしく、丁寧に解説していきます。

「見えている世界は世界そのものではない」。
これは、現代物理学が示すまぎれもない事実。
量子がわかれば、見える世界が変わる!


■おもな内容
第1章 「古典」の世界観
第2章 量子の発見
第3章 光も電子も量子だからこそ
第4章 量子の世界へ
第5章 量子の群像
第6章 量子が織りなす物質世界
第7章 量子は時空を超えて
第8章 宇宙の計算機――量子コンピュータ

感想・レビュー・書評

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  • 量子についての基本的な考え方について纏めた一冊だけど、やっぱり難しい。でも、量子についてゼロからのスタートだった自分にとっては、学生時代に理科や物理の授業で習った常識が根底から覆されるという、なんとも刺激的な読書体験だった。
    「この世は全て量子でできているけど、位置も速度も決まっていない」って言われたって、直感的には納得しがたいんだけど、それが二重スリット実験をはじめとした数々の実験、そして量子コンピュータという今まさに実用化されつつある技術として現実の世界に取り込まれていく過程は、まるでSF小説を読んでいるようでとても面白かった。
    まあ、北海道と沖縄の話なんかはうまくごまかされてるんじゃないの?という気がしなくもないんだけど、何となく納得してしまいそうな勢いで読めてしまうところがあり、そのあたりは著者の意図したところなのかなと思った。

    自分はあまり抵抗なく読めたけど、文系の読者向けにもっと分かりやすくして欲しいという感想が出るのもよく分かる。ただ、量子のイロハについてこのくらいのボリュームでまとめるには、このレベルが精いっぱいではなかろうか。ブルーバックスで出ている量子をテーマにした他の書籍をチラ見したけど、本書が一番分かりやすく書かれていたように思う。

    個人的にはまだ十分に理解したとは言い難く、何度か読み返して少しでも量子の世界に近づければと思う。

  • 折角興味そそる話題も読み辛く解説されてて残念

  • 量子を単純に「不思議だ〜」と思うだけの時代はそろそろ終わりです

    AIなどデジタル技術の活用による社会構造の変革や経済成長に関して、日本は米中はじめ世界各国からかなり遅れを取ったと言わざるを得ない。政府も再成長のため、デジタル技術者の育成、リスキリングなど掲げているが、もう若くない人たちには、世の中に適応して生きていればいるほど、今更の変化は難しいだろう。ロスジェネ頑張れ!

    それはさておき、政府「統合イノベーション戦略」の一つとして、量子技術が掲げられている。量子論、量子力学というと、猫が半死半生のアレでしょ?とか、魂って量子だよね?とか、神秘的なイメージを持つ人も多いハズ

    という訳で昔から、一般向けの量子論の解説書は山のように出版されてきた。その総本山であるブルーバックスから、気鋭の物理学者によって書かれた量子の入門書が本書である。

    量子力学の歴史、有名な実験、発見、論争などを一通り押さえつつ、他の本との差別化ポイントは、数学のコトバ(数式ではない)で認知させることに挑戦したことであろう。

    これまでの本は大抵、数式を一切使わないで経験的な理解か、逆に数式パンパンで記述的な理解か、であった(全部見た訳じゃないけど)。

    著者によると、量子は、五感で経験できる感覚では理解できず、ひたすら計算の経験を積むことで理解できた気になるそうだ。しかし一般の人たちにそれを求めるのは酷である。なので本書では、なるべく数式は使わずに、でも数学の表現力と性質を使うことで、経験的理解に近づけようと試みている。

    読了して、その試みは概ね成功と思えた。冒頭、量子を単純に「不思議だ〜」と思うだけの時代はそろそろ終わりです、は本書からの引用だが、これは本書を読めばそうなる、という意味ではなく、量子コンピューターの発展普及により、経験として量子を理解する世代がこれからは出てくる、という意味である。

    ロスジェネの一人として、焦るわ…

  • 素養のない自分には難しすぎた。
    読むのに時間かかってしまった。
    階段をのぼるように、段階的に説明されている。
    式が文章の中に組み込まれている場合もあったので、もっと図解的にあると素人にはわかりやすかったのかなと。

  • きちんと詳しいところは詳しくて嬉しい。
    しかし縦書きなのに横書きの部分あり、縦中横あり、縦書きの中に90°回転した横書きあり、読みにくいことこの上ない。
    スッキリ横書きの本で出すべきだった。

  • 物理学科の学生にとっても非常に勉強になります。

  • 第1〜3.8章読了
    4〜7は難しくて途中で断念

    量子学は、論理的思考がまかり通る現代人において直感的に理解するのは難しい
    将来的には量子学的思考が一般になる
    その入門編の本としてとても良かった

  • 421-M
    閲覧新書

  • 量子という概念を丁寧に分かりやすく事例を交えて理解させてくれる。光だけでなく、すべての存在が量子(波動と粒子)であり、五感を通じて理解していると思っているこの世界は、どの一片を取っても、このままの世界ではない(見えているものが世界ではない)という事実。日常のこの世界の見方が変わる。
    難しい理論や数式も出てくるが、量子とは何かを概観できる1冊。

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著者プロフィール

1974年生まれ。2003年に京都大学で理学の博士号を取得後、素粒子物理学者として日本、デンマーク、ポーランドの研究機関で研究に従事。2009年から慶應義塾大学商学部勤務、現在は教授。著書に『宇宙を動かす力は何か』(新潮新書)『時間とはなんだろう』『量子とはなんだろう』(講談社)などがある。


「2023年 『図解 はじめて学ぶ物理のせかい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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