半沢直樹 アルルカンと道化師

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065190166

作品紹介・あらすじ

★★★「半沢直樹」シリーズ6年ぶりとなる待望の最新作!★★★
2020年9月17日発売予定

時はさかのぼり、東京中央銀行大阪西支店・融資課長時代のこと。
浅野支店長に屈辱の土下座をさせ、二度と這い上がれないよう奈落の底に突き落とした、その前夜。
かくも謎めいた出来事が、起きていた――。

***

半沢直樹は、とある意外な場所で静かにその絵を眺めていた。
モダンアート界の巨匠・仁科譲の代表的なモチーフ「アルルカンとピエロ」が描かれた絵だ。

ITベンチャー・ジャッカルが、資金繰りに苦しむ老舗の美術出版社・仙波工藝社を買収したいという。
融資課長として取引先の救済策を思案する半沢の前に浮上したこの買収話、
しかし、なんとも不可解な点があるのだ。
上司の支店長・浅野や副支店長・江島が半沢の意見書を無視し、強引に買収を進めようとしているが、
なにか裏があるに違いない。

その絵はじっと半沢を見つめ返す。
皮肉たっぷりにおどけるアルルカンと物悲しく微笑む道化師(ピエロ)は、半沢に何を語りかけるのか。
解かなければならない融資の謎は、この絵の中に――!?

***

7月19日放送開始ドラマ「半沢直樹」シリーズ待望の最新原作小説が、ついに登場!

『半沢直樹1 オレたちバブル入行組』の前日譚となるシリーズ原点にして、
「やられたら、倍返し!」、あの突き上げる爽快感とともに、明かされる真実に胸が熱くなる、
シリーズ最高傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 曲げない意志の根底にあるもの。仕事への真摯な行動。それぞれ違うかもしれないが、共通点もある。そんな思いにさせてくれる作品。欲望は自分優先。そうなると本物は見えなくなる。

  • 日本で一番有名な銀行員“半沢直樹”シリーズ。ドラマは、幾つか拝見していまして、その魅力は知っていましたが、池井戸さん初読。
    銀行が推進するM&A。その強引な手法に疑問を持つ半沢。IT企業が、業種違いの美術出版社に買収の希望を持つ。半沢は、出版社の意向を守る為、融資実行に奔走していく。
    経済小説という認識で読み始め、もちろん、銀行内部闘争や顧客との駆け引き等楽しく読みました。
    この作品は、それ以上に、このM&Aに隠されていた、二人の青年画家の生涯、彼らの絵画の背景の描写が素敵でした。彼らの往復書簡は、お見事でした。
    銀行の銀行員としてのモラルを問うシリーズ。半沢の性善説的行動が潔く、爽快。
    銀行組織の減点法による人事考査というのが、憂鬱な感じで、避けていたのだけど、やっぱり、読み応えありですね。

    • 土瓶さん
      おびのりさん、こんにちは~(^^)

      実は自分も池井戸さんの著作は未読です。
      なんとなく難しい専門用語が飛び交う、固い、お仕事小説のイメージ...
      おびのりさん、こんにちは~(^^)

      実は自分も池井戸さんの著作は未読です。
      なんとなく難しい専門用語が飛び交う、固い、お仕事小説のイメージで。
      日本一有名な銀行マンの彼も知りません。
      芸人さんたちが、やたら「倍返し」を連呼していたのは知ってますが、ドラマも未だに見ていません。

      読み応え、アリ! でしたか。
      自分も"食わず嫌い"を卒業して読んでみようかな~。

      ウキョ(ФωФ)
      2022/08/13
    • おびのりさん
      土瓶さん、こんにちは〜。
      台風上陸らしいですよ。
      お盆に珍しいよね。

      そうそう池井戸さんそりゃ面白いでしょうよとは思いつつ、特に食指が動か...
      土瓶さん、こんにちは〜。
      台風上陸らしいですよ。
      お盆に珍しいよね。

      そうそう池井戸さんそりゃ面白いでしょうよとは思いつつ、特に食指が動かなかったのよね。これも、図書館のカウンターの横に「今なら予約無しですぐ読める、あのベストセラー」的なコーナーがあって、スーパーのレジの横のチョコレートカゴに追加する気持ちで借りてきたのよね。
      ベストセラーになるだけあって、経済用語はそんなむずくないし、これに関しては、+の青年達の話が良かです。

      私、はるか昔に銀行員だったことがあって、銀行組織嫌悪していて、これ系の小説避けてたんだよね。ブラック歴史だし。
      2022/08/13
    • 土瓶さん
      ほうほう。最近は図書館もいろいろなことをしてるんですねぇ。
      もっと、なんていうか、お役所お役所している固いイメージだったけど。

      ていうか、...
      ほうほう。最近は図書館もいろいろなことをしてるんですねぇ。
      もっと、なんていうか、お役所お役所している固いイメージだったけど。

      ていうか、「+の青年達」の意味がわからんわ。
      経済用語?

      おびのりさんはバリバリの行員さんだったんですね。
      お金ください(笑)

      そして台風のヤツ。
      よりにもよって明日フェリーで帰省しようとしている奇跡のタイミング!
      天候に恨まれるような大それたこと、した覚えないんだがなぁ?

      とりあえず、おびのりさんのウキョ神的なお力で、パパッと、台風を消しちゃってください。
      けっこうマジでお願いしますだ┗(-_-;)┛
      2022/08/13
  • 半沢直樹シリーズ第5作。オーディブルで聴く。

    5作目ではあるが、時系列で行くと1作目の前。
    スピンオフ的作品、とも言える。
    前作「銀翼のイカロス」で航空会社の立て直しをめぐって国との対立を描き話が大きくなりすぎたとの反省から、あえて物語の舞台を小さくしたそうだ。

    もちろん、だからと言って「スカッと爽やか」な魅力は全く減らない。むしろ身近な話になって感情移入しやすくなったかもしれない。
    「やられたら倍返し」はやっぱり気持ちいい。
    安定して、気持ちいい。
    現実では絶対出来ないし、やるべきでもないと思うけど。

    ちなみに、「やられたら倍返し」の初出は、1作目の後半に入ってからで、こんなセリフなんだそうです。
    「オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。そして――潰す。二度とはい上がれないように。」

    参考
    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73718?imp=0

    半沢さん、重いし怖い…

    • りまのさん
      3月4日 たけさん、おはようございます。いいね ありがとうございます…。
      りまの
      3月4日 たけさん、おはようございます。いいね ありがとうございます…。
      りまの
      2021/03/04
  • オモシロかったぁ〜

    半沢直樹シリーズ読むのは初めてでしたが、いーですねぇ

    倍返しだ!! は、やっぱりサイコーです(^O^☆♪

    内容に触れると無駄な説明をしそーなので...

    他の話も読んでみます!

  • 安定した面白さを誇る著書。

    目新しい構成や仕掛けはないものの、
    めくるページが止まらない。

    組織の思惑に対し、
    バンカーとしてのあるべき姿を
    貫く姿には

    誰もが勇気づけられる。

    大企業に属していると企業の論理に
    振り回されるている人は必ずいる。


    にしても、上手いのは、発売日ですよね〜。

    ラグビーワールドカップが開催されるときには
    ノーサイドゲームを刊行、

    今回も
    ドラマが高視聴率のさなか
    最終回を前にして
    アルルカンと道化師が刊行されてます。。。

    本屋行って、
    手に取らない人とかいてます?笑

    僕は無理でした笑

  • 面白かった〜( ; _ ; )
    半沢直樹シリーズの中で1番好きです。

    今回はM&Aという企業買収がメインのお話。
    ジャッカルという大手仮想ショッピングサイトを経営する企業から、仙波工藝社へ15億円という高額での買収の話が持ちかけられる。
    ジャッカルは美術館を建設中であり、美術雑誌を取扱う仙波工藝社に興味をもったようだが、金額が高額すぎる事に半沢は疑問を持つ。
    赤字経営だった仙波工藝社は、自社のプライドを保ち、買収には応じない。
    担当の半沢は、融資を受け再建計画を進めたい仙波工藝社に対し融資が降りるよう働きかけつつ、高額買収の理由を調べていく。

    今回も半沢直樹は取引先を全力でバックアップする安定の好感度。
    基本は性善説。だが、やられたら倍返し。
    読んでいて気持ちいいです。
    特にアルルカンと道化師の絵画にまつわるエピソードが泣けます。
    半沢の判断もいつもに増して葛藤が大きかったと思います。
    美しいお話でした。

  • 半沢直樹の前日譚で、物語は大阪西支店時代に戻る。相変わらずの傍若無人な浅野支店長に振り回される半沢だが、取引先の芸術出版社にM&Aの話が持ち上がり、そこから物語は予想もしない展開へなだれ込んでいく。

    いつもながらの悪役たちの徹底したゲス振りと勧善懲悪な展開には安定感があり、安心して読んでいられるが、本作は銀行内での戦いに加え、芸術に絡んだもう一つの切ないストーリーが重層的に織り込まれる事で唯の銀行ものではない深みを作品にもたらしている。

    個人的には半沢の奥さんの花や子供が出て来た事も嬉しい。ただただ企業ストーリーに特化していた前作や前々作よりも、一支店で地元の人情に触れながら中小企業の社長達としっかり向き合う半沢直樹の方が、読んでいて楽しかったし、共感出来る。

  • «誰のための仕事なのか»
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    勧善懲悪、インパクトのある倍返しでお馴染みの半沢シリーズですが、今回は今までのようなどん底からの逆転劇以外に、宝探し、謎解きの要素が加わっていたのが新鮮でした。分量はしっかりと長編でありながら、番外編のような、短編のような比較的軽い気持ちで読める作品ではないかと思います。

    立場が変われば主張が変わる。
    今回(過去)には取引先の融資を主張する立場にいた半沢は「銀翼のイカロス」では取引先の事情よりも銀行の事情を重視せざるを得ない立場になるんだなと思うと、立場が変わるというのは大変なことだなと感じました。
    ただ、「人事が怖くてサラリーマンが務まるか」という半沢の言葉通り、どんな時でも、自己保身や自分の立場のためではなく、自分が行うべきこと、守るべきもののために仕事をするべきだなとあらためて感じました。

    仁科さんと佐伯さんの友情と、2人の想いが最善の形で世に出ることになりそうで良かったなと思います。

  • 半沢直樹シリーズ、やっぱりおもしろい!!

    自分軸を持って上下関係など関係なく意見をし、自分の利益のために動くのではなくてお客様や部下を守る銀行員の半沢直樹、めちゃくちゃかっこいいです!!!
    働く職種は違えど見習うべきところは多く、私もそんなしっかりした大人になっていきたい(^-^)

  • めちゃくちゃお久しぶりの半沢直樹。池井戸作品を読むのも久しぶり。完全勝利の結末は約束されていますが、スッキリしますね。悪党に腹が立てば立つほど、痛快が増幅。わかっちゃいるけど気持ちいい。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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