キャサリンはどのように子供を産んだのか? How Did Catherine Cooper Have a Child ? (講談社タイガ)
- 講談社 (2020年2月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065182833
作品紹介・あらすじ
国家反逆罪の被疑者であるキャサリン・クーパ博士と彼女の元を訪れていた検事局の八人が、忽然と姿を消した。博士は先天的な疾患のため研究所に作られた無菌ドームから出ることができず、研究所は、人工知能による完璧なセキュリティ下に置かれていた。
消えた九人の謎を探るグアトは、博士は無菌ドーム内で出産し、閉じた世界に母子だけで暮らしていたという情報を得るのだが。
感想・レビュー・書評
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wwシリーズの第三弾。
もう、ここまでwシリーズの続編だとwシリーズのままでよかったんじゃないかと思うw。
本書の論点もバーチャルリアリティーと現実世界との違いのお話。
僕は思うけど、老化が進んで自分の身体が動かなくなってしまったら、自分の肉体を放棄してバーチャル世界で生きていくってものありなんじゃないかな。
バーチャルのなかでいつまで生きるのか?っていう疑問はあるけどね。
でも現実の方がいいのか?。悩ましい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
国家反逆罪の被疑者であるキャサリン・クーパ博士と彼女の元を訪れていた検事局の八人が、忽然と姿を消した。博士は先天的な疾患のため研究所に作られた無菌ドームから出ることができず、研究所は、人工知能による完璧なセキュリティ下に置かれていた。
消えた九人の謎を探るグアトは、博士は無菌ドーム内で出産し、閉じた世界に母子だけで暮らしていたという情報を得るのだが。
「講談社BOOK倶楽部」内容紹介より
「電子世界」のことを考えながら「存在」を考える.
森先生の世界観を通して、電子世界がどんどん身近な存在として迫ってきている感じがする.リアルとヴァーチャルは融合しうるのかなぁ.まぁ、認識の問題か.「存在」の定義をもっと広く考えないと混乱するな.混乱?誰が?どこで?てなるな.
リアルもヴァーチャルもどっちも結局閉じた領域にいるんだな.マトリョーシカをどんどん外に大きくしていく感じなんだな.
アイビス・チップ=ミチル、もしくはミチルの一部なのかな?
難しいなぁ.面白いなぁ. -
国家反逆罪の罪に問われたキャサリン、クーパー博士の研究所に検察局員8人が乗り込むが、キャサリン共々忽然と消えてしまう。ドイツ情報局はグァドに調査協力を依頼する。そして、キャサリンには娘ミチルがいた。人類は生殖できなくなった時代にその謎に迫り、国家とウォーカロンメーカーの暗躍。今回もリアルとバーチャル、電子空間と現実の世界を往き来し展開する。結局、キャサリン、クーパーは人工知能の中に同化したのか?マガタ博士とクーパー博士の会話に緊張感が感じられた。
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『結局、あらゆる問題は、地球なのか、それとも僕個人なのか、というサイズの違い、焦点距離の違いに帰着するようだ。あまりにも、両者の差が大きすぎる。これを切り換えるとき、誰でも軽い目眩に襲われ、とりあえず今日は眠ろう、と目を瞑るのである。』
「影ができるのは、光が当たっているからだ。」
「思いついたときに、貴方は納得するはず。正解とは、自身が納得できる仮説のことですから」
『この世で最も大事なもの、価値のあるものは、生命だと思い込んでいた。
なんとなく、そう信じていた。それは、僕が生きているからだ。
たまたま生きているからにすぎない。
そうではなかった。
生命ではなく、存在なのだ。
存在こそが、最も重要な、この世界を形成するユニットであり、基本だ。』 -
百年シリーズからWシリーズ、WWシリーズと、早くも16冊目になった。森博嗣は大好きで、特にWシリーズでは、これから自分はITとどう生きていくのかを考えさせられ、すごく軽くではあるけれど、人生感にも影響した気がする。
だからWWシリーズが始まったときの期待値は大きく、それが大き過ぎたのか、単に飽きてきたのか、あまりに擬人化された(という表現はそぐわないけれども)人工知能たちに、共感を感じられなくなってきた。
なんかグアトが森博嗣本人にオーバーラップしてきたと感じるのも、ちょっとヤなとこかな。
それでも続編には期待しています。 -
この世ってマトリョーシカなんだなあとなった
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以前の作品では死生観を考えさせられました。
今回は生きるとは何なのかを考える事になりました。
深いですねぇ。 -
ほんのちょっとした会話のセンスが好きです。
リアルとヴァーチャの境目が無くなって来ていても、やっぱりリアルの不完全さに惹かれます。