堕天使堂 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065174241

作品紹介・あらすじ

設計士・長坂の新事務所は「最悪の館」だった。曳き家師・仙龍が立ち向かうは、悪魔――?

よろず建物因縁帳初の洋館は……シリーズ最恐だ。

感想・レビュー・書評

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  • 最後に全部心を持っていかれた一冊。

    今回は最高の立地にありながら長らく放置されていた悪魔憑きの謂れのある教会。

    これはパグ男の扱いといい序盤からかなり危険度高し。

    飛び交う蝿の死体、意思とは無関係に飛び回る工具と…防ぎようのない邪念ともいうべきものにどう立ち向かうのか、カビ臭さを感じながら恐怖心は煽られっぱなし。

    失われていく建物を守りたい春菜の職業意識、曳けないものはない仙龍の職人魂、そして想いを込める曳家の儀式は毎回心に響くなぁと思っていたところ、一気に最後に全部心を持っていかれた。

    気になり過ぎる次巻。

  • 本シリーズで読み終えた作品の中ではやはり「魍魎桜」が最高傑作、本作「堕天使堂」はそれに次ぐ大満足の作品でした。

    本作で仙龍が曳くのは「オリバー・カード聖教会堂」。

    本作はシリーズ初となるサタン(洋物)を鎮めます。

    日本人であるが故に、日本古来からの霊や因縁、怨念などというものに恐怖を感じ、室内の温度が下がったような感覚や、物音、気配...それらのものに恐怖を感じます。

    反対に「ポルターガイスト(映画)」などに代表されるような所謂洋物は少し引いた立ち位置から俯瞰的に見ていた気がしますが、本作はその辺りが上手くミックスされているというか、何というか...

    しっかり怖さを感じながら読み進めることが出来ました。

    この恐怖の感覚を本シリーズには期待している自分がいます。

    物語のラストでは2作前の「犬神の杜」(私は本作を読む直前に読み終えました)で語られなかったストーリーが少し盛り込まれ、改めてシリーズ物の奥行きの深さも感じることが出来ました。

    さて、次作となる「怨毒草紙」ではどんな因切りが待ち受けているのか。

    楽しみですが、この後は少し箸休めで他の積読を手にしてみようと思います。

    ただ、近いうちに本シリーズに戻ってきます。

    何故なら、私自身が本シリーズに取り憑かれているからです。


    説明
    内容紹介
    設計士・長坂の新事務所は「最悪の館」だった。曳き家師・仙龍が立ち向かうは、悪魔――?

    よろず建物因縁帳初の洋館は……シリーズ最恐だ。
    内容(「BOOK」データベースより)
    悪魔憑く牧師は妻子の首を持ち去り消えたそうだ。設計士・長坂が買い取った曰くつきの廃教会。蠅の死骸が飛び回り工具が宙を舞い指を切り落とす異様を目の当たりにした春菜と曳き屋・仙龍は、過去の陰惨な雪山学生リンチ殺人に隠された所以を辿る。底知れない悪意が春菜を狙うなか、サタンの家に隠された因を特定するべく、仙龍は長坂を使った予想外の作戦を提言する―!
    著者について
    内藤 了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『BURN 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』(上下巻・角川ホラー文庫)、『夢探偵フロイト -てるてる坊主殺人事件-』(小学館文庫)。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    内藤/了
    長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 内藤了『堕天使堂 よろず建物因縁帳』講談社タイガ。

    仙龍シリーズ第6弾。

    プロローグに描かれた雪山学生リンチ殺人は古い教会で起きた忌まわしい殺人事件へとつながる……

    今回は何時もにも増しておどろおどらしい展開に期待したのだが、いやに呆気ない結末に些か拍子抜けした。

    設計士の長坂が買い取った古い教会で起きた忌まわしい殺人事件。長坂の依頼を受けた春菜と曳き屋の仙龍は古い教会に巣食う強烈に悪意に立ち向かうが……

    本体価格750円
    ★★★★

  • 悪魔憑く牧師は妻子の首を持ち去り消えたそうだ。 設計士・長坂が買い取った曰くつきの廃教会。蝿の死骸が飛び回り工具が宙を舞い指を切り落とす異様を目の当たりにした春菜と曳き屋・仙龍は、過去の凄惨な雪山学生リンチ殺人に隠された所以を辿る。底知れない悪意が春菜を狙うなか、サタンの家に隠された因を見つけるべく、仙龍は長坂を使った予想外の作戦を提言する――!

  • ついに悪魔まで出て来た。流石に悪魔払いまでは出来ないよね。

    この二人が最後どうなるか。ただそれだけを見守ります。

  • 中々なホラー展開でシリーズの中でも好きな作品
    和vs洋

  • 50年前大学生による集団リンチ殺人事件があった。
    その生き残りの植木はある物を持って教会に行った。
    彼には不気味な悪魔の石像がくっきりと胸に火傷の痕として残っていた。彼は牧師ならこの悪夢を封印出来ると思い託したのだがその後牧師の妻と娘は首を持ち去られ、牧師は行方不明になった。牧師は悪魔の依り代となり地下の墓地で50年もの間屍蝋化していたのだった。仙龍達は家を持ち上げ地下に太陽の光を当てて浄化した。


    う〜ん。
    今回は悪魔か。
    何だか微妙。
    てか、私、春菜が嫌いだと気付いた。
    いい子ちゃんぶる辺りが嫌い。
    主人公の事嫌いだけど他のメンバーは好きだから続きも読んじゃうんだな。

  • 良かった!!
    まだ読んでないシリーズあるけど、1番好きかも!
    1番怖かったし、仙龍を救いたい一心の春菜にもラスト泣けてしまった。
    長坂に一矢報いた感じがスッとするし、コーイチもいいなぁ。

  • シリーズ6作目。今回は廃教会とこれまたかなり読み手の興味をひく物件のうえに、触っちゃいけない感満載で、面白かった。パグ男の使い道も適材適所でよかった(ひどい)が、印象に残るのはやはり最後のシーンだ。ヒロインが今後流れにどう向き合っていくのかを見守りたい。

  • 面白かった。初めてのシリーズ。他の話も読みたくなった。

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著者プロフィール

2月20日生まれ。長野市出身、在住。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年、日本ホラー小説大賞読者賞受賞作『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』でデビュー。ほかの著書に『ON』につづくシリーズの『CUT』『AID』『LEAK』『ZERO』『ONE』『BACK』『MIX』『COPY』『BURN上・下』、スピンオフ『パンドラ』『サークル』『OFF』、「東京駅おもてうら交番・堀北恵平」シリーズ『MASK』『COVER』『PUZZLE』『TURN』など著作多数。

「2023年 『LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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