半沢直樹 1 オレたちバブル入行組 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065170823

作品紹介・あらすじ

大志を抱いてバンカーとなり、今では大阪西支店融資課長を務める半沢直樹。ある時支店長命令により五億円もの融資を行った会社があえなく倒産した。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付け、醜い保身に走る浅野支店長。沸き上がる怒りを抑えながら、半沢は巨額の債権を回収するすべを探る。やられたら、倍返し――ここから痛快リベンジ劇が始まる!

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2020年4月~TBS日曜劇場に「半沢直樹」が帰って来る!
「半沢直樹」続編がついに放送予定
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感想・レビュー・書評

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    銀行の融資は、
    晴天に傘を差しだし、雨天には取り上げる。
    融資の要諦は回収にあり。
    カネとは、裕福なものに貸し、貧乏なものに貸さないのが鉄則。(205頁)

    準大手行である東京中央銀行大阪西支店、融資課長として奮闘する半沢直樹の物語です。

    時は1998年。半沢は、バブル・ピークの狂乱が始まる直前に慶応大学を卒業して、人もうらやむ難関の産業中央銀行に就職した。合併を経て社名も東京中央銀行となった。そして入社して16年。

    西大阪スチール東田社長は、大口取引先の新日本特殊鋼からの売上の減少と、巨額の設備投資で赤字になった業績を粉飾した決算書を使って、自身の評価を上げるために焦っていた大阪西支店の浅野支店長を騙して無担保で5億円を借り入れた。浅野は融資課長の半沢には、ほとんど審査させずに浅野の独断で融資がおこなわれた。半沢が、西大阪スチールの決算書が粉飾によるものである事を突き止めて返済を要求したが、1ヵ月後西大阪スチールは第1回目の不渡りを出した。その後、倒産した。

    浅野支店長は、今回の信用事故は、融資課長である半沢の力不足により、通常であれば当然に見破ることができた粉飾を見逃した故に起きたもので、半沢の財務分析を信用しておこなった自分の与信判断は間違っていなかったと、上層部に説明する。これを知った半沢は、自分を守るのは債権回収しかないことを知り債権回収にむかうが…。

    東田社長は、5年前に主な取引先の新日本特殊鋼の社長がクーデターで解任され、売り上げが急激に減少した時から、倒産するための準備を始めた。そして資産を隠し出した。半沢は、これは計画倒産だったと知った。浅野支店長は、なんとか半沢を陥れようと動く。

    【ネタバレ】
    東田社長と組んで支店から5億円を騙し取ったのが浅野支店長だとはビックリしました。浅野は、株式の信用取引で3千万円からの損失を出して、その返済期日が迫っていた所に、子供の頃に一緒に遊んだ東田のことを知り、東田の詐欺に加担して5穏円の一割の5千万円を貰い仲間となる。
    浅野は、東田から5千万が振り込まれた通帳を半沢に取られて、逆に脅され、今度は復讐される。半沢は、浅野の妻と会って方針を変更して、浅野を刑事告訴するのをやめる代わりに、半沢を本店営業第二部次長に栄転させることを要求する。

    【この言葉が、私の胸に突き刺さりました】
    「夢を見続けるってのは難しいものだ」「それに比べて夢を諦めることのなんと簡単なことか」しみじみと言った父の言葉は、いまも半沢の心に残っている。(387頁)

    【読後】
    ブックオフで半沢直樹を見たら、字が小さくて、読むのが大変だと思いましたが、図書館の本でなく、買った本なので鉛筆でマークしながら読めると思い、読みたくてつい買ってしまいました。大変でしたが物語に引き込まれて途中でやめられず頑張って読みました。さすがに池井戸さんの本です。展開が早く、テンポがよく、読むのが楽しかったです。最後で自分の出世を望むのは予想外で残念です。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    オレたちバブル入行組 半沢直樹シリーズ1作目
    2019.11発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.01.01~02読了。★★★★☆
    ブックオフ、88円で購入2023.01.01
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    《半沢直樹シリーズ一覧》
    06.アルルカンと道化師
    05.なぜ支店長は飛ばされたのか
    04.銀翼のイカロス
    03.ロスジェネの逆襲   2021.08.12音読で読了
    02.オレたち花のバブル組
    01.オレたちバブル入行組 2023.01.02読了

  • こういうストレートなストーリーは小説ではあまり好まないが、良い。

    バブル後の銀行や、当時の中小零細企業の抱える問題が物語を通じて理解できる。

    こんなトントン拍子で不正を暴けるの?は疑問だが、不正が別の不正を生むのは分かる気がする。

    もう少し主人公に闇があると、個人的には好みであるが、これはこれで好し。

  • 痛快。
    一瞬で読み切ってしまった。

    銀行員である前に人であれ
    夢を見続けるってのは、実は途轍もなく難しいことなんだよ。その難しさを知っている者だけが、夢を見続けることができる。そういうことなんじゃないのか

  • 頭の中で半沢直樹が堺雅人さんと置き換わって、心にスッキリする言い回しで、10倍返ししてる図が想像できました。
    初心者にもわかりやすく説明があり、とっても面白かった!

  • ドラマを見ずに今回初めて読んだ。思ったほど「倍返しだ!」がなくても、楽しく読めた。

  • 読み終わって一言、痛快でした。
    銀行員である前に人であれ。この言葉を忘れません。

  • Amazonオーディブルで聴いた。
    ドラマは見たことない。
    池井戸潤、実写化作品多いねー。1作も見たことないけどー。

    「半沢直樹1」そんなに面白くはなかった。
    半沢直樹というキャラがあまり好きになれず。
    マインド的にはほぼ悪役じゃん(^_^;)
    そして、どこがヤマなのかよく分からない展開。
    さらにまた何かあるのでは…誰か裏切るのでは…と心配してしまった。

    でも続編も聴くよ。

  • 読みやすかった。半沢直樹の原点が詰まってる。読み返したい。

  • 理不尽に強い態度で半沢直樹に勇気を貰ったことはもちろん、銀行という組織が今の社会の中でどのような役割を果たしているのかを実感できた。(良くも悪くも)

    ただ、敵側の人間にもその人の人生があり、半沢直樹に糾弾された際の虚しさが印象的だった。この敵に対する小さな同情心はドラマを見ている際には湧くことわなかったので、小説ならではの「半沢直樹」を味わえた気がした。

  • 物語の世界にぐんと入ってしまう!
    おもしろい!
    池井戸さんさすがです!

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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