人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (講談社タイガ)
- 講談社 (2018年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065135945
作品紹介・あらすじ
生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行われるという情報を得るのだが。すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。
感想・レビュー・書評
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生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行われるという情報を得るのだが。すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。
「講談社BOOK倶楽部」より
”人間らしさ”について考えることになった回.突拍子もないことをするのが人間、感情的に動くのが人間、恋をするのも人間.これ以外にも人間らしさを表すものがあるだろう.
魂は輪廻転生してまた蘇るとするならば、この体は借り物ということになる.借り物の体はロボットではダメなのか?有機物である必要がある?この小説で描かれたような世界がくるならば、”人間”の定義て何だろうなと思う.
p.227
彼女は、急に僕に近づき、抱きついてきた。もの凄く強く、両手で拘束された。
両手で拘束された、て.表現!甘くもなんともなさすぎる.こういうところがハギリ博士らしいと感じる.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛の話じゃなですか。
愛というか・・・恋??
Wシリーズ最終作にして、森博嗣先生の視線が「人間」に回帰している。
Wシリーズって、「こんな未来、すごいな。森先生の考える未来、すごい」って、
その未来思考の広がりに、
「おお」って感じだったのですが、
最終話、いい意味で、
「人間」にスポットが当たっています。
今まで、ウォーカロンや、トランスファの世界で、
戦いも、ウォーカロン間や、仮想現実上での戦いだったのが、
今回、「こんなところが舞台になるだなんて!」って驚かされます。
森博嗣、永遠のヒロインも出てくるし、
なんといっても、あの二人の、今までのもやもやした関係に・・・。
ただ月を見上げる。
そんなことが、こんなにも美しいとは。
やはりそれを美しいと「感じる」、本質があるのでしょう。
人間がいるから、「美」があるのでしょう。
私は、誰も登れない場所にある高山植物も、そこに「美しさ」はある、
と思う人間ですが、
森博嗣先生は、「美を感じる主体=人間がいなければ、美も存在しない」と考えているように感じられます。
そうして今回、先生の描いた光景は美しかった。
それは「月」ではなく、ある感情が伴ったからでしょう。
人間は泣きます。
それが人間だから。
そして涙は、悲しい時のためだけにあるのじゃない。
本作はかなりずっとバイオレンスシーンの続く1作ではありますが、
美しい1作でもありました。 -
いつもの感じであっさりと終わったので、まるで完結という感じがしない。この後も別シリーズ出してくれたら嬉しい。
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おっ、この巻がシリーズ最終ですか。
しかし、完結感がないのは困りものですね。読むのが怖くなってきました(汗)おっ、この巻がシリーズ最終ですか。
しかし、完結感がないのは困りものですね。読むのが怖くなってきました(汗)2018/10/31 -
2018/11/05
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一言でいうとラブラブ。。。
それだけで、もうこれで良いかって思ってしまった。 -
とうとう、Wシリーズ最終巻。
今回はハギリ博士自身が危ない目にあった訳ですが、なるほど、客観的にデータだけ見ると、すごい人に見えるんだなあ…いや、博士の実態ももちろんすごい人なんですけどね。ちゃらんぽらんで、思いつきで行動するような人だったとしても。親愛関係の構築があと一歩なところがあったとしても。
これからもまだまだ博士とウグイ、博士とデボラ見ていたかったので、最終巻なのは残念。
でも、もしかしたら、森先生の本を読んでいたら、また出会えるのかも…?
ちゃんと、履修、しますね。 -
終わっちまった悲しみに
Wシリーズの10作目
完結
ハギリとウグイのやりとりがとっても良いですね。
1作目からすると考えられない展開です。
もっと読みたかった。 -
Wシリーズのいつもの巻よりも、やや長い。主人公たちのhumanな感覚がAIに関わる事件を通じて呼び覚まされる・・というところ。
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最後にしてこの疾走感。
あっという間の読了でした。
人間らしさって言うのが、よくわかった気がします。 -
Wシリーズラストは全てにおいて良かったです。
ハギリとウグイとの関係、ハラハラする敵との戦闘、知的な会話。
マガタ博士との会話がすごく面白い。
最後はふわっと幸せな感じで終わり、よかったなと思いました。